令和2年度決算審査報告書

本特別委員会は、9月定例県議会において設置されると同時に、令和2年度千葉県一般会計及び各特別会計歳入歳出の決算認定についての付託を受け、閉会中の継続審査の議決を得て、9回にわたる委員会を開催し、執行当局から説明を聴取しつつ厳正な審査を行った。
その結果、各会計とも計数については、監査委員の監査意見書のとおり過誤なきものと認められた。
一方、予算執行に伴う政策効果・経済性、また、外郭団体の適正かつ効率的な運営管理・経営の安定性の観点から、審査の過程において当局の説明を求め、今後の予算執行に際しては、一層の検討を加え、改善・是正すべきものとして要望した事項は、少なくなかった。
それらの諸点については、当局の適切な措置を期待するものである。
なお、主な要望事項は、次のとおりである。

1仕事改革・働き方改革の推進について

職員の意識改革に関する取組の強化と県民サービスの向上を図るとともに、職員の業務の効率化や生産性の向上を図るため、デジタル技術の効果的な活用に関する取組を一層充実・強化すべきである。

（総務部）

2地域日本語教育の推進について

県内に在住する外国人は増加傾向にあり、今後、県全域での地域日本語教育の推進がますます重要になることから、指導人材の育成や日本語教室の立ち上げ・充実に一層取り組むべきである。

（総合企画部）

3消防団参画促進事業について

地域の防災力の要となる消防団員の確保は急務であり、若者や女性など、幅広い人材を確保するため、効果的な取組を検討し、必要な事業を計上するなど、一層力を入れて取り組むべきである。

（防災危機管理部）

4新型コロナウイルス感染症に係る受入れ病床の確保について

新型コロナウイルス感染症の感染状況が落ち着きを見せている現在を、今後の感染拡大のための準備期間と捉え、新たな臨時医療施設の開設に係る具体的な検討も含め、県民に必要な医療を提供できるよう病床の確保に取り組むべきである。

（健康福祉部）

5　文化行政推進事業について

文化芸術団体や児童・生徒等は、長期間にわたる緊急事態宣言の影響により、練習や発表できる機会が失われていると聞いており、緊急事態宣言が解除され、ワクチン接種も進んできてはいるものの、新型コロナウイルス感染症の影響はこれからも続くものと思われることから、文化芸術の力で県民や地域が元気になるよう、持続的な支援を行うべきである。

（環境生活部）

6新型コロナウイルス感染症の影響を受けた中小企業等の支援について

引き続き感染の再拡大を警戒しつつ、県内経済の活性化につながる様々な事業に取り組むべきである。

（商工労働部）

7新型コロナウイルス感染症の影響を受けた農林漁業者への支援について

新型コロナウイルス感染症による外食需要の減少等により、特に米価に影響が生じており、県としても対応していく必要があることから、引き続き、県産農林水産物の販路拡大を図るとともに、生産者を守っていく施策に取り組むべきである。

（農林水産部）

8県営住宅使用料の収入未済について

多額の収入未済が発生していることは、公平性の観点から問題であるため、収入未済額の縮減に向けた取組を一層強化し、収入の強化に努めるべきである。

（県土整備部）

9スクールカウンセラーの配置について

近年、いじめや不登校など児童生徒が抱える課題が多様化している中、教育相談体制を充実させ、心のケアを図ることが重要であることから、様々な困難を抱えている児童生徒に十分な支援が行き届くよう、スクールカウンセラーのさらなる配置の拡充を行うべきである。

（教育庁）

10交通事故防止対策について

八街市で発生した悲惨な事故などを踏まえ、令和3年9月に策定した「千葉県警察交通安全緊急対策アクションプラン」では、「通学路等における交通安全の確保」「飲酒運転の根絶」を2本柱として、着実に各種緊急対策に取り組んでいくとの強い決意が示されたことから、今後、このような事故が二度と発生することのないよう実効性のある取組を迅速かつ強力に推進すべきである。

（警察本部）

11県営水道における料金の支払方法の多様化や手続等のオンライン化について

県営水道利用者への、より一層のサービス向上を図るためには、ICTを積極的に活用し、利用者が時間や場所の制約なく、支払や各種手続が行える環境を実現することが重要であることから、キャッシュレス化やオンライン化を計画性をもって着実に進めるべきである。

（企業局）

12県立病院の経営改善について

県立病院の経営状況は、平成26年度以降、7年連続の赤字決算となったほか、令和2年度末に一般会計から37億円の長期借入を受けるなど、厳しい経営状況が続いていることから、新たに策定された千葉県立病院改革プラン案において示された、原価計算という新たな経営分析手法の活用及び収益確保と経費削減策の徹底などを確実に履行し、早期の経営改善に向け、全力をあげて臨むべきである。

（病院局）

以上のとおり、本特別委員会は要望事項を付し、令和2年度千葉県一般会計及び各特別会計歳入歳出決算は賛成多数をもって、それぞれの決算書のとおりこれを認定すべきものと決定した。

令和3年12月21日