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更新日:令和元(2019)年12月11日

千葉県感染症情報センター

千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。

週報月報報告数腸管出血性大腸菌感染症インフルエンザ感染性胃腸炎麻しん風しんリンク

週報

2019年49週(2019年12月2日~2019年12月8日)(PDF:861KB)

※過去の注目疾患:2015年2016年2017年2018年2019年

※過去の週報:2012年~2016年週報2017年週報2018年週報2019年週報

今週の注目疾患

ボツリヌス症

2019年第49週に県内医療機関から1例のボツリヌス症の届出があった。ボツリヌス症はClostridium botulinum(ボツリヌス菌)が産生するボツリヌス神経毒素(botulinum neurotoxin)によって起こる全身の神経麻痺を生じる神経中毒疾患である。C. botulinum以外にも、C. butyricumC. baratiiC. argentinenseにおいても類似した毒素を産生する株があり、ボツリヌス症を起こす原因となる。ボツリヌス毒素はコリン作動性神経末端からのアセチルコリンの放出を抑制し、その結果、神経から筋肉への伝達が障害され麻痺に至る。ボツリヌス菌は土壌、海や湖沼などに広く分布しているが、増殖は低酸素条件が必要な偏性嫌気性菌である。環境中では、ボツリヌス菌は熱や乾燥に強い「芽胞」と呼ばれる細胞構造を形成し、厳しい環境下での生存を可能としている。芽胞形成状態では増殖は出来ず、低酸素状態に置かれると発芽・増殖が起こり、毒素が産生される。ボツリヌス症は現在4類感染症として全数把握対象の疾患となっており、以下のような病態が知られている。

 

1.食餌性ボツリヌス症(ボツリヌス食中毒)

2.乳児ボツリヌス症

3.創傷ボツリヌス症

4.成人腸管定着ボツリヌス症

5.その他(上記にあてはまらない病態(医原性、生物兵器の吸入等))

 

国内での届出の大半は食餌性ボツリヌス症もしくは乳児ボツリヌス症である。食餌性ボツリヌス症は、ボツリヌス毒素により汚染された食品を摂取することにより発症する。野菜や魚などに付着した芽胞は真空パック詰食品、缶詰、瓶詰めや発酵食品内といった酸素の少ない状態となると発芽し、加えて温度、水分、中性~アルカリ性のpH、糖やたんぱく質等の栄養分の条件が整うと増殖しボツリヌス毒素が産生される。ボツリヌス毒素が産生された食品を非加熱・不十分な加熱で喫食すると毒素が腸管で吸収され、食餌性ボツリヌス症が引き起こされる恐れがある。ボツリヌス毒素は十分な加熱により失活するが、芽胞は100℃の長時間加熱でも壊すことが出来ない。常温保存可能な容器包装詰加圧加熱殺菌食品(レトルトパウチ食品)は、芽胞も失活する120℃4分以上に相当する加熱加圧処理がなされているが、これ以外の密封された食品は保存方法の十分な確認が必要である。要冷蔵・要冷凍の真空パック食品を誤って常温保存しボツリヌス毒素が産生され、喫食前の不十分な加熱が重なり、ボツリヌス症の原因となった事例が報告されている。

食餌性ボツリヌス症の潜伏期間は、6時間から10日間(通常18時間から48時間)で発症する。潜伏期間が短いと一般的に症状も重い。典型的な臨床症状は、眼瞼下垂、複視、眼筋麻痺、嚥下障害、構音障害等の脳神経障害である。消化管症状(嘔吐、腹痛、下痢等)を認めることもあり、すぐにこれらの症状は便秘となる。意識は清明であり、感覚障害はない。病状が進むと、弛緩性および対称性の麻痺が、頸部、肩、上肢(上腕から前腕へ)、下肢(大腿から下腿へ)の筋肉へ及ぶ。咽頭筋の麻痺による気道閉塞と、横隔膜および呼吸筋における麻痺は呼吸機能障害を引き起こす。症状は軽度の脳神経障害のみの場合もあれば、すべての随意筋において麻痺が起きる場合もある。ボツリヌス症は人工呼吸器によるサポートが必要な重症となることもあれば、ボツリヌス症に気づかない軽症例もある。

治療においては抗毒素の投与が行われるが、原因食品をともに接種したヒトがいる場合は、症状がなくても、ボツリヌス抗毒素の使用について検討する。

乳児ボツリヌス症は乳児特有の疾患であり、1歳未満の乳児がボツリヌス菌芽胞を経口的に摂取し、消化管内で増殖した菌により産生されたボツリヌス毒素によって発症する。県内では2015年に乳児ボツリヌス症の届出を認めている。過去の事例ではハチミツ摂取が原因と考えられた症例が報告されており、ハチミツは1歳未満の乳児には与えないよう注意する必要がある。なお、ボツリヌス菌がハチミツの瓶中で増えるといったことはなく、毒素が産生されるといったことはない。近年はハチミツ摂取歴のない事例が多く、多くの事例で原因は明らかでない。乳児ボツリヌスでは、乳児の腸内でボツリヌス菌が増えるため、乳児が回復したあとも、場合によっては数ヶ月にわたり便とともにボツリヌス菌が排泄される。そのため、退院した後も、周囲に1歳未満の乳児がいるような場合は、オムツを交換するときに周囲を便で汚さないようにする必要がある。ボツリヌス菌の芽胞はアルコールなどの消毒は無効なので、オムツ交換の後は、石鹸と流水でよく手を洗うことが重要である。

参考・引用

国立感染症研究所:ボツリヌス症とは外部サイトへのリンク

 

疾患別・保健所別5週グラフ

疾患別・保健所別5週グラフ(2019年45週~2019年49週)(PDF:202KB)

月報

報告数

腸管出血性大腸菌感染症情報

千葉県では、2019年49週に1例の届出があった(2019年12月11日現在)。2019年の累計は148例となった。

インフルエンザ情報

2019年49週の県全体の定点当たり報告数は、2019年48週の4.52から増加し8.67となった。

感染性胃腸炎情報

2019年49週の県全体の定点当たり報告数は、2019年48週の4.84から増加し5.05となった。

麻しん情報

千葉県では、2019年49週に届出はなかった(2019年12月11日現在)。2019年の累計は26例のままである。

風しん情報

千葉県では、2019年49週に届出はなかった(2019年12月11日現在)。2019年の累計は199例のままである。

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所属課室:健康福祉部千葉県衛生研究所感染疫学研究室

電話番号:043-266-6723

ファックス番号:043-265-5544

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