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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和6年度総務防災常任委員会県外調査報告書
更新日:令和7(2025)年4月24日
ページ番号:752871
令和6年10月22日
千葉県議会議長瀧田 敏幸様
総務防災常任委員長木名瀬 訓光
本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。
記
(1)日時:令和6年10月16日(水曜日)13時30分から14時45分
(2)調査項目:津波避難誘導の取組について
(3)経過
初めに、木名瀬委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行った。
あいさつの後、仙台市危機管理局危機対策課危機対策係長から概要説明があり、質疑応答が行われた。
その後、同課係長等の案内により施設見学を行い、質疑応答は随時行われた。
(4)概要説明
仙台市では、東日本大震災の際に津波避難広報中の市職員と消防団員が犠牲となったことや、既存の避難広報手段の多重化・補完の必要性を踏まえ、津波からの避難を呼び掛けるための新たな広報手段として、津波避難広報ドローンの整備を行い、令和4年10月17日から本格運用を開始している。これにより、従来の屋外拡声器による広報等と併せて、東部沿岸部の来訪者に対する効果的な津波避難広報体制を構築している。
機能・役割
津波警報等の発表とともに、全自動で2機のドローンが離陸・飛行し、沿岸部を訪れている方に対して、搭載するスピーカーから避難を呼びかける音声とサイレンを流すなど、人の手を介さずに自動で避難広報を行う。
また、ドローンが撮影した映像は市の災害情報センターに伝送され海岸線の状況をリアルタイムで確認できる。
運用のイメージ
※「自動運行のドローンにより津波避難広報を行うこと」及び「専用のLTE通信網でドローンの制御等を行うこと」の2点において世界初の事例となっている。
(5)主な質疑応答
問:飛行ルートとして、北ルートが往復約7キロメートル、南ルートが往復約8キロメートルとのことだが、その距離に設定した理由があるのかどうか。
答: 現在、整備している日本製のドローンのバッテリーの関係で距離を設定している。飛行ルートを決める際も、ドローンが基地局から飛行し、また基地局に帰還する必要があるため、バッテリーの容量を考えながら飛行ルートを決定した。
問:飛行時間はどのくらいか。
答:気象状況にもよるが、飛行高度30メートルを約20分で飛行する。
問:飛行の可否を判断する際、気象状況について考慮すると思われるが、その基準はどうか。
答:雨の中でも飛行は可能だが、目安として風速10メートル(毎秒10メートル)、雨量で1時間当たり10ミリを超える場合には、ドローンの安定的な飛行に問題が生じる恐れがあるため、飛行させることはできないと、判断している。
問:今後、ドローンを増やす計画はあるのかどうか。
答:格納基地局をたくさん配置し、ドローン飛行で仙台市の沿岸を全てカバーできれば良いのだが、財政状況的に難しい状況である。
問:ドローンの整備費や管理費等、費用面はどのくらいか。
答:整備には、令和3年3月から令和4年9月まで、約1年半を要したところだが、ドローンを活用する実証実験としては、企業の協力を得て平成28年から4回の実験を行っており、その間も含めると、約6年を要した。
整備費用については、総額約1.7億円であり、そのうち約半分については国の交付金(地方創生推進交付金、デジタル田園都市国家構想交付金:計6年間)を活用してきた。
また、ドローン本体、基地局、専用の通信網の整備費や維持費等について、年間約4千万円かかっている。
(1)日時:令和6年10月16日(水曜日)15時から16時
(2)調査項目:東日本大震災の教訓について
(3)経過
初めに、震災遺構仙台市立荒浜小学校の方より概要説明が行われた。
その後、同小学校の方の案内により施設見学を行い、質疑応答は随時行われた。
(4)概要説明
2011年3月11日に発生した東日本大震災において、児童や教職員、住民ら320人が避難し、2階まで津波が押し寄せた。
来館者の防災・減災の意識を高めることを目的に、東日本大震災で被災した校舎を、震災遺構として保全・整備した施設である。被災の痕跡を鮮明に残す校舎と、被災直後の様子を示す展示棟により、来館者に津波の威力や脅威を実感できる場として公開されている。
(5)主な質疑応答
問:来館者はどのような方々か。
答:県内外問わず様々な方々にご来館頂いているが、年間通しては教育旅行の影響もあり学生が多く、また、本年の夏休み期間においては南関東(首都圏)の方々に多くご来館頂いている。
問:外国人の来館者はどのくらいか。また対応はどうしているか。
答:昨年度、事前申込みがあった海外からの視察対応は29件であった。
また、件数を把握できない自由来館では年間通して多くご来館をいただいており、特に台湾やタイの方々をお見受けしている。
問:震災の記憶と教訓の風化を防ぐため、特に意識していることは何か。
答:令和4年度より仙台市立小学校(約120校)の児童(各校任意の学年)は必ず荒浜小を訪れるようバスの借上げ料を予算化するなど、震災の記憶と教訓について「震災を知らない世代」が自分事として捉える取り組みなどを実施している。
問:施設の管理運営は外部委託か。委託に当たって工夫していることはあるか。
答:直営管理である。会計年度任用職員(6名)がシフトで常駐している。
(1)日時:令和6年10月17日(木曜日)10時45分から12時
(2)調査項目:合同庁舎の整備について
(3)経過
初めに、木名瀬委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行い、宮城県東部地方振興事務所副所長から歓迎のあいさつの後、同副所長より概要説明があり、質疑応答が行われた。
その後、同副所長の案内により施設見学を行い、質疑応答は随時行われた。
(4)概要説明
東日本大震災で甚大な被害を受けた石巻圏域における行政サービス拠点の石巻合同庁舎について、仮復旧工事を行いながら新庁舎の建設を行い、庁舎の移転・建て替えを行った。
新庁舎は、中長期的な行政ニーズなどを踏まえ、「災害に強く広域防災拠点機能を備えた庁舎」、「多様な行政ニーズに対応できる利便性の高い庁舎」、「地球環境・周辺環境に配慮した庁舎」の3つを基本理念としている。
(5)主な質疑応答
問:新庁舎は旧庁舎から内陸に5キロ入っているとのことだが、高度はどうなっているのか。
答:元々は平らであったが、50センチ程度津波が来たと言われているため、1メートル嵩上げした。また、万が一津波が来ても大丈夫なように発電設備は2階、倉庫は5階に設けている。
問:用地の液状化対策は行ったのか。行った場合、杭は何本くらい打設したのか。
答:基本設計による当該地の液状化の可能性調査では、大地震発生時に、表層から約10メートルまでの層で液状化の可能性があると判定されたことから、複数の杭工法の比較検討を行い、プレボーリング拡大根固め工法を採用し、合計で59本打設している。
問:移転先の土地の確保について、他の候補地との取得価格による比較はしたのか。
答:移転事業用地については、石巻市が実施していた「新蛇田南第二地区被災市街地復興土地区画整理事業」で生み出された保留地を利用することになったため、他の候補地との取得価格による比較は行っていない。なお、取得価格は、石巻市が土地区画整理法の規定により決定した処分価格としたが、同市が処分価格の決定に当たって実施した不動産鑑定評価の提供も受け、適正であることを確認している。
(1)日時:令和6年10月17日(木曜日)13時15分から14時30分
(2)調査項目:東日本大震災の教訓について
(3)経過
初めに、木名瀬委員長が調査協力に対するお礼のあいさつを行った。
あいさつの後、宮城県東部地方振興事務所副所長から概要説明があり、同館解説員の案内により施設見学を行った後、質疑応答が行われた。
(4)概要説明
みやぎ東日本大震災津波伝承館は、東日本大震災の記憶と教訓を永く後世に伝え継ぐことなどを目的に、宮城県石巻市南浜町石巻南浜津波復興祈念公園内に整備され、新型コロナウイルスの流行を受けて、開館を暫く延期していたが、令和3年6月6日にオープンした。
東日本大震災による津波被害の実態を様々な展示・映像等により伝え、いざという時の避難準備、行動の参考とし、被害の軽減を目指している。
伝承館は屋内直径40メートルの正円形の建物で、外壁は全方位を見渡せるよう透明なガラス張りとしており、屋内からの視線の先には日和山、善海田稲荷、石巻市震災遺構門脇小学校、追悼の広場、日本製紙工場の複数の煙突の煙などをとらえることができる。
また、円形の屋根が傾斜しており、林立する122本あるランダムな細い柱で支えられ、建物周辺に植えられた樹林(松)が成長した際に連続した空間となるようデザインされている。
なお、建物の一番高い北側の屋根の高さは6.9メートルで、この地を襲った津波が停滞したときの高さを体感できるようになっている。
開館以来、主に修学旅行生や会社の研修、自治体など令和6年9月末現在で1日平均約180人、累計約17万人が来館しており、伝承館では、「かけがえのない命を守るために、未来へと記憶を届ける場」というコンセプトのもと、リアルな津波の映像や被災者の証言等により、津波から命を守るためには「逃げるしかない」ことを訴える映像をはじめ、県内の震災伝承施設や語り部活動を行う団体等のほか、震災を契機に生まれた地域の復興に関する取組等を紹介するなど、被災の状況や津波から尊い命を守るための教訓等をパネルや映像を用いて伝えている。
(5)主な質疑応答
問:外国人の来館者はどのくらいか。また対応はどうしているか。
答:国籍など正確な統計はとっていないが、アジアや欧米など満遍なく来ていただいている。また、対応については外国語の表示をすることで対応している。
問:集客のために行っていることはあるか。
答:「語り部」の方々などの協力で、震災伝承のイベント等も行っている。一方、この場所は商業施設等も周辺にないため、他県の伝承施設よりは入場者数が少なく感じられるかもしれない。それは、この場所は公園も含め、「祈りの場」というコンセプトがあり、致し方ないところである。
また、夏は暑く、冬は日常的に7~8メートルの風が吹く地域であり環境的には厳しい。
しかし、ご覧のとおり公園内は多くの木々を植えており、10年、20年後になれば、建物周辺の樹林(松)が育ち、春には花が咲き、祈りの場のテーマから外れない中で多くの方に来ていただける場所になるのではないかと考えている。
(1)日時:令和6年10月18日(金曜日)10時から11時30分
(2)調査項目:陸上自衛隊との災害時の連携について
(3)経過
初めに、東北方面総監部防衛部防衛課長より概要説明があり、質疑応答が行われた。
その後、東北方面総監部総務部広報室広報班長の案内により仙台駐屯地一部の施設見学を行い、質疑応答は随時行われた。
最後に、木名瀬委員長が調査協力に対するお礼のあいさつ、東北方面総監から歓迎のあいさつが行われた。
(4)概要説明
[東北方面隊の概要]
仙台駐屯地は宮城県仙台市に所在し、東北方面隊を指揮する東北方面総監部をはじめとする方面直轄部隊・機関が多数駐屯する、東北方面隊の中核となる駐屯地である。
東北方面隊は、2個師団(第6師団、第9師団)を基幹兵力としており、管内には13個の駐屯地、1個の分屯地、6個の地方協力本部が配置されている。
第6師団(司令部:山形県東根市の神町駐屯地)は宮城・山形・福島の3県の、第9師団(司令部:青森県青森市の青森駐屯地)は青森・岩手・秋田の3県の、それぞれ防衛警備、災害派遣を任務とするほか、民生協力及び国際貢献活動を行っている。
[東日本大震災における自衛隊の災害派遣活動]
東日本大震災では、津波による甚大な被害、原子力災害の発生、自治体の機能喪失及び広域・複合災害などの事態に対処するため、平成23年3月14日に陸上自衛隊の東北方面総監を指揮官とし、陸・海・空部隊を統合運用する「統合任務部隊」が初めて編成された。
震災直後は人命救助、その後行方不明者の捜索、生活支援等、また、原子力災害の発生による放水作業、モニタリング支援、避難誘導支援等同時並行で対応することとなった。
仙台駐屯地が自衛隊の災害派遣活動の拠点となり、派遣規模は最大約10万5,800名(陸災部隊約70,000名、海災部隊約14,200名、空災部隊約21,600名)体制となった。また、初の予備自衛官等の招集を行い、行方不明者の捜索等に派遣された。
救難活動には米軍も参加しており「トモダチ作戦」の名称で航空機約140機・艦艇約15隻・人員約16,000名の隊員が派遣され、物資輸送や捜索・救難活動、被災地のインフラ復興支援などを行った。
[災害に対する東北方面隊の取り組み]
東日本大震災以前より、自衛隊東北方面総監部が主体となり、自治体、関係機関等と連携し「みちのくALERT」という災害に備えるための取り組みを4年に1回継続して行っている。
(5)主な質疑応答
問:東日本大震災において、予備自衛官として招集した人数はどれくらいか。
答:生活支援活動、行方不明者の捜索、瓦礫除去等
東北:1,434人、 北海道:173人、関東等:277人、関西等:169人、九州等:126人
駐屯地業務隊の増強、駐屯地警備
北海道:3人、東北:372人、関東等:14人
問:「みちのくALERT」について、実施期間中にどういったことを行っているのか。
また、何が発端となって始まったのか。自衛官の人材募集における傾向や広報の仕方を教えていただきたい。
答:約1週間実施する。初日に発災した想定で、発災後の情報収集や各自治体との連携など指揮職員が行い、被害状況等がわかってきた後、部隊を導入する。2日目以降は計画に基づいて、孤立地域に陸・海・空自衛隊や消防隊を導入し、被災者の救難・救助を訓練として実施する。
発端は、2008年から実施しており、地震に対応する上で自衛隊だけではできないことがあり、自治体や関係機関が一丸とならないと対応できないのではないかという問題認識があり、自衛隊が呼びかけをして始まった。
職名 | 氏名 | 会派 |
---|---|---|
委員長 | 木名瀬訓光 |
自民党 |
副委員長 |
鈴木ともなり |
自民党 |
委員 |
浜田穂積 |
自民党 |
委員 |
今井 勝 |
自民党 |
委員 |
坂下しげき |
自民党 |
委員 | 宮坂奈緒 | 自民党 |
委員 |
秋山 陽 |
立憲民 |
所属・職名 | 氏名 | 備考 |
---|---|---|
総務部長 | 高梨みちえ | - |
防災危機管理部次長 | 能條靖雄 |
- |
総務部総務課副課長 | 荒見淳一 | 議事課主幹(併任) |
防災危機管理部危機管理政策課副課長 | 山口一樹 | 議事課主幹(併任) |
議会事務局政務調査課班長 |
茂木純子 | - |
議会事務局議事課主事 |
長島歩美 | - |
10月16日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
東京駅 |
- |
10時18分 |
- |
仙台駅 |
11時52分 |
- |
- |
南蒲生浄化センター |
13時30分 |
14時45分 |
調査 |
震災遺構仙台市立荒浜小学校 | 15時 | 16時 | 調査 |
宿舎 |
- | - |
- |
10月17日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
宿舎 |
- |
- |
- |
石巻合同庁舎 |
10時45分 |
12時 |
調査 |
みやぎ東日本大震災津波伝承館 |
13時15分 | 14時30分 |
調査 |
宿舎 | - | - | - |
10月18日
場所 |
着 |
発 |
備考 |
---|---|---|---|
宿舎 |
- |
- |
- |
陸上自衛隊仙台駐屯地 |
10時 |
11時30分 |
調査 |
仙台駅 |
- | 14時31分 |
- |
東京駅 | 16時4分 | - | - |
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