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更新日:令和6(2024)年4月26日

ページ番号:12838

研究内容と研究ライブラリー

研究内容

令和6年度に実施する研究テーマをこちらで御紹介します。

熱処理を用いた金属3Dプリンタ製品への高付加価値化に関する研究

材料技術室
生産技術室

当所の金属3Dプリンタの方式は、材料押出し(MEX(従前の分類はFDM))法を用いたものであり、比較的安価に造形できる方法である。このプリンタを用いて作製した造形・焼結後の製品についてさらに機械的特性の向上をねらい(付加価値を上げるため)、流動層炉により窒素雰囲気中で、熱処理を行い、その熱処理後(析出硬化)の機械的特性の評価を行う。

可視光応答型光触媒コーティングボールの開発(共同研究)

材料技術室

本研究では、ボールミルを用いたメカニカルコーティングによりアルミナボール上にTiをコーティングし、その後、カーボン粉末中で熱処理(即ち還元雰囲気による熱処理)を行い、可視光応答型光触媒ボールを作製する。作製した試料については、表面観察、結晶構造解析、光の吸収特性(バンドギャップ)評価、および光触媒機能の特性評価を行う。これにより作製プロセスと光触媒機能との関係について検討を行う。

ナチュラルチーズ製造への千葉県産発酵食品素材(醤油麹等)の利用検討

食品技術室

本研究は、ナチュラルチーズの熟成工程への千葉県産発酵食品の原料である麹の利用可能性について調査する。麹は醤油、味噌、清酒製造用麹(大豆、小麦及び米麹)を使用する。麹にはタンパク質分解酵素等が含まれることから、チーズの熟成促進効果が期待される一方で、麹菌以外の微生物の存在も考えられる。そこで、タンパク質分解酵素の活性、微生物の菌数及び生乳を模擬したスキムミルク液に麹を作用させた際の乳タンパク質の分解を評価し、熟成を促進させる条件を探る。

機械学習を用いた金属組織写真から硬さの予測

材料技術室

情報科学の成果を材料工学に適用するマテリアルズ・インフォマティクスが提唱されている。近年、機械学習をはじめとする人工知能技術が大きく発展し、様々な分野への適用が行われている。金属組織は焼き入れ、焼き戻し等の熱処理の履歴の情報を含んでおり、金属の性状を議論するうえで有益な情報が含まれている。
本研究では金属組織を機械学習を用い評価するにあたり、金属の硬さの予測することを例にすることとした。機械学習を行う上での前処理手法、学習モデルを取捨選択し、金属硬さの予測精度の変化を調べることを目的とした。

放電プラズマ焼結法を用いた透光性スピネル型酸化物多結晶体の合成及び評価

材料技術室

生産コスト及び環境負荷の低減が可能な放電プラズマ焼結法を用いて、光の吸収源や散乱源となる不純物や欠陥構造等の少ない透光性スピネル酸化物多結晶体を得るための最適条件を探求する。得られた多結晶体はX線回折装置により結晶相を同定した上で、分光光度計で透過率を評価し、走査型電子顕微鏡や電子線マイクロアナライザーで微細構造を把握する。

3Dプリンタによるゴム系材料造形物の気密性調査

生産技術室

3Dプリンタで造形を行ったパッキン部材の気密能力の検証として、造形物の硬さ測定、寸法測定、つぶし量に対する反発力測定、一般的なパッキンであるOリングとの気密能力の比較評価、高温保持した後の圧縮永久ひずみの評価を行う。
また3Dプリンタでは、射出成型や打ち抜きといった既存製法と比較して複雑な形状の作成が可能であることから、3Dプリンタの特性を利用して気密能力等の点で、より有効となるパッキン形状の検討を行う。

顕微赤外分光分析(反射法)における表面粗さの影響調査

化学技術室
生産技術室

赤外顕微鏡の測定手法「顕微反射法」では、リファレンスとして鏡面仕上げのステンレス鋼板が最適だが、鏡面でない素材上の残留成分等の分析が必要な場合もある。その際、本来検出器に導かれる赤外光が拡散され、測定自体が困難となりうる。
本研究では、顕微反射法において、表面状態が測定結果に及ぼす影響の解明を目的とし、各種表面状態のステンレス鋼板の赤外線反射率を測定する

バイオマス資源の新規活用方法の検討と調査

化学技術室

県内で排出されるバイオマス資源の利活用を検討し、利活用が進んでいない未利用バイオマスである梨の剪定枝からセルロースナノファイバー(CNF)の作製を目指す。作製した梨剪定枝由来のCNFを樹脂(ポリプロピレン)と混合し、複合材料を作り、作製した複合材料の強度特性を評価し、強度特性の向上を目指す。他のバイオマス原料からのCNFの作製や樹脂との混合以外のCNFの活用方法、他部署との連携の可能性等について調査、検討を行う。

環境調和材料の高機能化へ向けた基材の開発(共同研究)

材料技術室
生産技術室

光触媒の機能向上を目指し、光を波長領域ごとに有効的に利用するため、可視光透過性のあるアルミナ基材(担体)を開発し、異なる波長吸収領域を持つ光触媒を配置して立体構造とすることを目的に、ナノアルミナ粉末を出発材料として放電プラズマ焼結を行い、最初に焼結温度及び印加圧力による焼結体への影響を調査し、その特性を評価する。その上で昇温速度及び保持時間等を変化させることにより、アルミナ基材の開発を行った後、光触媒機能を付与して光触媒機能の評価を行う。

県内中小企業のデジタル技術活用を後押しする支援システムの開発

生産技術室
企画連携室
材料技術室

ものづくり産業において積極的にDXを推進することが求められることから、一層の技術活用が求められるIoTやAI技術において、収集ニーズの高い指標(環境温湿度、生産数量等)について用途や使用環境に合わせた適切なセンサーを組み込んだ計測モジュールを作成し、検証する。
当該モジュール(キット)を企業の生産現場に適用することにより、企業のデジタル技術活用を後押しし、生産システム向上及び付加価値の高い製品づくり等の支援に役立てる。

カスタム立方体治具の作製

生産技術室

当研究所では、IMV社とエミック社の2機種の振動試験機を所有している。その組合せる立方体治具の試料取付板は、2社の振動試験機メーカーの違いにより、ボルト取付穴のサイズや位置など寸法・形状に互換性がない。そのため、振動試験機の利用者はそれぞれの立方体治具に合わせて試料取付板を作成している。また、2機種を使用して振動試験をする場合には複数の試料取付板を用意する必要があり、振動試験の利便性に制約がある。
そこで振動試験利用の利便性を高めるべく、この調査研究では試料取付板に互換性があり2000ヘルツの高周波数域まで対応する200ミリメートル四方サイズの立方体治具を2機種の振動試験機用に作成する。また、動剛性不足の問題を解消した150ミリメートル四方サイズの立方体治具についても製作する。

味噌の製造工程管理におけるデータの収集と活用について

 食品技術室

味噌製造において麹や発酵の程度を評価する科学的で簡便な手法についての知見は意外にも少ない。そのためか、県内中小規模の味噌醸造所では、醸造管理に係るデータの採集やその活用が十分に機能しているとは言い難い状況である。
本研究では味噌の醸造管理に役立つ科学的で簡便な評価手法を確立することを目標とし、麹の酵素活性の簡易測定法の試行や、pH・酸度等の測定が容易なパラメータを基にした味噌の発酵状態の評価を行う。

研究ライブラリー

過去の研究テーマ等の一覧を閲覧することができます。

お願い

  • 研究内容詳細や、上記以前(千葉県工業試験場、千葉県機械金属試験場)の研究テーマに関しては、企画連携室までお問い合わせください。
  • 研究報告の内容を転載・複製等される場合には、前もって企画連携室へ御連絡の上、利用許諾を得るようお願いします。

お問い合わせ

所属課室:商工労働部産業支援技術研究所企画連携室

電話番号:043-231-4326

ファックス番号:043-233-4861

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