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更新日:令和5(2023)年1月20日

ページ番号:557070

令和4年度農林水産常任委員会県外調査報告書

令和4年10月25日

千葉県議会議長彰 様


農林水産常任委員長

本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。

  1. 用務:農林水産常任委員会県外調査
  2. 調査先
    (1)ホクレン農業協同組合連合会くるるの杜(北海道北広島市)

    (2)地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場(北海道余市郡余市町)
    (3)株式会社高橋牧場(北海道虻田郡ニセコ町)
    (4)苫東ファーム株式会社(北海道苫小牧市)

  3. 期間:令和4年10月19日(水曜日)~10月21日(金曜日)
  4. 概要:以下のとおり

調査の概要について

1ホクレン農業協同組合連合会くるるの杜(北海道北広島市)

(1)日時:令和4年10月19日(水曜日)14時00分~15時30分

(2)調査項目:農産物の直売・体験・加工施設の運営について

(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するあいさつを行い、所長から歓迎のあいさつがあり、引き続き調査事項について説明があった。その後、施設を視察し、質疑応答を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
ホクレンは食料基地・北海道の役割をあらためて認識し、北海道農業ひいては日本農業への更なる貢献を継続する一環として、くるるの杜を2010年7月にオープンした。施設の目的は、多くの方に食と農のつながりについて実感を持った理解をしてもらうことで、複数の施設を運営し、それらの施設が連携することにより、生産から消費までのプロセスを総合的に体験できる。施設全体の面積は18へクタールで、半分の状態が森になっているが、この森は農業と自然が共生する象徴として存在している。また、建物は北海道で自生する木材を使って、建設をしている。
複合施設については、以下のものがある。

  • 収穫等の農業体験ができる体験農場
  • 収穫した作物を調理して食べることができる調理加工体験施設
  • 生産者直売を中心とした農畜産物直売所
  • 主に直売所の農畜産物を食材として家庭での再現性のあるメニューを提供している農村レストラン

年間の来場者数は、農畜産物直売所で約20~22万人で、レストランはコロナ前だと約7万人だったが、コロナの影響で一番低い令和2年度では3万2千人程度まで落ち込んだ。

(5)主な質疑応答
問:日本人の米離れと牛乳離れイコール米余りと牛乳余りで価格が上がらないという大きな悩みがあるが、ホクレンの場合はどうか。

答:基本的には同様であり、北海道農業は、米、牛乳、砂糖の生産が多く、ホクレンの事業の柱である。特に牛乳は生産抑制しにくいものであり、消費拡大が主である。コロナで外食産業が打撃を受け、使ってもらえず、インバウンドの人も全くいない状態で、そういう業界に対してどういったアプローチをかけていくかが必要になってくる。
問:これだけ広大でいろいろな施設がある中で、何人の職員が働いていて、正職員と非正職員の割合はどうか。また、職員の確保についてはどうか。
答:全体で90人前後で、そのうち正職員は15%ほどで残りは臨時職員である。周辺には住宅も少なく、アクセスもあまり良い所ではないので、なかなか解決しない。

2地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場(北海道余市郡余市町)

(1)日時:令和4年10月20日(木曜日)10時00分~11時30分

(2)調査項目:海洋観測結果とその活用について

(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するあいさつを行い、次に水産研究本部長から歓迎のあいさつがあり、引き続き調査事項について説明があった後、質疑応答を行い、施設の見学を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
中央水産試験場では、水産資源の管理や海洋環境、増養殖技術や磯焼け対策、水産物の加工技術に関する調査研究を行っている。
過去の海洋観測は不定期であり、観測点が統一されていなかったため、1990年より観測定点を定め、定期的に海洋観測を実施し、関係者に情報の提供を行っている。現在は観測船3隻体制で、178ヶ所の定点観測を実施している。
また、魚の資源量を維持するため、新世代科学魚探システムを導入し、制度の高い資源量推定を行い、関係者に情報提供を行っている。
海洋観測結果の活用策の一部として下記の実績がある。

  • 海況速報等による、水温、海流、塩分量等の情報配信。

  • 2021年9月、道東太平洋の沿岸一帯に発生した赤潮について、クロロフィルa濃度測定により、赤潮発生メカニズムの解明に寄与した。

  • 日本海スルメイカについて、漁獲調査結果を公表。

(5)主な質疑応答

問:近頃、日本海側の親潮が弱まっている原因について、気候変動や温暖化の影響は考えられるか。
答.CO2の排出量に関係なく、太陽活動の周期等により気候が変動する場合がある。これらの気候変動と海洋の影響で海流が変わっていく。それにCO2の影響が加わってくるものと思われるが、どの程度の影響を及ぼすかについては不明である。
問:スルメイカについて、ここ10年くらいの漁獲高の推移はどうか。
答:漁獲高は減っていっている。専門家からは、卵がどれだけ生き残るかが要点ではないかとの意見があった。数年前から海の環境は良くなってきたが、それでも増えないため、対策を考える必要がある。
問:千葉県では近頃マイワシが増え、カタクチイワシが減少している。環境的なものが原因なのか。
答:マイワシと同様、周期的な増減があるものと考えられる。
問:漁業者とどうやってやり取りを行っているのか。また、データはどれだけ活用されているのか。
答:関係者、道庁も交えて意見交換等をたびたび行っている。
データを示し、魚種ごとに小さいものを漁獲しないよう等伝え、資源量回復に繋げている。

3株式会社高橋牧場(北海道虻田郡ニセコ町)

(1)日時:令和4年10月20日(木曜日)14時00分~15時15分

(2)調査項目:6次産業化の取組について

(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力に対するあいさつを行い、次に代表取締役から歓迎のあいさつがあり、引き続き調査事項について説明があった後、質疑応答を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
高橋牧場は、自社産の牛乳を使用したアイスクリーム等のスイーツを「ミルク工房」で販売している。カフェ、直売所のほか、ヨーグルト、バームクーヘン、チーズなどの工房も備えている。また、地元の生産者と連携し、ビュッフェ形式のレストランで野菜等を提供している。
代表取締役の高橋守氏は昭和45年に就農、その後、土地が石だらけなど畑の条件が悪かったため酪農を専門にやるようになった。ニセコでは当時は酪農家は70軒ほどあったが今は10軒ほどである。
昭和47年頃から乳価が上がり始め、規模拡大のためお金を借りて牛舎を増やしたが牛乳が余り、生産調整が行われる中、自分の育てた牛から絞った牛乳を評価してもらいたいと加工を始め、平成8年に広くターゲットが見込まれるアイスクリームの工場をつくり、平成11年にはヨーグルトを始めた。
冬場の経営が厳しい状況の中、オーブンを作っている会社の提案からお菓子を手がけることとし、平成16年にシュークリームの工場を立ち上げた。横から飛び出るほどクリームが柔らかいのは牛乳が一番いい味が出せるタイミングでやってるからであり、メーカーのように固めることはせず、農家だからと認められるものを作ればいいという思いがありオープンした。1日2千個売り上げたこともあり今でも1日千個売り上げる日もある。
また、客から食堂はないかと話があり、国の農業主導型6次産業化整備事業を活用し、平成23年に自ら農家と連携して地元の野菜を使ったレストランを始めた。5年前からはチーズとピザの工場を作り、3年前にはチョコレート工場を作った。
高橋氏の信念として、加工のプロになってはいけないと思っている。パティシエはおらず全部自分たちで作っており、レストランでは野菜はシンプルに素材を生かしたものにしている。その製品がどうやって一番純粋な形で生きるかを考え、添加物は極力使わず、のむヨーグルトも香料などは入れていない。インパクトよりも飲みやすくもっと飲みたいと思ってもらえるものを作りたいと思っている。

(5)主な質疑応答
問:冬場は辺り一面雪だと思うが、客足はどうか。

答:スキー場があるので人は多く、その中の人達が来てくれる。コロナ禍の二年間は厳しかったが、この冬からは外国の人も戻って来るのではないかと期待している

4苫東ファーム株式会社(北海道苫小牧市)

(1)日時:令和4年10月21日(金曜日)10時00分~11時15分

(2)調査項目:次世代施設園芸について

(3)経過
初めに、高橋委員長が調査協力対するあいさつを行い、次に代表取締役から歓迎のあいさつがあり、引き続き調査事項について説明があった後、圃場の施設を見学し、質疑応答を行った。
最後に、高橋委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
苫東ファーム株式会社は2014年に設立し、今年の4月から清水建設株式会社の子会社となった。農林水産省の次世代施設園芸導入加速化支援事業の補助金が北海道次世代施設園芸コンソーシアムから苫東ファームへ間接的に入っている。この補助事業は全国で10拠点整備されており、トマト栽培が多い中で、苫東ファームではイチゴを栽培しており、補助の必須条件である地場の再生可能エネルギーは木質バイオマスである。コンソーシアムメンバーは、作る側だけではなく、使用される側も含めてのメンバーとなっている。
イチゴの生産・販売については、苫小牧地域は以下のとおり栽培に適している。

  • 苫小牧地域は日射量が北海道の中でも多く栽培に適した日射条件
  • 北海道の中でも冬期間の積雪量が少なく、夏季は25℃を超えることは珍しく冷涼な栽培に適した気候
  • 新千歳空港に隣接しており、苫小牧港にも近い、物流に適した立地

(5)主な質疑応答
問:清水建設として農業をやるきっかけはなにか。

答:清水建設は建設業のほか、不動産など様々な事業を行っている中で、自然に関わる事業に取り組むべきではないか、SDGsに関しても企業としてなお取り組んでいかないといけないという考えからである。
問:補助金の割合はどのくらいか。
答:7割位である。
問:どのような問題があって6年もの間、黒字にできなかったのか
答:北海道苫小牧でもイチゴは中々扱いにくいのは間違いないが、手入れが行き届かず、人手が足りていなかった。東京から支援社員を10人ほど投入したりして対応した。
問:植物を育てる上では二酸化炭素が必要だと思うが、熱源から出る二酸化炭素の利用率はどうか。
答:二酸化炭素については施設内で発生するものは使用せず、買っている状態である。

参加者名簿

《委員》

職名 氏名 会派
委員長

高橋秀典

自民党

副委員長

小路正和

自民党

委員

酒井茂英

自民党

委員

木下敬二

自民党

委員

幹人

自民党

委員

竹内圭司

立憲民主・千葉民主の会

委員

鈴木和宏

公明党

委員

西尾憲一

平和の党

委員 松崎太洋 無所属

《随行》

所属・職名 氏名 備考
農林水産部長

舘野昭彦

 

農林水産部農林水産政策課長

板倉由妃子

 

農林水産部農林水産政策課副課長

嶋田善康

議事課主幹(併任)

議会事務局総務課主査

齋藤雄介

 

議会事務局議事課主事

檜垣沙希

 

日程表

月日

場所

備考

10月19日 羽田空港   10時00分 ANA59
新千歳空港 11時35分    
ホクレン農業協同組合連合会くるるの杜 14時00分 15時30分 調査
宿舎      
10月20日 宿舎      

地方独立行政法人北海道立総合研究機構

中央水産試験場

10時00分 11時30分 調査
株式会社高橋牧場 14時00分 15時15分 調査
宿舎      
10月21日 宿舎      
苫東ファーム株式会社 10時00分 11時15分 調査
新千歳空港   14時45分 JAL514
羽田空港 16時40分    

お問い合わせ

所属課室:議会事務局議事課委員会班

電話番号:043-223-2518

ファックス番号:043-222-4073

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