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診療科・部門紹介

各検査部門のご紹介

外来採血室(採血・尿検査受付・喀痰採取・尿素呼気試験)

採血業務は臨床検査技師4名が担当し、午前8時15分から行っています。外来採血室は臨床検査部の入り口に設置されており、患者さんから採血された検体は速やかに各検査室に運ばれて検査が行われています。さらに、電子カルテシステムに接続された自動採血管準備装置によって各診療科医師のオーダー情報に従って正確また迅速に採血準備が行われます。

これらのシステムの運用により、安全性の確保とともに採血待ち時間の短縮に努めています。また、採血時の患者さん間違いを防止するために採血実施前にお名前と生年月日をお尋ねしますのでご協力をお願いいたします。

待合場所に「患者さんへのお願い」のポスターを掲示しておりますのでご覧いただき、ご協力をお願いいたします。
なお、採血後は3~5分程度、採血部位をしっかり押さえ、絶対に揉まないようにしてください。(内出血や再度出血したりして衣服を汚す原因となります)

外来採血室風景

自動採血管準備システム

(BC-ROBO-787/TS2800)

採血室では喀痰の採取を行うことがありますが、専用の採痰ボックス内で行います。このボックスには特殊なフィルターとネブライザーが設置してあり、安全かつ採痰が容易にできるように工夫しています。

採痰ボックス

尿素呼気テスト

ヘリコバクターピロリ菌の消化管内感染の有無を調べる検査です。

尿素呼気試験装置(POCone)

これらの採血、採痰、採尿受付、尿素呼気試験については、担当者がわかりやすく丁寧に説明させていただきますので心配はいりません。担当者のご案内にお任せください。

血液検査室

(1)血球算定検査

血液は大きく血球成分と液性成分(血漿成分)に分けることができますが、血球成分には、赤血球、白血球、血小板などの細胞が、血漿成分にはタンパク、糖、脂質などが含まれています。血球算定検査では血液中の有形成分である赤血球、白血球、血小板の数を測定することで、血液の病気(疾患)の診断だけではなく、体の中の状態を把握することができるので健康診断でもよく検査されます。

当検査室ではベックマン・コールター(社)のLH780とUniCelDxH800の2台の機械を導入し、赤血球数(RBC)・ヘモグロビン(血色素量/Hb)・ヘマトクリット(Ht)・平均赤血球容積(MCV)・白血球数(WBC)・白血球百分率・血小板数(Plt)・網状赤血球数(Ret)などを測定しています。これらの検査によって貧血の有無やその原因を推定したり、各種疾患の急性期や回復期または治療による臨床効果などを評価することができます。

全自動血球算定装置(CoulterLH780)

赤血球数(RBC)

赤血球は骨髄で作られますが、寿命は約120日で、古くなった赤血球は主に肝臓や脾臓で破壊されます。赤血球は肺より酸素を取り込み、体中の毛細血管を通って各組織に酸素を補給し、炭酸ガスを受け取って肺まで運んでガス交換を行います。

ヘモグロビン(血色素量/Hb)

赤血球に含まれるヘモグロビンは酸素を体中に運ぶ中心的役割を果たしています。鉄分が不足するとヘモグロビンが十分つくられなくなり、酸素の量が不足して、動悸や息切れ、めまいなどの酸欠症状が出ます。これが鉄欠乏性貧血です。

ヘマトクリット(Ht)

一定量の血液中に含まれる赤血球の割合をヘマトクリットといいます。貧血や赤血球増多症の診断に役立ちます。

白血球数(WBC)

白血球は主に骨髄やリンパ組織で作られ、貪食作用や免疫機能によって、異物(細菌、ウィルスなど)の排除する大切な役割を担っています。

血小板(Plt)

体の表面や体内で出血が起こると、血小板は血管の損傷部位に集まって出血を止める働きをします。

網状赤血球数(Ret)

骨髄で造られたばかりの赤血球には核があり、成熟すると核はなくなります。造られてから1~2日以内の赤血球を特殊な染色を行うことで網状に染色される核の残留物が確認できます。この数を測定することにより赤血球系の造血機能を把握することができます。

(2)白血球百分率・血液像

末梢血液中の白血球を、好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球の5種類に分類することでより詳細な情報を得ることが可能です。これらの大まかな分類は自動血液分析装置でも可能ですが、末梢血液をガラス板に塗布して染色した標本を顕微鏡で観察することで白血球、赤血球、血小板の形態異常やがん細胞などの異常細胞の出現率などの詳細な情報を得ることができます。

(3)骨髄穿刺

血液中の細胞に異常が見られた場合、血液細胞の製造工場である骨髄を調べる必要が有ります。そのとき行う検査を骨髄穿刺といい、骨髄穿刺は胸骨または腸骨で行います。
検査は胸骨または腸骨の穿刺部位を消毒し局所麻酔をして、骨髄へ専用の針を刺して、注射器で骨髄を採取します。その後、出血が止まったら終了です。
採取した骨髄は特殊な染色を行い顕微鏡で各細胞の数や形態を調べます。

白血病細胞(ギムザ染色)

(4)白血病、悪性リンパ腫関連検査

白血球の細胞表面にはそれぞれ特徴ある目印があり、これらの存在を検出することによって顕微鏡的な検査ではわからない細かい細胞分類をすることができます。フローサイトメトリー法や免疫細胞化学染色という手段を用いることで白血病や悪性リンパ腫細胞の詳細な細胞分類が可能です。特に、フローサイトメーターの導入により、適切な診断と治療が当日のうちにできるようになっています。

フローサイトメーター
(CytomicsFC500)

 

フローサイトメーター解析チャートの一例

生化学・血清免疫検査室

生化学・血清検査では、血液中の様々な成分を定量測定することによって、健康状態や臓器の異常を間接的に調べることが出来ます。生化学・血清検査室では、肝機能や腎機能などの臓器の機能検査や、蛋白・糖・脂質などの代謝関連検査などの一般的な生化学検査や血清免疫検査に加え、がんの診断や経過観察に必要な腫瘍マーカー検査を行っています。また、凝固線溶検査も行っています。

機器は、株式会社日立ハイテクノロジーズLABOSPECT008・006(生化学自動分析装置2台)、アボットジャパン株式会社ARCHITECTi2000SR(免疫発光測定装置2台)、積水メディカル株式会社CP3000(血液凝固自動分析装置)を導入し、正確で迅速な結果報告を目指しています。

生化学自動分析装置(LABOSPECT008,006)

免疫発光測定装置(ARCHITECT-i2000SR)

血液凝固自動分析装置(CP3000)

肝機能関連検査

肝臓は必要な栄養素を合成したり、要らなくなった成分を分解したり、私たちの体において様々な役割を果たしています。しかし、腫瘍や薬剤によって肝細胞が障害を受けると、ASTやALTなどが細胞から血管に漏れ出します。このような物質を測定することで、肝障害の程度や肝臓での合成能を調べることが出来ます。

腎機能関連検査

腎臓では体内で作られた代謝産物であるBUNやCREなどの老廃物を、尿中に排泄しています。感染症や抗がん剤の副作用で腎機能障害が起こると、老廃物が血液中に溜まり、血液中の濃度が高くなります。これらの濃度を測定することで、腎臓の機能を推定することができます。

腫瘍マーカー

腫瘍細胞が特異的に産生する物質が腫瘍マーカーで、これを定量することで腫瘍の診断や経過観察に用いられます。当センターでも治療前検査として迅速検査しています。ただ、腫瘍マーカーは、炎症などでも陽性になりますし、反対に腫瘍があっても陰性のこともあります。必ず、画像診断などの診断結果と合わせて判断します。

血液凝固線溶検査

主として術前検査として行われており、安全な手術には必須の検査となっています。

その他

感染症検査、蛋白質関連、糖や脂質など代謝関連項目、微量金属検査など様々な検査を行っています。

一般検査室

尿は血液中の老廃物を処理して腎臓で作られます。1日に150~160リットルの原尿が作られますが、この中には人の身体に必要なブドウ糖・ビタミンなども含まれています。そこで必要なものだけ再吸収され残りが約2リットル程度に濃縮され体外へ排出されます。

尿検査では身体に必要な物質が漏れ出していないか、老廃物が体内に溜まっていないかを調べることにより、腎臓や尿路系の機能や他の多くの臓器の働きや異常を調べることが出来ます。

尿定性検査

主に尿試験紙で検査します。
PH、比重、ブドウ糖、蛋白質、潜血、ビリルビン、ケトン体、ウロビリノーゲン、亜硝酸塩、白血球などが調べられます。

尿沈渣

尿を遠心して得られた沈渣を顕微鏡で観察して、有形成分を調べます。尿中の膀胱がんなどのがん細胞検出に力を入れています。

その他にも便や髄液体腔液などの検査を行っています。

細菌検査室

微生物(細菌)担当の臨床検査技師の役割は?

  • (1)病原微生物(細菌など)の検出
  • (2)抗生物質(抗菌薬)の感受性検査の実施
  • (3)院内の分離菌情報など疫学情報の把握
  • (4)院内感染制御活動

微生物(細菌)検査ではどんな検査をやっているの?

(1)塗抹鏡検検査

検査材料(喀痰、尿、膿等)を直接スライドガラスに塗り付け、グラム染色という染色を行い、光学顕微鏡で観察します。染色した細菌は、青く染まるグラム陽性菌と赤く染まるグラム陰性菌に染め分けられます。それらの菌の特徴を観察して、検査材料中にいる菌種を推定し迅速報告することで、治療の質向上に寄与しています。
また、下痢などの便では染色せずに直接糞便を少量スライドグラスにとり、原虫などを観察する場合もあります。

 

(2)培養・同定検査

培地という栄養分を豊富に含んだ寒天に検査材料を塗って培養します。発育してきた菌の性質から何菌なのかを明らかにして(同定)、原因菌かどうかを調べます。

 

(3)薬剤感受性検査

培養検査で検出された菌の病原性が高いと判断される場合、検出された細菌にどの抗菌薬が有効かを調べます。方法として培養検査で作ったコロニーを用いて、薬剤(抗生物質)と混ぜてから培養します。そして菌が発育しなければその薬剤が有効と判断し、発育すれば効かないと判断します。これを薬剤の濃度別や種類別に行いその菌に対する有効な薬剤や量を推測します。

 

全自動微生物検査システム(WalkAway40)

同定と薬剤感受性の測定パネル

(4)抗原検出検査

培養検査で原因菌が不明な場合でも、肺に肺炎球菌などがいると尿中に菌の壊れた部分が排泄されます。それを検出する検査を行うことによって、迅速に肺炎の原因を突き止めます。
また、糞便や鼻汁の中にウィルス(ノロウィルスやロタウィルス、インフルエンザウィルスなど)がいるかどうかを調べます。

(5)毒素検査

下痢をおこす一部の病原菌(病原性大腸菌やクロストリジウムなど)が毒素を出しているか調べます。また、細菌が血液の中に入って増殖して(菌血症)産生した毒素を専用の機械(トキシノメーター)で調べます。

トキシノメーター

(6)遺伝子検査

感染部位からの検査材料中に病原微生物の遺伝子があるかどうかを調べます。主に、培養に時間のかかる結核菌や培養の難しいウィルスなどに用いられています。当検査室では、結核菌の遺伝子検査(PCR検査といいます)をおこなっていいて、培養検査に比べ迅速に結果を得ることができます。

生理機能検査室

色々な診断機器を使用し、直接患者さん自身の身体から発する微弱な電気信号など生体情報を取り出し、数値や波形・画像にし、診断や評価をする検査です。患者さんの身体には何の影響もなく、痛みもほとんどありませんが、患者さんのご協力がなければ、充分な検査結果が得られない検査でもあります。

心電図検査

心臓から発生する電気信号を手・足・胸に付けた電極から記録したものを波形にして、心臓の筋肉の状態や脈の乱れなどを調べます。

心電計(ECG-1400)

誘発電位検査

感覚受容器(五官=視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)や知覚神経に微弱な電気や音・光で刺激して生じる感覚情報(誘発電位)が、末梢神経から脊髄・脳幹・大脳皮質へと伝導していく過程を電気的に記録解析し、脳・神経系統の機能障害やその程度を調べます。

聴力検査

周波数と音圧を変えて、音を出し、患者さんが聞こえの程度を調べます。

オージオメーターAA-79S

呼吸機能検査

肺の働きや気管支の状態を調べる検査です。肺での換気能力(呼吸の量と速さや効率)や気管支の状態を調べる検査です。喘息や肺気腫などの呼吸器疾患の重症度を調べたり、手術の前(全身麻酔)の手術適応の判断材料、じん肺などの鉱工業従事者の衛生管理のために行います。

総合肺機能検査システム
(CHESTAC-8800DN型)

超音波検査

臓器・組織の形や動きを調べる検査です。超音波は、人間の耳に聞こえない高い周波数の音で、身体に向けて発信すると臓器や組織の境界で反射して反響音として戻ってきます。発信から受信までの時間と音の減衰(弱まり)の程度を電気的に処理し画像化して身体の中身を形や動きとして観察して評価する検査です。機能・働きを調べる検査ではありません。超音波は人体にも害や痛みもありませんので何度でも繰り返して検査が可能です。しかし、気体のあるもの(胃・腸・肺など)の観察や評価には超音波が届かないため適しません。