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更新日:令和4(2022)年6月29日
ページ番号:4643
県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。
その状況についてお知らせします。
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
週報/月報/報告数/梅毒/腸管出血性大腸菌感染症/インフルエンザ/感染性胃腸炎/麻しん/風しん/リンク
2022年第25週(2022年6月20日~2022年6月26日)(PDF:1,065KB)
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年
※過去の週報:2012年~2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報
2022年第25週に県内医療機関から細菌性赤痢が1例報告された。原因病原菌はShigella sonneiであった。海外渡航歴があり、推定される感染経路は魚介類の生食であった。渡航歴がある症例の報告は2019年以来、3年ぶりとなる。
2012年から2022年第25週までに県内医療機関から細菌性赤痢の報告が56例あった。性別では女性34例(61%)、男性22例(39%)で女性が多い。類型別では患者が52例(93%)、無症状病原体保有者が4例(7%)であった。年代別では20代が17例(30%)と最も多く、次いで30代が14例(25%)であり、20~30代が半数以上を占めた。
推定される感染地域は、国外が36例(64%)、国内が19例(34%)、不明が1例(2%)であり、半数以上が国外であった(図1)。
推定される感染経路※は、経口感染(飲食物)が33例(59%)、接触感染(人)が5例(9%)、性的接触が1例(2%)、不明が18例(32%)であった。感染原因と推定された飲食物は、国外での野菜や果物、魚介類などの生食、水、氷などがあげられていた。接触感染では同居家族からの感染があげられていた。(※複数の推定感染経路が記載されている場合、重複計上している)
細菌性赤痢の原因菌は赤痢菌(Shigella)である。Shigella 属には4菌種(S. dysenteriae、S. flexneri、S. boydii、S. sonnei)が含まれる。患者や無症状病原体保有者の糞便、それらに汚染された手指、食品、水、ハエ、器物を介して直接あるいは間接的に感染する。感染菌量は10~100個と極めて少なく、家族内での二次感染も多い1)。
通常、潜伏期は1~3日間であり、全身の倦怠感、悪寒を伴う急激な発熱、水様性下痢を呈する。発熱は1~2日続き、腹痛、しぶり腹(テネスムス)、濃粘血便などの赤痢症状を呈する。近年、重症例は少なく、数回の下痢や軽度の発熱で経過する事例が多い。通常、S. dysenteriaeやS. flexneriは典型的な症状を起こすことが多いが、S. sonneiの場合は軽度な下痢あるいは無症状に経過することが多い1)。
予防の基本は、輸入例が半数以上を占めることから、細菌性赤痢の汚染が考えられる地域では非加熱食品、生の水、氷などを摂取しないことが重要である。また、接触感染を予防するため、手洗いの励行が重要となる1)。
2022年第25週に県内定点医療機関から報告された手足口病の定点当たり報告数は、20週から6週連続で増加し、1.84(人)であった。第25週に報告された患者について、年齢は1歳が最も多く(36%)、次いで2歳(34%)、3歳(10%)であった。発生報告が多かった地域は、柏市5.22(人)、船橋市3.82(人)、香取3.33(人)保健所管内であった(図2)。柏市保健所管内は警報開始の基準値である5.0をこえており、今後の発生動向に注意が必要である。
手足口病は、口腔粘膜および手や足などに現れる水疱性の発疹を主症状とした急性ウイルス感染症である。コクサッキーA16(CA16)、コクサッキーA6(CA6)、エンテロウイルス71(EV71)などのウイルスが原因ウイルスとなる。基本的に予後良好な疾患であるが、急性髄膜炎の合併が時に見られ、稀ではあるが急性脳炎を生ずることもあり、なかでもEV71は中枢神経系合併症の発生率が他のウイルスよりも高いことが知られている2)。
感染経路は主に飛沫感染で起こるが、便中に排泄されたウイルスによる経口感染、水疱内容物からの感染などがあり得る。便中へのウイルスの排泄は長期間にわたり、症状が消失した患者も2~4週間にわたり感染源になり得る。予防としては、接触予防策、飛沫予防策が重要である。手洗いの励行は重要であり、特に排便後・排泄物の処理後の流水と石けんによる手洗いを徹底する2)。
■参考
千葉県の2021年梅毒症例の累計は235例であり、1999年の現行感染症サーベイランス開始以降、最多の報告数となった。
2022年第25週には4例報告があり、累計132例となった。増加傾向が認められており、本年も引き続き注意が必要である。詳細は以下の発生状況を参照いただきたい。
千葉県では、2022年25週に2例届出があり、2022年6月29日現在、累計は36例である
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2022年1~25週)(PDF:264.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2021年1~52週)(PDF:270.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2020年1~53週)(PDF:250.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2019年1~52週)(PDF:240KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2018年1~52週)(PDF:242KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2017年1~52週)(PDF:254KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2016年1~52週)(PDF:145KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2015年1~53週)(PDF:233KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2010年~2014年)(PDF:224KB)
- 全国の発生状況(国立感染症研究所)
2022年25週の県全体の定点当たり報告数は、前週から変わらず0.00のままであった。
2022年25週の県全体の定点当たり報告数は、2022年24週の6.13から減少し、5.80だった。
千葉県では、2022年25週に届出はなかった(2022年6月29日現在)。2022年の累計は0例である。
千葉県では、2022年25週に届出はなかった(2022年6月29日現在)。2022年の累計は0例である。
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