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センター紹介

鍋谷副病院長インタビュー

院内での役割・業務内容を教えてください

がんセンターでの役割は多岐にわたります

大きく3 つありまして、1 つ目は副病院長として病院運営を担うこと。2 つ目は診療で、消化管がんの外科治療を行う食道・胃腸外科の責任者です。外科だけでなく、院内横断的にがん治療中の患者さんの栄養状態を評価して治療継続のための食事栄養管理を支援する栄養サポートチーム(NST)のチェアマンも務めています。
最後に、千葉県のがん診療連携協議会の協議会長補佐を務めており、さまざまな施設のがん診療の連携をすすめることが役割です。

がんセンターの特徴は何ですか?

がん治療に特化し、幅広い選択肢を提供しています

当院の強みは、がん治療に特化した高度な専門性です。最新の治験を含む幅広い治療選択肢を提供し、患者さんに希望を持っていただけるように支援しています。

がん患者さんは同じ病気であっても、ステージや生活習慣、ご家族構成、価値観など、状況が異なるため、どのような方にもご希望や病状に沿った適切な治療を医療者が共に考え、提供できる体制にすることがん専門病院の役割だと考えます。
例えば、多くのがんの治療の原則が書かれている「ガイドライン」では、75 才以下の患者さんを主な対象とした「標準治療」が示されています。しかし、標準治療は、75 才を超える高齢の患者さんや心臓や肝臓など重要臓器に障害のある患者さんにはリスクが高くて適用できないこともしばしばあります。

標準治療ができない場合は、治すパワーが少し落ちますが、一歩引いた治療をしなければいけません。歯がゆい事実ですが、一歩引いた治療も理由と共にきちんと説明することが責務だと思います。

大切にされているお考えはありますか?

患者さんの希望や生活の質(QOL)を重視したがん治療です

最新の治療法を提供することはもちろん大切ですが、それに加えて、患者さんのご希望や価値観、QOL を重視して心のケアまで包括的に考えるがん治療が理想です。治すための積極的ながん治療に取り組む方だけでなく、「がんと共に生きる」という選択をする、あるいはせざるを得ない患者さんもいらっしゃいます。

終末期あるいは高齢のがん患者さんなどでは、これまでどおりの暮らしをできるだけ維持した「無治療」という選択肢も提示すべき場合があります。このような「個別化治療」が、まさにがん診療のキーワードだと考えています。

今後のがんセンターの展望を教えてください。

患者さんの心と体を支えられる存在であり続けたい

がんセンターとしての我々の使命は、患者さん一人ひとりに合わせた「個別化治療」を提供し続けることにあります。スタッフの継続的な教育を通じて知識と経験をしっかり伝承し、患者さんとその家族に対するコミュニケーション能力を高め、より理解しやすい説明を心がけていくことが大切です。多職種でディスカッションを行い、心と体の両面で患者さんを支え、最良の治療選択と良好な治療成績を目指すことが、私たちの目標です。

患者さんとご家族へのメッセージをお願いします。

いつでも患者さんを尊重し、寄り添いながらサポートします

初めてご来院される患者さんとそのご家族には、安心して受診していただきたいと思います。不安な気持ちを解消し、希望を持っていただけるよう、サポート体制を整えています。ご不明な点があれば、当院の患者総合支援センターにご相談ください。私たちは患者さん一人ひとりの考えや価値観に真摯に向き合い、それぞれの治療を全力でサポートしていきます。

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