ここから本文です。
ホーム > くらし・福祉・健康 > 健康・医療 > 健康づくり・病気予防 > 感染症対策 > 千葉県感染症情報センター
更新日:令和7(2025)年12月10日
ページ番号:4643
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
新型コロナウイルス感染症/インフルエンザ/麻しん/百日咳/腸管出血性大腸菌感染症/感染性胃腸炎/梅毒/風しん
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年、2025年
※過去の週報:
2012年から2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報、2023年週報、2024年週報、2025年週報
2025年第49週に県内医療機関から5例の届出があり、本年の累計は423例となった。現行感染症サーベイランスが開始された1999年以降で最多の2023年と同水準で推移しており、引き続き発生動向に注意が必要である(図1)。

2025年に届出のあった423例の概要は以下のとおり。
性別では、男性273例(65%)、女性150例(35%)であった。
年代別では、男性273例のうち40代が64例(23%)と最も多く、次いで50代61例(22%)、20代48例(18%)と続いた。女性150例では20代が72例(48%)と最も多く、次いで30代25例(17%)、40代20例(13%)であった。
病型別では、男性273例のうち早期顕症梅毒第1期(以下、第1期)が136例(50%)と最も多く、次いで早期顕症梅毒第2期(以下、第2期)66例(24%)、無症状病原体保有者61例(22%)であった。女性150例では第2期が65例(43%)と最も多く、次いで無症状病原体保有者52例(35%)、第1期30例(20%)であった(図2)。
なお、妊婦症例は16例あり、先天梅毒は1例届出されていた。


梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subspecies pallidum)を病原体とする細菌感染症である。菌を排出している感染者との性器や肛門、口腔などの粘膜の接触を伴う性行為により感染する。予防方法は、感染者との性行為を避けることが基本となるが、病変の存在に気づかない場合もあるため、コンドームを適切に使用することが感染リスクの低減につながる。不特定多数の人との性的接触は感染リスクを高めることから、回避することが望ましい。また、症状が消えても感染力が残っていること、治癒しても再度感染する可能性があることに注意が必要である1,2,3)。
典型的な症例では、感染して2から4週間後、梅毒トレポネーマの侵入箇所にしこりや潰瘍ができたり、鼠径部のリンパ節が腫れたりすることもあるが、いずれも痛みを伴わないことが多い(第1期)。その後、数週間から数カ月間が経過すると、皮膚や粘膜に発疹を生じたり、肝臓、腎臓など全身の臓器に様々な症状を呈したりすることがある(第2期)。第1期、第2期のいずれも、症状は自然に軽快することが多いが、梅毒が治ったわけではない。治療せず放置した場合、感染から数年後に、大動脈瘤などが生じる心血管梅毒や歩行障害などを伴う脊髄癆(せきずいろう)などの晩期顕症梅毒を引き起こすことがある。なお、感染が脳や脊髄に及んだ場合を神経梅毒と呼び、どの病期でも起こりうる1,2,3)。
妊婦が梅毒に感染すると、胎盤を通じて胎児に感染し、流産、死産、先天梅毒を起こす可能性がある。先天梅毒は、生後まもなく皮膚病変や肝脾腫などを認める早期先天梅毒と、生後約2年以降に目や耳に症状を呈する晩期先天梅毒がある。先天梅毒の予防では、妊婦健診におけるスクリーニング検査、早期検査、早期治療が重要である。感染した妊婦への適切な抗菌薬治療によって、母子感染するリスクを下げることができる1,4)。
千葉県では無料・匿名の検査を実施しています
梅毒は早期に適切な治療を受けることで完治可能な疾患です。早期発見・早期治療、そして再感染予防のためにも、パートナーもともに検査を受けることが推奨されます。
県では保健所等において無料・匿名の検査を実施しています。不安なことがある場合には、県ホームページ等でスケジュールをご確認の上、ぜひご活用ください2,5)。
3)厚生労働省:梅毒![]()
4)国立健康危機管理研究機構: IASR 44(12), 2023【特集】梅毒 2023年現在![]()
海外においては、国内では見られない感染症が流行していることがあり、海外滞在中に感染する可能性があります。海外へ渡航する際には、事前に渡航先における感染症の流行状況、現地滞在中の注意点、海外渡航に際し推奨されている予防接種をご確認ください。
また、感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中や帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。その場合は、医療機関に事前に電話連絡して海外渡航歴があることを伝えた上で受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴等についてお伝えください1,2)。
2025年49週の県全体の定点当たり報告数は、前週(1.02)から減少して、0.87となった。
2024年までの過去の発生状況については別ページに掲載しています。
2025年49週の県全体の定点当たり報告数は、前週(47.93)から減少して、37.08となった。
2015/16シーズンから2024/25シーズンの過去の発生状況については別ページに掲載しています。
※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。
千葉県では、2025年49週に届出はなく、累計は22例であった。
【国内の状況】
国立健康危機管理研究機構のまとめによると、2025年第48週に8例の届出があり、累計は251例となりました。近隣都県では、これまでに神奈川県で41例、東京都で31例、茨城県で22例、埼玉県で12例の届出がありました1)。
国内外での報告増加を受け、厚生労働省は令和7年3月19日付けで注意喚起をしています2)。
2)厚生労働省:麻しんの国内外での報告増加に伴う注意喚起について(協力依頼) (PDF:190.4KB)
【千葉県の2024年までの過去の状況は別ページに掲載しています】
国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。
また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。
千葉県では2025年49週に31例の届出があり、累計は3,528例となった。
千葉県では2025年49週に1例の届出があり、累計は192例となった。
2010年から2024年の過去の発生状況については別ページに掲載しています。
2025年49週の県全体の定点当たり報告数は、前週(3.13)から増加して、4.17となった。
2016/17シーズンから2024/25シーズンの過去の発生状況については別ページに掲載しています。
千葉県では2025年49週に5例の届出があり、累計は423例となった。
2021年から2024年の過去の発生状況については別ページに掲載しています。
千葉県では、2025年49週に届出はなく、累計は0例であった。
2008年から2024年の過去の発生状況については別ページに掲載しています。
保健所へは、小児科・ARI定点の医療機関は報告様式1と2の両方を、ARI定点は報告様式2をご報告ください。
なお、集計様式は、保健所への送付は不要です。
参考:急性呼吸器感染症(ARI)に関する説明会の開催について(千葉県疾病対策課)
急性呼吸器感染症定点にかかるシステム上の入力方法について 医療機関向け(PDF:1,419.1KB)
オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください