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更新日:令和7(2025)年7月9日
ページ番号:4643
千葉県感染症情報センターとは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」による施策として位置づけられた感染症発生動向調査により得られた情報を集計・分析するとともに、情報提供・開示するため、千葉県衛生研究所に設置されています。
週報/月報/新型コロナウイルス感染症/麻しん/百日咳/梅毒/腸管出血性大腸菌感染症/インフルエンザ/感染性胃腸炎/風しん/急性呼吸器感染症(ARI)報告様式/リンク
2025年第27週(2025年6月30日から2025年7月6日)(2025年6月分月報含む)(PDF:1,010.3KB)
2025年6月30日から2025年7月6日までの期間(2025年第27週)(2025年6月分月報含む)の千葉県結核・感染症週報を掲載しています。
※過去の注目疾患:2015年、2016年、2017年、2018年、2019年、2020年、2021年、2022年、2023年、2024年、2025年
※過去の週報:2012年から2016年週報、2017年週報、2018年週報、2019年週報、2020年週報、2021年週報、2022年週報、
千葉県では、食中毒警報を発令中です1)。
気温が高くなるこの季節は、細菌の活動が活発になり、細菌を原因とする食中毒が多く発生する季節です。腸管出血性大腸菌のほか、カンピロバクターや黄色ブドウ球菌といった細菌による食中毒発生の予防のためにも、細菌を「つけない(調理の前や食事の前の手洗い、調理器具の使い分け)、増やさない(冷蔵・冷凍)、やっつける(十分な加熱、生ものを扱った調理器具の消毒)」ことに注意しましょう。
2025年第27週に県内医療機関から6例の届出があり、累計は57例となった。一般的に気温が高い初夏から初秋は腸管出血性大腸菌の多発期であり2)、県内でも例年届出数が多くなる傾向があるため、特に注意が必要である(図)。
2025年に届出のあった57例の概要は以下のとおり。
性別では女性32例(56%)、男性25例(44%)であった。年代別では、20代が27例(47%)で最も多く、次いで30代が7例(12%)、40代が6例(11%)であった。症状の有無別では、患者(有症者)が21例(37%)、無症状病原体保有者が36例(63%)であり、患者21例に発現した主な症状(発生届の記載による、複数記載あり)は、腹痛が18例(86%)で最も多く、次いで水様性下痢が15例(71%)、血便が13例(62%)と続いた。毒素型別では、腸管出血性大腸菌が分離された57例中VT2陽性株(VT2単独またはVT1VT2)が34例(60%)であった。
〇毒素型について
腸管出血性大腸菌が産生するベロ毒素(VT)は、その種類の違いによって重症度に違いが見られ、VT2陽性株(VT2単独またはVT1VT2)はVT1単独産生株と比較して、有症状者の割合や血便を呈する患者の割合が高い傾向が見られる。国立健康危機管理研究機構の報告によると、2024年に溶血性尿毒症症候群(HUS)を合併した73例のうち、腸管出血性大腸菌が分離されたのは55例であり、55例中47例(85%)の毒素型がVT2陽性株(VT2単独またはVT1VT2)であった3)。
腸管出血性大腸菌感染症の原因菌はベロ毒素を産生する大腸菌である。腸管出血性大腸菌は家畜等の腸管内に生息しており、感染経路は糞便に汚染された食品や手指などを介した経口感染である。少ない菌数(100個程度)で感染が成立するため、人から人への経路、または人から食材・食品への経路で感染が拡大しやすい2-5)。
症状は、無症候性から軽度の下痢、激しい腹痛、頻回の水様便、さらに著しい血便とともに重篤な合併症を起こし死に至るものまで様々である。多くの場合、3日間から5日間の潜伏期を経て、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に血便となる。発熱は軽度で多くは37℃台である。血便の初期には血液の混入は少量であるが、次第に増加し、典型例では便成分の少ない血液そのものという状態になる。有症者の6%から7%において、下痢などの初発症状発現の数日から2週間以内に溶血性貧血、血小板減少、急性腎不全を伴うHUSまたは脳症などの重篤な合併症が発生する。HUSを発症した患者の致死率は1%から5%とされている4,6)。
予防の方法として、食品を介した経口感染(食べ物から人への感染)に対しては、以下のことが重要である5)。
手指を介した経口感染(人から人への感染)に対しては、手洗いが最も重要である。排便後や食事前はもちろんのこと、特に下痢をしている乳幼児や高齢者の世話をする際には、使い捨て手袋を用い、作業後には石けんと流水でよく手を洗う。少量の菌数で感染が成立するので、特に乳幼児や高齢者が集団生活を行う場合や家庭内などでは周囲の人への感染予防が重要である7)。
■参考・引用
1)千葉県健康福祉部衛生指導課:食中毒警報の発令(令和7年度)
3)国立健康危機管理研究機構:腸管出血性大腸菌感染症 2025年3月現在
4)国立健康危機管理研究機構:腸管出血性大腸菌感染症(詳細版)
6)千葉県健康福祉部疾病対策課:O157等腸管出血性大腸菌感染症に注意しましょう
7)厚生労働省:一次、二次医療機関のための腸管出血性大腸菌(O157等)感染症治療の手引き(改訂版)
RSウイルス感染症、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、感染性胃腸炎、水痘、手足口病、伝染性紅斑、突発性発しん、ヘルパンギーナ、流行性耳下腺炎、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、急性呼吸器感染症(ARI)、急性出血性結膜炎、流行性角結膜炎の5週間分の保健所別の定点当たり報告数のグラフを掲載しています。
2025年6月の千葉県結核・感染症月報(2025年第27週週報)を掲載しています。
2025年27週の県全体の定点当たり報告数は、前週(1.68)から増加して、3.11となった。
2025年27週までの県内の新型コロナウイルス感染症の発生状況について掲載しています。過去の発生状況については以下に掲載しています。
県衛生研究所は、国立感染症研究所と協働で、県健康福祉センター(保健所)(千葉市・船橋市・柏市除く)等から収集した検体について新型コロナウイルスのゲノム解析を行い、ウイルスの変異状況を調べています。
その状況についてお知らせします。
千葉県では、2025年27週に届出はなく、累計は15例であった。
2025年27週までの県内の麻しんの発生状況について掲載しています。
【国内の状況】
国立健康危機管理研究機構のまとめによると、2025年は第26週に計8例の届出があり、累計167例となりました。近隣都県では、これまでに神奈川県で32例、茨城県で22例、東京都で17例、埼玉県で5例の届出がありました1)。
国内外での報告増加を受け、厚生労働省は令和7年3月19日付けで注意喚起をしています2)。
2)厚生労働省:麻しんの国内外での報告増加に伴う注意喚起について(協力依頼) (PDF:190.4KB)
【千葉県の過去の状況】
国内で麻しん(はしか)の感染事例が報告されています。麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの罹患歴がなく、2回の予防接種歴が明らかでない場合は予防接種をご検討ください。
また、発疹、発熱などの麻しんのような症状がある場合は、麻しんの疑いがあることを事前にかかりつけ医または医療機関に電話等で伝え、受診の要否や注意点を確認してください。医療機関へ移動される際は周囲の方への感染を防ぐためにもマスクを着用し、公共交通機関の利用は可能な限り避けてください。詳細については、下記ホームページをご参照ください。
千葉県では2025年27週に154例届出があり、累計は1,700例となった。
県内の百日咳発生状況について掲載しています。
千葉県では2025年27週に7例届出があり、累計は223例となった。
県内の梅毒発生状況について掲載しています。2021年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では2025年27週に6例の届出があり、累計は57例となった。
2025年27週までの県内の腸管出血性大腸菌感染症発生状況について掲載しています。2010年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2024年1週から52週)(PDF:207.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2023年1週から52週)(PDF:381.4KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2022年1週から52週)(PDF:249.1KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2021年1週から52週)(PDF:270.2KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2020年1週から53週)(PDF:250.6KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2019年1週から52週)(PDF:240KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2018年1週から52週)(PDF:242KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2017年1週から52週)(PDF:254KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2016年1週から52週)(PDF:145KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2015年1週から53週)(PDF:233KB)
- 千葉県の腸管出血性大腸菌感染症発生状況(2010年から2014年)(PDF:224KB)
2025年27週の県全体の定点当たり報告数は、前週(0.27)から減少して、0.16となった。
2024/25シーズンの県内のインフルエンザ発生状況について掲載しています。2015/16シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
※県内の迅速診断の結果がとりまとめられています。
2025年27週の県全体の定点当たり報告数は、前週(4.79)から増加して、4.88となった。
2024/25シーズンの県内の感染性胃腸炎の発生状況について掲載しています。2016/17シーズンから2023/24シーズンの過去の発生状況については以下に掲載しています。
千葉県では、2025年27週に届出はなく、累計は0例であった。
県内の風しんの発生状況について掲載しています。2008年から2024年の過去の発生状況については以下に掲載しています。
保健所へは、小児科・ARI定点の医療機関は報告様式1と2の両方を、ARI定点は報告様式2をご報告ください。
なお、集計様式は、保健所への送付は不要です。
参考:急性呼吸器感染症(ARI)に関する説明会の開催について(千葉県疾病対策課)
急性呼吸器感染症定点にかかるシステム上の入力方法について 医療機関向け(PDF:1,419.1KB)
オンライン報告を希望される場合、ちば電子申請サービスから手続きをお願いします(県庁疾病対策課ホームページへ)
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