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診療科・部門紹介

薬剤部

薬剤部のご案内

がん専門病院の薬剤部として、化学療法レジメン管理、抗がん剤調製(ミキシング)などのがん化学療法に関わる業務の多さを特徴としますが、業務内容は多岐にわたります。主な業務は、調剤業務、注射剤

業務、病棟薬剤業務、薬剤管理指導業務、院内チーム医療活動、医薬品情報管理業務、治験薬・麻薬の医薬品管理業務、院内製剤業務などであります。

薬剤部では常に患者さんのQOL向上を念頭におき、医師・看護師や他の医療スタッフと協力して仕事を行っています。

図1 薬剤部の構成

薬剤部の主な業務

調剤室業務

注射薬も同様ですが、医師が処方を入力後、薬剤師が処方内容を確認しています。その際、疑わしい点があれば医師に問い合わせをしてから調剤を始めます

<入院調剤>

入院患者さんの内服薬・外用薬は、薬剤部にて電子カルテシステムに連結した調剤支援システムを用いて調剤が行われています。処方せんに指示された飲み方や量が適切か確認した上で出力し、調剤しています。

<外来調剤>

外来患者さんへの処方は原則として院外処方箋を発行しており、院外処方率は2019年度で95%です。当院では、お薬手帳による薬薬連携を推進しています。また、平成27年7月より患者さんの同意の上、院外処方箋への臨床検査値の印刷を開始しました。地域保険薬局との連携により、患者さんの薬物療法の安全性、有効性向上に努めています。

病状によりすぐに使用するお薬(鎮痛薬や制吐薬など)、院内製剤、治験関連薬、保険薬局ではすぐには用意できないお薬等は、例外的に院内で調剤しています。お受け取りの際は引換券をカウンターにお持ちください。

内服薬調剤

注射室業務

<抗がん剤調製(ミキシング)>

<1>安全で適正な抗がん剤を患者さんに提供すること、<2>抗がん剤を日常的に取り扱う医療スタッフの安全性を確保することを目的として、薬剤師が外来および入院のすべての抗がん剤調製に対応しています。

抗がん剤曝露防止のために最も重要となる完全排気型の安全キャビネットは病院内に5台設置しております。また、平成28年4月からは閉鎖式接続器具の使用範囲を拡大し、原則として殺細胞性抗がん剤の調製時に使用することとしました。調製後のボトルやシリンジを介した抗がん剤曝露を防止する取り組みとして、ケモカバー(チャック式のビニール袋)に入れた払い出しも行っています。

抗がん剤による標準的な投与計画(レジメン)の作成にも薬剤師が関与し、実施にあたっては医師・看護師・薬剤師が何重にもチェックすることで、安全かつ効果的ながん化学療法を提供しています。

抗がん剤ミキシング

<注射薬個人セット>

患者さんに処方された注射薬は、注射室にてオートアンプルディスペンサー(注射薬自動払出機)を用いて1日分ずつ患者さんごとにトレイに個人セットします。全病棟と外来について個人セットを行っています。その際、投与方法、投与量、投与速度、配合変化、相互作用などを薬剤師が確認しています。

オートアンプルディスペンサー

注射薬の個人セット

病棟薬剤業務・薬剤管理指導業務

当院では、薬物治療の有効性・安全性向上、患者さんのQOL向上のため一般病棟に1名ずつ専任の病棟薬剤師を配置し、病棟薬剤業務を実施しています。

各病棟の担当薬剤師は医師や看護師などの他職種と連携し、持参薬の確認から始まり、病棟申し送り・回診への参加、持参薬の切り替え時の処方支援、相互作用や副作用発現状況の確認、検査値を考慮した薬物投与量の確認、医療スタッフからの問い合わせ対応や、医薬品情報提供、病棟配置薬の使用期限の確認などもおこなっています。

病棟申し送り・回診への参加

また、患者さんが正しく薬物治療を理解し、安心して治療を受けられるよう、がん化学療法「副作用カレンダー」や各薬剤の説明書などを用いて、出来るだけ分かりやすい服薬指導を行っています。

がん化学療法についての説明

説明用副作用カレンダー

患者総合支援センター

患者総合支援センターでは、初診時から患者さんとご家族が安心して治療を受けていただけるように、看護師や薬剤師・医療ソーシャルワーカーなどの多職種が支援にあたっています。その中で、患者総合支援センターの薬剤師の役割は、大きく2つあります。

1つ目は、新患・再来患者さんを対象に、使用されているお薬の内容やアレルギー及び副作用の確認を行うことです。また、手術や検査が予定されている患者さんには、術前や検査前に休止が必要な対象薬を確認し、診察やその後の検査・治療等が円滑に行われるように支援することです。

2つ目は、入院が予定されている患者さんやご家族と面談を行い、現在使用中のお薬の内容や服薬状況、アレルギー及び副作用等を確認し、円滑な入院治療への移行と入院中の適正な薬物療法を支援することです。

患者総合支援センター

院内チーム医療活動

チーム医療とは、病院で働く医師、看護師、薬剤師、栄養士などの専門職がそれぞれの専門知識を生かし、協力して患者さんの治療にあたることです。専門職がそれぞれの立場で意見を出し合うことにより、医療の質が向上すると考えられています。当院の薬剤部では、感染対策(ICT)、栄養管理(NST)、褥瘡対策、レジメン管理、化学療法副作用対策(SAE対策チーム、CAT)、緩和医療(がんサポートチーム)などのチーム医療活動に参加しています。

医薬品情報管理業務

患者さんをはじめ、医療スタッフが適正に医薬品を使用出来るよう医薬品情報を発信する業務です。病院のネットワークを通じて、全医師、全病棟に新薬や添付文書改訂情報などの医薬品情報を速やかに知らせ、又、関連サイトへのリンクを付けています。医療スタッフ向けの医薬品情報に関する資料作成、新規採用薬の勉強会開催および医師・看護師・薬剤師等からの薬剤に関する質問にお答えしています。

お薬手帳に貼る化学療法説明シールや副作用カレンダーなど、患者さんにわかりやすい資料を作成し薬薬連携にも取り組んでいます。

お薬手帳用シール

治験薬等管理業務

国の承認を得るために、「薬の候補」を人に投与し薬の効果や安全性を調べる臨床試験のことを治験といいます。

画期的新薬の開発を促進し、患者さんに対し迅速に新薬を提供していくため、厚生労働省では、平成15年から治験活性化事業を行っており、治験届出数は増加傾向に転じています。

当院においても治験の登録数は増加傾向にあり、2019年度は108件の治験計画が登録されています。薬剤部では、それぞれの治験薬を、治験取り扱い規則等に従って管理し、治験の適正な実施に努めています。

院内製剤業務

市販されていない製剤、及び、医師より依頼のあった特殊製剤を院内で調製し払い出しています。

例:イーケプラ坐剤、リドカインクリーム、モーズ軟膏

保険薬局の皆様へ

服薬情報提供書(トレーシングレポート)の導入と運用について

平素より当院発行の院外処方箋に応需いただき、ありがとうございます。

この度当院では、医薬品適正使用推進や医療安全の観点から、トレーシングレポートを導入することになりました。

保険薬局薬剤師の皆様のご理解、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

  • トレーシングレポートとは

患者さんからの聞き取り情報(アドヒアランス、残薬調整、複数病院受診、OTCや健康食品の服用)などを医師にフィードバックするレポートです。

保険薬局で即時性は低いものの処方医への情報提供が望ましいと判断された内容について、服薬情報提供書(トレーシングレポート)をご活用ください。

トレーシングレポートの流れ図
  • トレーシングレポートの流れ
  • トレーシングレポートのご利用方法

トレーシングレポート様式をダウンロードし、必要事項をご記入いただいた後、ファックスにて薬剤部まで送信ください。(他の様式でもかまいません。)

トレーシングレポート様式:【PDF版】(PDF:102KB)【Word版】(ワード:46KB)

トレーシングレポート様式(irAE用):【PDF版】(PDF:175.3KB)【Word版】(ワード:29.6KB)

トレーシングレポート様式 がん薬物療法:【PDF版】(PDF:168.8KB)【Word版】(ワード:38.5KB)

  • FAX送付先

千葉県がんセンター薬剤部043-265-4545

  • 注意事項

トレーシングレポートによる情報提供は疑義照会ではありません。

疑義照会は通常通り処方医へ電話してください。

当院に入院予定の患者さんに係る服薬情報等提供料3について

令和4年度調剤報酬改定に伴い新設された服薬情報等提供料3により、医療機関に入院される患者さんに係る服用薬の情報等を調剤薬局様に一元的に把握して頂くとともに、患者さんが調剤薬局に持参した薬の整理並びに必要な情報を提供していただくことが可能となりました。

当院へ入院予定の患者さんに係る服薬情報等提供書の取り扱いと持参されたお薬の整理方法については、下記の通りにお願いいたします。

【服薬情報等提供書の取り扱い】(PDF:96.5KB)

【服薬情報等提供書_当院書式_原本】(PDF:834.5KB)

【お薬の整理方法】(PDF:66.2KB)

【よくあるお問合せ】(PDF:97.8KB)

問い合わせ窓口

電話:043-264-5431(代)(内線:6582)

千葉県がんセンター 患者総合支援センター担当薬剤師

問い合わせ対応可能時間:月曜日~金曜日(祝日除く)9時から17時まで

がん薬物療法レジメンに関するお問合せ

千葉県がんセンター 薬剤部 医薬品情報室 043-264-5431(代)

2019年度業務実績

処方箋枚数

種別 処方箋枚数
入院調剤 60356
(入院麻薬) 5805
外来調剤 2749
院外処方箋枚数 50172

抗がん剤調製件数

種別 枚数 件数
外来 15486 22592
入院 4683 7089

指導算定件数

種別 件数
薬剤管理指導 4811
退院指導 2367
麻薬指導 388
外来がん患者指導 834

学会発表実績 2019年5月~

1. 松岡.秀和、関根佳代 、武田英樹 、木内直美 、大谷美子/せん妄に対する系統的薬学的介入の実際とその効果/第13回日本緩和医療薬学会 (2019年5月,幕張)

2. 秋葉昌克、関根佳代、桑原清人、木内直美、近藤忠、大谷美子/千葉県がん診療連携拠点病院薬剤師を対象とした、がん薬物療法のレジメン作成に関する研修会開催とその評価/日本病院薬剤師会関東ブロック第49回学術大会 (2019年8月,山梨)

3. 木内直美、関根佳代、大谷美子、新行内雅斗/セリチニブとワルファリンの薬物相互作用の可能性が示唆された1 例/第57 回日本癌治療学会学術集会 (2019年10月,福岡)

4. 菅野ゆみか、関根佳代、岩田理恵、大谷美子、井内俊彦/入院中の脳腫瘍患者における不眠の発現率及びリスク因子の検討/第29回日本医療薬学会年会(2019年11月 福岡)

5. 関根佳代、大谷美子、辻村秀樹/抗がん薬涙液移行による眼障害の院内対応および涙道眼科診療連携 フロー構築の評価/第29回日本医療薬学会年会 (2019年11月,福岡)

6. 関根佳代/がん薬物療法におけるB型肝炎ウイルス再活性化についての当センターの現状と対策のアウトカム評価/第68回日本化学療法学会総会(2020年9月,兵庫)

7. 大竹慶尭、菅野ゆみか、丸山智弘、大谷美子/医薬品病棟配置基準の設定とその効果/第30回医療薬学会年会(2020年10月,WEB開催)