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更新日:令和2(2020)年7月22日
遺伝子診療科では、がんに起きている遺伝子変化やがんのできやすい遺伝的な体質について専門的な診断と外来診療を行っています。
<1>がんゲノム外来(100種類以上の遺伝子を網羅的に解析し、抗がん剤の選択を行う)
<2>遺伝外来(がんになりやすい体質についてのカウンセリングを行う)
<3>遺伝子関連検査(がん遺伝子パネル検査、遺伝性腫瘍の検査などの実施)
保険診療を中心として、先進医療、自費診療を含めた広い選択肢の中から、最も適した最新のがんゲノム医療、遺伝医療を提供しています。
当センターは、2019年9月19日に付けで厚生労働省より「がんゲノム医療拠点病院」に指定されました。がんゲノム中核拠点病院である、国立がん研究センター東病院、東京大学病院と連携して、がんゲノム医療を実施しています。がんゲノム医療とは、がん遺伝子パネル検査により100種類以上の遺伝子を一度に調べ、それぞれのがんに合った治療薬を見つける個別化医療です。
遺伝子診断部では、がん遺伝子パネル検査を希望される患者さんを対象とした「がんゲノム外来」を開設しています。この外来は、がんの種類を問わず受診でき、ゲノム医療を専門とする医師から、がん遺伝子パネル検査について詳しく説明します。
主にがんの組織を用いて100種類以上の遺伝子を一度に調べる検査です。
保険診療のパネル検査は下記の2種類です。(費用はいずれも56万円です。三割負担の場合自己負担額は約17万円です。)
先進医療のパネル検査は下記の1種類です。
主治医からの院内予約になります。主治医にお申し出ください。
<1>通院している病院から紹介状をもらう。
<2>当センターの該当する診療科を受診し、がんパネル検査の対象となるか診察を受ける。
<3>がんゲノム外来を受診し、がんパネル検査について詳しい説明を受け、検査を実施する。
詳しくは下記の書類をおかかりの病院にお渡しください。
※患者さんをご紹介いただく医療機関の方へ
がんになりやすい体質についての遺伝カウンセリングを行います。がんの約20人に1人は、遺伝的な体質によりがんを発症します。遺伝外来では、ご本人とご家族のがんについて詳細にお尋ねし、遺伝の体質をもつかどうか遺伝子を調べて診断します。ご本人はもちろん、兄弟姉妹やお子様への体質の遺伝についても診断し、今後気を付けるべきがんについて対策を立てます。おひとり1時間の予約枠で、臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラーが遺伝カウンセリングを行います。これまでのカウンセリング件数は1000件をこえました。
がんの遺伝にまつわる不安や悩みをお抱えのかたはどなたでも対象となります。がんの種類を問わず、またがんではないご家族のかたも受診できます。例えば、若くしてがんになったかた、家族の多くががんを発症しているかた、一人で何度もがんになったかたは、がんになりやすい体質を持っているかもしれません。
遺伝性乳癌卵巣癌症候群、リンチ症候群、リ・フラウメニ症候群、ポイツ・イエガース症候群、家族性大腸腺腫症、多発性内分泌腫瘍症、バート・ホッグ・デュベ症候群などです。詳細は下記の診療実績をご参照ください。
火曜日午後、木曜日午後(祝祭日・年末年始を除く)
遺伝外来は完全予約制です。お電話(043-264-5431)にて、遺伝子診断部に直接ご予約ください
(予約担当:赤平)。
がんゲノム医療、遺伝医療に必要な遺伝子関連検査を実施します。保険診療を中心として、先進医療、自費診療を含めた広い選択肢の中から、最も適した最新の遺伝子診断を提供しています。臨床検査専門医とゲノム解析の博士号を有する臨床検査技師が主に担当します。手術や内視鏡検査時に切除されたがん組織を用いて行いますが、リキッドバイオプシー(血清、血漿、脳脊髄液)検体、院外の検体にも対応しています。通常の外注検査では検出できないゲノム異常も、dHPLC、fragment解析、DNAメチル化解析などの分子遺伝学的手法により解析しています。また、委託先がない場合でも、診療上の必要性に応じて新たな解析系を作ることに協力しています(応相談)。
体細胞遺伝子検査 |
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生殖細胞系列遺伝学的検査 |
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横井 左奈 (よこい さな)