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更新日:令和4(2022)年5月11日
臨床病理部は手術や生検で採取された組織や細胞を顕微鏡で観察し、病理組織診断や細胞診断を行う中央部門の一つです。病理診断によってがんの診断が確定することによって初めて治療の方針がたちます。さらに摘出された組織を調べて、がんの性質や進行度を知ることができます。
当部では年間約10,000件の組織診、約7,200件の細胞診、約800件の術中迅速診断を6名の病理医(うち病理専門医5名、口腔病理専門医1名)が担当しており、いつでもダブルチェックが可能な体制をとっています。臨床検査技師は13名であり、そのうち8名が細胞検査士、2名が認定病理検査技師です。6名の細胞診専門医が細胞診の検閲にあたっています。そして分子生物学的検査専門の担当者が1名勤務しています。
病理診断において私たちが一番心がけていることは正確かつ速やかな診断です。そのために臨床各科と共同でカンファレンスを行い、臨床医との連携を緊密にとり、診断に必要な情報を共有するとともに、診断や治療方針に関して議論を行っています。
また高度ながん診療に資するため、治療方針の選択にとって重要な乳癌のホルモンレセプターやハーセプチン感受性検査、悪性リンパ腫の分類やそのほかの腫瘍診断に必須な多種の抗体を用いた免疫染色を行っています。そして近年の医療に必須となった遺伝子診断に対応して、悪性リンパ腫や骨軟部腫瘍、脳腫瘍などの確定診断に必要なFISH法やクローナリティ検索、ならびに腫瘍の遺伝子変異を同定するための分子生物学的な検査も日常的に行っています。
私たちは日本病理学会、日本臨床細胞学会を始めとする各種学会、研究会にも積極的に参加し、診断能力の向上に努めると共に研究活動もおこなっています。近隣の病理医とも連携しており診断困難例のコンサルテーションを相互に行っています。他の医療機関で作成された標本をお持ちいただいてのセカンドオピニオンも可能です。
私たちはがん専門病院の一部門として、患者さんのための診療を全力でサポートいたします。
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伊丹 真紀子(いたみ まきこ) 昭和59年 千葉大学医学部卒
荒木 章伸(あらき あきのぶ) 平成2年 千葉大学医学部卒
川名 秀忠(かわな ひでただ) 平成2年 千葉大学医学部卒
杉山 孝弘(すぎやま たかひろ) 平成10年 横浜市立大学医学部卒
及川 麻理子(おいかわ まりこ) 平成19年 日本大学松戸歯学部卒
牧瀬 尚大(まきせ なおひろ) 平成24年東京大学医学部卒
竹田 直生(たけだ なおき) 令和2年 山梨大学医学部卒