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更新日:令和6(2024)年12月4日
ページ番号:4643
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
週報/月報/新型コロナウイルス感染症/梅毒/腸管出血性大腸菌感染症/インフルエンザ/感染性胃腸炎/麻しん/風しん/リンク
2024年第48週(2024年11月25日から2024年12月1日)(PDF:951.7KB(PDF:885.2KB))
2024年11月25日から2024年12月1日までの期間(2024年第48週)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年
※過去の週報:2012年から2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報、
2024年第48週に県内医療機関から本年初となる麻しんの届出があった1)。症例は10歳未満であり、ワクチン接種歴はなく、推定感染地域は国外であった。
全国では、第47週までに40例の届出があり、近隣都県では東京都で10例、埼玉県で8例の届出があった(11月27日時点)。特に第38週(9月16日から22日)以降は全国で継続的に届出が続いている。なお、この期間の届出12例中、推定感染地域は国内が9例(75%)、国外が2例(17%)、国内・国外不明が1例(8%)であった2)。
麻しんに感染すると約10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れる。2~3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が出現し、肺炎や中耳炎を合併することがある。脳炎は、患者1,000人に1人の割合で、また、死亡する割合は、先進国であっても1,000人に1人と言われる。なお、その他の合併症として、10万人に1人程度と頻度は高くないものの、感染してから数年が経過した後、特に学童期に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)と呼ばれる中枢神経疾患を発症することもある3)。
麻しんは感染力が強く、空気感染もするため、手洗いやマスクのみでの予防は困難であり、予防接種が最も有効な予防法といえる。予防接種により感染リスクを最小限に抑えることが可能であり、定期接種の機会(第1期:1歳児、第2期:小学校入学前1年間の幼児)に確実に予防接種を受けることが重要である。また、麻しんの罹患歴がなく、予防接種歴がないもしくは不明な場合、かかりつけ医と相談の上、麻しん含有ワクチン接種の検討が推奨される。特に、医療関係者や児童福祉施設等の職員、学校などの職員など、麻しんにかかるリスクが高い方や麻しんにかかることで周りへの影響が大きい場合、確実な予防接種が推奨される3)。
麻しん患者と接触したり、海外へ最近渡航した方で、発熱・せき・鼻水・眼球結膜の充血・発しん等の症状がある場合は、必ず事前に医療機関に連絡の上、指示に従って受診してください。
なお、移動の際は、周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用を可能な限り避けてください3)。
■引用・参考
2024年第48週における県内の小児科定点医療機関からの定点当たり報告数は、前週から増加し2.10(人)となった(図)。定点当たり2.00(人)を超えるのは、現行感染症サーベイランスが開始された1999年以降では初であり、注意が必要である。
本疾患はヒトパルボウイルスB19を原因とし、幼児、学童の小児を中心にみられる流行性の発疹性疾患であり、「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもある。
特徴的な症状は、感染後10日から20日の潜伏期間を経て出現する両頬の境界鮮明な紅斑である。続いて腕、脚部にも両側性に網目状・レース様の発疹がみられ、体幹部(胸腹背部)にもこの発疹が出現することがある。感染後約1週間頃にウイルス血症をおこしており、この時期にウイルスの体外への排泄量は最も多くなる。また、インフルエンザ様症状(倦怠、発熱、筋肉痛、鼻汁、頭痛、掻痒症など)を呈することがあるが、発熱はあっても軽度である。なお、発疹出現時期を迎えて伝染性紅斑と臨床的に診断された時点は抗体を産生する頃であり、ウイルス血症はほぼ終息し、既に周囲への感染性はほとんどないといわれている。発疹は1週間前後で消失するが、一度消えた発疹が短期間のうちに日光や熱(入浴や運動など)により再出現することがある。成人では両頬の蝶形紅斑は少ない。本疾患の約4分の1は不顕性感染である1)。
注意すべきこととして、妊婦から胎児に垂直感染し、流産や死産、胎児水腫を起こすことがあるが、伝染性紅斑を発症した妊婦から出生し、ヒトパルボウイルスB19感染が確認された新生児でも、妊娠分娩の経過が正常で、出生後の発育も正常であることが多く、生存児での先天異常は知られていない。
また、鎌状赤血球症などの溶血性貧血患者では貧血発作(aplastic crisis)を、免疫不全者では重症で慢性的な貧血を引き起こす場合がある1,2)。
感染経路は飛沫感染もしくは接触感染である。職場、子供の保育園・学校等の周囲で患者発生が見られる場合、特に妊娠中またはその可能性のある方は、感冒様症状を呈する人との接触を可能な限り避けるよう、注意が必要である。また、手指衛生、咳エチケット等の一般的な衛生対策や体調不良時は自宅で安静にすること等、うつらない・うつさない予防対策が重要である1,2)。
■引用・参考
1)国立感染症研究所:IDWR 2019年第14号<注目すべき感染症>伝染性紅斑(ヒトパルボウイルスB19感染症)
【Topics】
≪海外へ渡航される皆様・海外から帰国された皆様へ≫
海外においては、国内では見られない感染症が流行していることがあり、海外滞在中に感染する可能性があります。海外へ渡航する際には、事前に渡航先における感染症の流行状況、現地滞在中の注意点、海外渡航に際し推奨されている予防接種をご確認ください。
また、感染症には、潜伏期間(感染してから発症するまでの期間)が数日から1週間以上と長いものもあり、渡航中や帰国直後に症状がなくても、しばらくしてから具合が悪くなる場合があります。その場合は、医療機関に事前に電話連絡して海外渡航歴があることを伝えた上で受診し、渡航先、滞在期間、現地での飲食状況、渡航先での活動内容、動物との接触の有無、ワクチン接種歴等についてお伝えください1)。
その他詳細は下記をご参照ください。
■参考・引用
2)【感染症エクスプレス@厚労省】Vol.518(2024年8月4日)
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。
2024年10月の千葉県結核・感染症月報(2024年44週週報)を掲載しています。
2024年48週の県全体の定点当たり報告数は、前週(1.72)から増加し、2.41であった。
2024年48週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。
県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。
その状況についてお知らせします。
保健所への報告は、報告様式1(小児科定点・インフルエンザ/COVID-19定点用)又は報告様式2(インフルエンザ/COVID-19定点用)をお使いください。なお、集計様式2は、保健所への送付は不要です。
オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)
千葉県では2024年48週に2例届出があり、累計は412例となった。
昨年2023年は1999年の現行感染症サーベイランス開始以降最多となる472例の届出があり、注意が必要です。
2024年48週までの県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では2024年48週に2例届出があり、累計は173例となった。
2024年48週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2023年1週から52週)(PDF:381.4KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2022年1週から52週)(PDF:249.1KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2021年1週から52週)(PDF:270.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2020年1週から53週)(PDF:250.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2019年1週から52週)(PDF:240KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2018年1週から52週)(PDF:242KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2017年1週から52週)(PDF:254KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2016年1週から52週)(PDF:145KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2015年1週から53週)(PDF:233KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2010年から2014年)(PDF:224KB)
- 全国の発生状況(国立感染症研究所)
2024年48週の県全体の定点当たり報告数は、前週(3.94)から増加し、8.18であった。
2024/25シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。
2024年48週の県全体の定点当たり報告数は、前週(2.60)から増加し、3.17であった。
2024/25シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では、2024年48週に1例届出があった(2024年12月4日現在)。2024年の累計は1例である。
2024年48週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。
また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。
千葉県では、2024年48週に届出はなかった(2024年12月4日現在)。2024年の累計は0例である。
2024年48週までの県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2023年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
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