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更新日:令和6(2024)年3月27日

ページ番号:4643

千葉県感染症情報センター

千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。

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週報

2024年第12週(2024年3月18日~2024年3月24日)(PDF:807.7KB)

2024年3月18日から2024年3月24日までの期間(2024年第12週)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。

※過去の注目疾患:2015年2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年

※過去の週報:2012年~2016年週報2017年週報2018年週報2019年週報2020年週報2021年週報2022年週報

       2023年週報2024年週報

今週の注目疾患

結核

2024年第12週に県内医療機関から結核の届出が22例あった。性別では男性8例、女性14例であり、年代別では80歳以上が7例で最も多く、次いで70代と50代がそれぞれ6例、60代が2例、40代が1例と続いた。

2024年の累計報告数は第12週時点で203例となっており、性別では男性122例(60.1%)、女性81例(39.9%)と男性が多かった(図1)。年代別では80歳以上が53例(26.1%)、70代が41例(20.2%)、50代が37例(18.2%)の順で多く、70代以上で約半数近くを占めた(図2)。病型別では肺結核91例(44.8%)、無症状病原体保有者78例(38.4%)、その他の結核27例(13.3%)、肺結核及びその他の結核7例(3.4%)であった。その他の結核で多かったのは結核性胸膜炎16例、結核性リンパ節炎5例、粟粒結核5例であった(複数症状のあるものはそれぞれに計上している)。

県内における2015年から2024年第12週までの累計届出数は2016年の1405例をピークに減少傾向にある。しかし、第12週時点での届出数は2022年の163例、2023年の150例に比べて2024年は203例と多くなっている。また、県内の医療機関において、2023年11月から2024年1月にかけて結核の集団発生が確認されていることから1)、引き続き発生動向を注視していく必要がある。

図1:2015年から2024年第12週までの千葉県内結核届出数図2:2024年第1週から第12週までの性別年代別千葉県内結核届出数

結核は、結核菌によって発生するわが国の主要な感染症の一つである。結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、呼吸困難等、風邪のような症状を呈することが多いが、肺以外の臓器が冒されることもあり、腎臓、リンパ節、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響が及ぶことがある。特に、小児では症状が現れにくく、全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため、注意が必要である2)

 結核は肺結核が代表的であるが、それ以外にも頸部リンパ節結核、脊椎カリエス、腸結核、腎結核など全身の様々なところに病巣を形成する(肺外結核)。菌が血流により全身に行きわたり(粟粒結核)、髄膜に到達する結核性髄膜炎などもある。現在では、粟粒結核は早期発見により治癒の可能性が高まっているが、髄膜炎は3分の1が死亡し、治っても半数近くは脳に重い後遺症を残すことがある3)

結核の治療は、無症状病原体保有者については、潜在性結核感染症として3ヶ月から6ヶ月間薬を服用することで発病を予防する。患者についても、一定期間毎日複数の薬を服用して治療する。不適切な服薬の中断は治療に失敗するばかりでなく、結核菌の薬剤耐性化を招く。確実な治療のため、入院中も退院後も医療従事者が服薬を見守る仕組みをDOTSといい、医療機関と保健所が協力して行う4)

結核の初期症状は風邪に似た症状である。痰のからむ咳・微熱・身体のだるさが2週間以上続く場合 には、早期受診が勧奨される。咳や痰、発熱などの症状が出ないこともあるので、体重減少・食欲がない・寝汗などがある場合にも早期受診を検討されたい4)

 

■参考・引用

1)千葉県疾病対策課:結核の集団発生について(令和6年2月13日)

2)厚生労働省:結核(BCGワクチン)外部サイトへのリンク

3)公益財団法人結核予防会結核研究所:結核の基礎知識外部サイトへのリンク

4)公益財団法人結核予防会結核研究所:結核の常識2023(PDF:2,849.4KB)

 

新型コロナウイルス感染症の発生状況

2024年第12週の県全体の定点当たり報告数は、前週の7.00人から減少し、5.57人であった。

地域別では、香取/市原(8.00)、印旛(7.75)保健所管内で患者報告数が多かった(図)。

 

図:直近5週間の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)定点当たり報告数の推移(保健所別)

図:直近5週間の県内COVID-19定点当たり報告数の推移(保健所別)

疾患別・保健所別5週グラフ

RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。

月報

2024年2月の千葉県結核・感染症月報(2024年9週週報)を掲載しています。

新型コロナウイルス感染症

《発生状況について》

2024年12週の県全体の定点当たり報告数は、前週(7.00)から減少し、5.57であった。

2024年12週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。

《新型コロナウイルス変異状況について》

県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。

その状況についてお知らせします。

 

インフルエンザ/COVID-19定点医療機関から保健所への報告様式

保健所への報告は、報告様式1(小児科定点・インフルエンザ/COVID-19定点用)又は報告様式2(インフルエンザ/COVID-19定点用)をお使いください。なお、集計様式2は、保健所への送付は不要です。

オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)

梅毒が増加しています!

千葉県では2024年12週に6例届出があり、累計は96例となった。

昨年2023年は1999年の現行感染症サーベイランス開始以降最多となる467例の届出があり、注意が必要です。

2024年12週までの県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

腸管出血性大腸菌感染症情報

千葉県では、2024年12週に届出はなく、2024年の累計は7例であった。

2024年12週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

インフルエンザ情報

2024年12週の県全体の定点当たり報告数は、前週(23.10*)から減少し、18.36であった。

*前週報告時点では23.06

2023/24シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2022/23シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

感染性胃腸炎情報

2024年12週の県全体の定点当たり報告数は、前週(5.14)から減少し、4.54となった。

2023/24シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2022/23シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。

麻しん情報

千葉県では、2024年12週に届出はなかった(2024年3月27日現在)。2024年の累計は0例である。

2024年12週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。

また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。

風しん情報

千葉県では、2024年12週に届出はなかった(2024年3月27日現在)。2024年の累計は0例である。

2024年12週までの県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。

リンク

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所感染疫学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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