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更新日:令和3(2021)年8月2日

ページ番号:311548

東日本大震災復旧・復興対策特別委員会県内調査報告書(その2)

平成23年6月3日

千葉県議会議長

東日本大震災復旧・復興対策特別委員長

 

本委員会が県内調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。

 

  1. 用務:東日本大震災復旧・復興対策特別委員会県内調査
  2. 調査項目:東日本大震災による県内被災地の被害状況及び復旧状況の調査
  3. 調査先
    (1)香取市(佐原地区、香取市役所、小野川)
    (2)匝瑳市(匝瑳市役所)
    (3)旭市(いいおかふれあいスポーツ公園、飯岡漁港、飯岡地区、椎名内地区)
    (4)山武市(蓮沼ガーデンハウス、木戸川堤防)
    (5)九十九里町(片貝漁港、浜川)
  4. 期間:平成23年6月2日(木曜日)
  5. 概要:別添のとおり

調査の概要について

香取市(佐原地区、香取市役所、小野川)

(1)日時:平成23年6月2日(木曜日)10時08分~11時28分

(2)経過

新島中学校周辺の液状化被害を受けた農地にて、県香取農業事務所長から状況説明を受けた。また市役所への移動の車中にて同市副市長からDVDによる被害状況の説明を受けた。市役所から小野川においては、県河川環境課長等から状況説明を受けながら調査を行った。

(3)概要説明

[香取市における被害の概況]
香取市内の5月23日現在の被災状況は、建物被害は全半壊と一部半壊合わせ、約3,500棟である。この主な要因は液状化で地盤が傾いたものが非常に多く、詳細は調査中である。運用指針の見直し後の被害の認定状況は、全壊150、大規模半壊421、半壊520、半壊に至らない1,774、その他255、計3,225となっている。液状化の状況は、市全体で約3,500ヘクタールという広大な面積となっており、住宅地では、佐原地区、小見川地区の低地を中心に約140ヘクタールで液状化している。建物被害が約3,500棟あったが、象徴的なものとして佐原の古い町並みである重要伝統的建造物群保存地区の瓦が全て落ちてしまい、観光客が見てもがっかりするような状況となってしまった。しかしながら県の指定文化財については、県の5月補正予算で、県の補助率を50%から75%に引き上げていただいたことから、市もそれに上乗せし早急に復旧をするよう行っているところである。また、液状化被害に伴い家屋被害が非常に多かった。5月2日に国が被害の認定基準の見直しを行ったため、かなり救済されたが、一部はこの見直しでも救済されない状況となっている。そのような中で、国からの助成は受けられなかったが県による単独助成により一部助成されることとなったケースもある。
た道路被災は約500件、河川被災は12件、急傾斜地は1件となっている。通電後、栗源地区は断水の解除ができたが、その他の地区全域約19,760戸が断水し、4月17日、仮設配管を含む復旧工事により市内全域で断水が解消。また農業関係は液状化等による農業関係施設の損傷により、広大な面積で水稲の作付が不能となった。当初、今年度の作付不能面積は約2,500ヘクタール、収量で1.4万トン減、損害額は約28億円と想定。ただし、施設の段階的な復旧などにより、当初の想定より作付不能面積は減少する見込みとなっている。また市内の公共施設の被害額は約200億円である。
香取市の主な対応状況としては、23世帯の公営住宅等への入居斡旋、応急仮設住宅30戸の建設(5月10日から入居開始)、高齢者対策として、一人暮らしの高齢者約900人に対し、社会福祉協議会で民生委員及び母子福祉協力員を中心に、安否確認や水・食料の配布を行った。
[農地及び農業用施設の被害の概況]
地及び農業用施設の被害は利根川に沿った水田地帯が最も多く、特に香取市の河北地域の被害が多くあった。水田の被害としては、液状化により砂が水と一緒に火山のように円形に吹き上り、堆積した。また亀裂が入ってしまった場所や隆起や沈下も多くあった。農業関係の被害として用水管の損壊がいたる所でおきている。5月末にこのエリア全体の用水管にて水を通すことは可能となったが、工事が遅れているところでは、まだ漏水する箇所がある。また液状化により排水路に砂が堆積して、流れを遮ってしまっているため、早急に取り去る作業をしなければならない。それらの復旧工事を災害復旧事業の応急工事により進めているところである。
[小野川における被害の概況]
小野川は液状化により土が盛り上がり、川底が見えている状態である。国道356号線と利根川の堤防の間の一帯が液状化しており、2メートル移動した家もある。川幅も4メートルほど狭くなり、16メートルあった川幅が12メートルとなってしまった。小野川の上流に防水路があり、直接防水路から利根川に抜けている。現在は水門は閉め一切上流の水は入らないようにしており、ある程度の治水の安全面は保たれているが、今後の台風等の災害防止のため、早急に治水安全度を上げることを予定している。

(4)主な質疑応答

問.現在の田植えはどのくらいまでできるのか。
答.現在は8割くらいまで進んできた。ただし、施設の復旧ができていないので、この8割は農家の方々の自助努力により止まった水の汲み上げを行っていただいた結果である。
問.来年の田植えまでには復旧できるのか。
答.そのようにしたいと思っているが、規模が大きいためパーフェクトは難しいのではないかと懸念している。
問.観光客はどの程度減っているか。
答.ゴールデンウイークで少し戻ってきたが、3~4割だと思う。

(5)市からの要望

現在市では災害復旧・復興を最優先に行っていかなければならないが、3年はかかる見込みである。香取市は財政力が元々厳しいため、これから予定していた事業が先送りになる。何とか引き続き県の指導、技術的な面も含めた力添えをお願いしたい。
また香取市は合併して今年6年目である。合併後の10年間は合併特例期間として国の様々な、起債の特例など行われているところである。残りの4年は災害復旧しかできない状況である。当初行う予定であった合併特例債関連事業ができなくなってしまった。国への要望だが合併特例期間の延長を何としてもお願いしたい。先日副知事へ県としてもこのことを国へ要望していただきたいとお願いしたので力添えをお願いしたい。

匝瑳市(匝瑳市役所)

(1)日時:平成23年6月2日(木曜日)12時17分~12時55分

(2)経過

初めに、宇野委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行った後、匝瑳市長及び同市議会議長からあいさつがあった。
いて、同市長及び市職員から被災状況の説明を受けた。

(3)概要説明

瑳市の被害状況は、住家被害として全壊6棟、半壊8棟、一部損壊1,783棟、床上浸水8棟、床下浸水24棟。非住家被害は全壊5棟、半壊1棟。液状化の家屋被害は住家の大規模半壊3棟、半壊2棟。公共施設の被害は被害金額として、公共文教施設1,291万3,000円、農林水産業施設1億8,841万3,000円、公共土木施設5,290万円、その他公共施設2,032万3,000円となっている。産業別被害は、農産被害2,431万5,000円、畜産被害1,248万円、水産被害2億3,000万円。ライフラインの状況としては、3月11日、14,091世帯が停電したが、翌12日には復旧した。上水は3月12日零時に11,477世帯が断水したが、同日19時30分に復旧した。

(4)市からの要望

水産業の面で大きな被害があった。激甚被災地ではないが、かなりの災害があったことをご理解いただきたい。海岸地帯の防波堤もかなりの損壊があり、今後も東方沖等で地震が起こった場合津波の心配がある。県の支援を要望する。

旭市(いいおかふれあいスポーツ公園、飯岡漁港、飯岡地区、椎名内地区)

(1)日時:平成23年6月2日(木曜日)13時28分~14時30分

(2)経過

旭市における最初の調査先である、いいおかふれあいスポーツ公園にて県住宅課長から同地に設置された飯岡仮説住宅についての状況説明があり調査を行った。
次に津波による被害を受けた飯岡漁港、飯岡地区、椎名内地区にて旭市長、県銚子漁港事務所長より状況説明があり調査を行った。また移動途中の飯岡町八軒町で下車し被災者への黙祷を行った。

(3)概要説明

市が5月30日発表した被災状況は、人的被害死者13名、行方不明者2名、負傷者2名、中軽傷者10名。住家被害は全壊322世帯、大規模半壊418世帯、半壊465世帯、一部損壊2,052世帯、床上浸水659世帯、床下浸水252世帯、液状化699世帯となっている。
[応急仮設住宅の概況]
応急仮設住宅の建設状況としては、旭市中央地区(旭市文化の杜公園ふれあい広場・多目的広場)に敷地面積5,650平方メートル、計画戸数50戸+談話室を建設。その内訳は、1DK12戸、2DK26戸、3K12戸となっている。旭市飯岡地区(いいおかふれあいスポーツ公園)は、敷地面積18,560平方メートル、計画戸数150戸+集会室を建設。その内訳は、1DK38戸、2DK76戸、3K36戸となっている。仮設住宅の入居期間等のスケジュールは、建設後の引き渡しから平成25年5月30日までの2年間が建物リース期間となっており、中央地区は入居開始となる平成23年5月11日から平成25年5月10日までが、また飯岡地区は平成23年5月18日から平成25年5月17日までが入居期間となっており、その間、市へ管理委託される。なお、2年間の賃貸借契約の契約金額は、撤去や復旧費等も含み約11億9,000万円となっている。
[飯岡漁港から飯岡地区、椎名内地区の被害の概況]
岡漁港の被害の原因は、通常地盤の弱い所で円弧滑りという崩れ方とあわせて液状化により陥没したものである。津波の状況は、数秒間のうちに大きな潮位の変化がおき、瞬く間に堤防を越えた。
また津波や液状化により発生した瓦礫は、旭市からの要請により現在漁港内に仮置きしているが、市としてもその処分に大変苦慮している。

(4)主な質疑応答

問.このあたりの津波はどのくらいの規模であったか。
答.ここの堤防は約3.5メートルあり、それを越して2メートルほどあったようだが、津波は上に行けば行くほど障害物にぶつかって、より高くなったため、最大7.8メートルほどになったようである。また、海岸から300メートルほどに及んだ。
問.椎名内地区の液状化の原因は何か。
答.このあたりは50年ほど前に砂鉄を採掘していた場所であり、それを埋め立てたためではないかと考えられている。

(5)市からの要望

  • 津波対策について、既存防潮堤の前後への土手の建設をお願いしたい。
  • 海水浴場の復活について、海水浴場の障害物等の撤去をお願いしたい。
  • 液状化による地質調査について、県が行う地質調査について旭市も対象としていただきたい。
  • 円滑に復旧・復興を進めるため財源の確保について、今後の復旧・復興資金の財源確保をお願いしたい。
  • 災害廃棄物の早急な処理について、財源措置の拡大及び職員の派遣をお願いしたい。
  • 農産物の放射能汚染騒動等からの風評被害について、風評被害の防止対策をお願いしたい。
  • 再利用のため搬出する放射能量に関する排出基準の策定について、汚泥の排出基準策定に係る国土交通省への要請をお願いしたい。

山武市(蓮沼ガーデンハウス、木戸川堤防)

(1)日時:平成23年6月2日(木曜日)15時10分~15時53分

(2)経過

めに、蓮沼ガーデンハウスにて山武市に係る被害状況について山武市長、同市総務部長から説明があった。
次に津波による被害を受けた木戸川堤防への移動車中、同市消防団長により被害状況の説明を受けた。また木戸川堤防では県山武土木事務所次長から状況説明があり調査を行った。

(3)概要説明

武市における地震による津波の概要は、片貝漁港で最大波3.77メートル、浸水面積は6キロ平方メートル。
た地震による被害状況は、人的被害は死者1名、重傷者1名。ライフライン関係は、電気は発災時から停電したが、翌日午後9時頃には復旧した。水道は、発災時から全域13,600戸において断水したため、翌日午前7時より拠点給水を開始し、15日午後8時15分に全戸復旧した。道路は5月31日現在で陥没等の被害箇所128箇所、うち復旧済み箇所は111箇所となっている。建物被害は全壊は居宅39棟、居宅以外5棟、大規模半壊は居宅約136棟、居宅以外25棟、半壊は居宅238棟、居宅以外66棟、床下浸水は居宅256棟、居宅以外15棟、一部破損は居宅149棟、居宅以外38棟。農地の冠水面積は422ヘクタール。農業施設被害は780万円。廃棄物処理量は約5,000トンで、その処理費用は3億7,253万円となっている。
地の津波による冠水被害は、海岸に沿って約8キロメートルとなっている。この8キロの中央に縦に流れる木戸川から両側に遡上した海水が溢れ被害が拡大した。

(4)主な質疑応答

問.瓦礫の撤去は終わったのか。
答.蓮沼ウォーターガーデンの第2駐車場は満杯であったが、6月20日までの契約だったので、それまでに撤去する必要から現在は約95%片付いた。
問.震災当時、住民の方たちは避難していたのか。
答.主に津波被害に伴う避難者として、3月11日時点で避難所11箇所開設し、2,149人が避難した。しかし津波による避難場所ではなく災害による避難場所であり、東北のような津波が発生した場合、高低差がないためその役目は果たせない。
問.木戸川の災害は、河川災害としては県内で一番大きいと聞いているがどうか。
答.河口から約700メートルの範囲で起こった。被害額はざっと積み上げて約6億円と試算している。

(5)市からの要望

  • 木戸川堤防決壊箇所の早期復旧について
    東日本大震災における津波の発生で、木戸川の堤防が決壊してしまい、多くの家屋が被害を受けた。今後、梅雨及び台風等の水害が増える時期となるため、決壊箇所の早期復旧を望む。
  • (仮称)九十九里北部防災有料道路の建設要望について
    国土地理院が発表した浸水地域概要図によると、山武市より南側は九十九里有料道路が防潮堤の役割を果たしており、ほとんど浸水しなかった。九十九里平野の保全の役割と防潮機能を備えた防災有料道路の建設を望む。
  • 放射性物質に対するきめ細かな監視体制の強化と正確な情報の提供、併せて風評被害への対応について
    福島第1原子力発電所爆発に伴う放射性物質の監視体制の強化及び正確な情報の提供や、観光地や飲食物の風評被害の防止について協力願いたい。

九十九里町(片貝漁港、浜川)

(1)日時:平成23年6月2日(木曜日)16時10分~16時50分

(2)経過

初めに、九十九里町役場にて九十九里町長、同町議長から被害状況の説明があった。次に津波の被害を受けた片貝漁港への移動車中、また到着後において同町長から説明があり調査を行った。

(3)概要説明

九十九里町における被害状況として、片貝漁港付近では、当時津波により道路が約1.5メートル浸水した。津波の遡上による被害として住宅の床上浸水が91棟、床下浸水が93棟。また漁港内の漁船の転覆が5隻、陸地への乗り上げが8隻、相対的には38隻が被害を受け、これにより漁業関係者に大きな被害をもたらすとともに、乗り上げた船舶については住宅のすぐそばまで押し寄せた。
また、作田川でのガス管理施設の被害があった。この被害は漁港の浚渫船が津波の遡上に伴って係留ロープがはずれ破損させたものであったが、橋梁にぶつかった浚渫船は、現在は撤去された。これにより震災当日この区域では、258世帯がガスの供給停止となった。作田川が流れ込む浜の護岸にも崩落の被害があり、川の住宅地付近が浸水となった。現在は土嚢による応急措置をとっている。
不動堂海岸の町営駐車場では防潮堤を越えた津波により、汚泥の堆積、観光施設への大きな被害があった。

(4)主な質疑応答

問.片貝漁港では網等の被害もあったか。
答.かなりあった。またその他に冷蔵庫等の漁業関係施設においても被害があり、それら含め地元の商工業に大きな被害をもたらした。

(5)町からの要望

  • 片貝漁港に対する津波の遡上対策について
    今回、九十九里町小関区域の住家の浸水被害については、片貝漁港の津波の侵入対策が不足していることが原因であり、今後同程度の津波が発生した場合、再度浸水被害が発生しないよう、早期に漁港周辺へ擁壁等による浸水対策を講じてほしい。
  • 浜川護岸等の改修経費の財源対策について
    今回、津波により被害にあった浜川護岸の改修等について、多大な経費がかかり、町財政への負担が多大なものとなっている。少しでも経費負担が軽減できるよう財政支援をいただきたい。

参加者名簿

委員

職名 氏名 会派
委員長

宇野

自民党
副委員長

佐藤正己

自民党
委員

阿井伸也

自民党
委員

谷田部勝男

自民党
委員

臼井正一

自民党
委員

鈴木

自民党
委員

大松重和

自民党
委員

村上純丈

自民党
委員

木村哲也

自民党
委員

花崎広毅

民主党
委員 矢崎堅太郎 民主党
委員

阿部俊昭

公明党
委員

ふじしろ政夫

市社無
委員

松戸隆政

みんな

随行

職名・所属 氏名 備考
防災危機管理監 岩舘和彦  
防災危機管理監防災危機管理課長 布施高広  
防災危機管理監防災危機管理課副主幹 渡邉  
総務部総務課主幹 武本 議事課主幹(併任)
議会事務局議事課班長 伊菅久雄  
議会事務局議事課主査 江波戸春美  
議会事務局議事課主査 本間正人  

日程表

東日本大震災復旧・復興対策特別委員会県内調査日程表

月日 場所 備考
6月2日 県議会   9時01分  

香取市(佐原地区・香取市役所・小野川)

10時08分 11時28分

調査

匝瑳市(匝瑳市役所) 12時17分 12時55分 調査
旭市(いいおかふれあいスポーツ公園・飯岡漁港・飯岡地区・椎名内地区) 13時28分 14時30分 調査
山武市(蓮沼ガーデンハウス・木戸川堤防) 15時10分 15時53分 調査
九十九里町(片貝漁港・浜川) 16時10分 16時50分 調査
県議会 17時40分    

 

お問い合わせ

所属課室:議会事務局議事課委員会班

電話番号:043-223-2518

ファックス番号:043-222-4073

・議員個人あてのメール、ご意見、ご質問はお受けできません。
・請願・陳情はこのフォームからはお受けできません。「ご案内・情報」から「請願・陳情」のページをご確認ください。

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