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センター紹介

PET/CT

~PET/CT検査は最新のがん画像診断法です~

最新型のPET/CT装置を平成21年2月2日より稼動いたしました。一回の検査で、ブドウ糖代謝画像と解剖学的画像とを同時に表示させ、がんの診断に威力を発揮します。
検査申し込みは地域医療連携室が窓口となり、予約を行っています。
PET/CT検査申し込みから検査までの流れ(医療機関の皆様へ)

 

PET/CT写真

平成21年2月から稼働した最新型PET/CT装置

PET/CT検査とは?

PET/CTは陽電子断層撮影(PET:PositronEmissionTomography)とコンピュータ断層撮影(CT:ComputedTomography)が一体になった最先端の診断装置です。ブドウ糖に類似したFDG(フルオロデオキシグルコース)の代謝画像をPETで撮像しCTの解剖学的画像を同時に融合表示させることによって、がん診断に威力を発揮します。平成21年2月から千葉県がんセンターで稼動したPET/CTはこれまでのPET/CTに比べ撮像時間が大幅に短縮され(従来は30~40分かかりました)全身のPET撮像を10分~15分で行えるのが最大の特徴です。撮像時間が短いため、患者さんは苦痛なく検査をうけることができます。また、安静にしている時間が短いので体動が少なく画質も大幅に向上します。この最新型のPET/CT装置は、がん診断に威力を発揮することが大いに期待されています。


最新型PET/CT、右図:従来型PET/CT

 

平成21年2月に稼働したPET/CT(左図)では10~15分で全身撮像が可能なのが最大の特徴です。

 

どんな薬剤を使いますか?

PET/CTでは、18F(フッ素18)で標識したFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を注射し検査を行います。
FDGはブドウ糖にとても良く似た薬剤です。がん細胞は増殖するためブドウ糖を大量に摂取しますが、FDGもブドウ糖と同じようにがん細胞に取り込まれます。FDGから放出される微量の放射線をPET/CT装置で検出することによってがんの体内分布を画像化します。

全身PET画像、右図:全身PET/CT画像

 

全身PET/CTを11分で撮像したイメージです。
従来の半分以下の時間で大変明瞭な画像が得られるのが特徴です。

 

PET/CTの長所と短所

長所

たった一回の検査で全身検索し、全身のがん病巣の広がりを調べることができます。CT単独では小さなリンパ節や病巣をどうしても見落としてしまいがちですが、PET/CTでは異常のある部位がはっきり光るため、見落としが少なくなります。治療を開始する前には病巣の広がりや転移の有無を診断することができます。治療が終わってからは、局所再発や遠隔転移の診断に大変役立ちます。 がんの拡がりを診断するだけではなく、がんの活動性もPET/CTで評価することができます。化学療法や放射線治療によってがんの活動性がどれぐらい低下しているかを判定することができます。

短所

胃がん、肺がんの一部、肝臓がんなどのFDGが集積しにくい腫瘍や尿路系の腫瘍(腎臓がん、膀胱がん、前立腺がん)はPET検査を行っても見つけにくいです。また病巣の大きさが5ミリ以下の場合には、検出率が低下します。

保険適応について

平成22年4月1日から診療報酬改定が行われ、PET/CTの適応疾患が「悪性腫瘍(早期胃がんを除く)」に拡大されました。 ただし、すべての腫瘍で「他の検査、画像診断により病期診断、転移、再発の診断が確定できない患者に使用する」と条件がつきますので、確定診断がついていない場合(肺がん疑い、乳がん疑い、大腸がん疑い、膵臓がん疑い、頭頚部がん疑い、転移性肝癌疑い、原発不明がん疑い)では保険適応がありません。

PET/CT検査にあたっての注意事項

  • PET検査にはブドウ糖代謝を利用し、FDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を用います。糖尿病の方、血糖値の高い方では、病巣が検出できない場合がありますので検査の前に血糖値を測定します。また検査前6時間は絶食していただきます。
    ただし、水や砂糖なしのお茶などの飲水は可能です。
    糖分を含むもの(甘い飲み物、スポーツドリンク、牛乳、果物や野菜ジュース、ガム、飴、おやつ類)は禁止です。
    糖尿病の薬(インスリン、内服薬)は服用不可です。
    糖尿病の方は主治医にご相談ください。
    糖尿病以外のお薬は普段通り服用可能です。

  • 検査前日の下剤の服用もお控えください。

  • FDGは筋肉にも良く集積しますので検査前日の激しい運動(水泳、テニス、ゴルフ、野球など)はお控えください。検査当日の軽い運動(ジョギング、ウォーキング等)も控えてください。検査前に大声で話したり長話も行わないでください。

  • 妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査ができませんのでご了承ください。

  • 着替えをしやすい服装でおいでください。

被ばくについて

一回の検査で、患者さんが受ける被ばく量は、12mSv~16mSvですが、PET/CT検査を受けることによって副作用や障害がでることはありません。注射したお薬は翌日までにはほとんど体内から排泄されます。

お願い

FDGから検査担当者が受ける被ばく量は通常の核医学検査(骨シンチなど)の約7倍です。したがって、医療スタッフは患者さんとの接触時間をできるだけ少なくすること、患者さんとの距離を保つことで被ばくを減らす努力をしています。医療スタッフの被ばくを防ぐため、検査に際し介助が必用な患者さん(特に排尿時)や接触時間が長くなるストレッチャーおよび車椅子の患者さんのPET検査の依頼は原則として受け付けておりません。

PET/CT検査申し込みから検査までの流れ(医療機関の皆様へ)