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更新日:令和6(2024)年4月1日

ページ番号:12844

研究ライブラリー(平成20(2008)年度)

  • 本研究報告に掲載されている内容は、平成19(2007)年度の研究実績です。
  • 各報告の研究者所属は、平成19(2007)年度のものです。
  • 研究報告の内容を転載・複製等される場合には、前もって企画連携室へ御連絡の上、利用許諾を得るようお願いします。
    千葉県産業支援技術研究所・企画連携室:電話番号043(231)4326

ロボット応用技術に関する研究
~位置精度向上と適応制御応用~

プロジェクト推進室 石井 源一
情報システム室 城之内 一茂、名和 礼成
ものづくり開発室 新保 栄一
千葉大学大学院工学研究科 野波 健蔵

昨年度試作開発した双腕ロボットをベースに、位置制御の高精度化と適応制御の適用を目指した応用研究を実施した。ハンドに単眼カメラを追加するとともに、各指に力センサーを搭載することで、10ミリメートルのナットの認識とボルト締結における基本動作が確認できた。また、マスタ・スレーブシステムにおける力覚センサーからのフィードバックの検証を行い、把持した物体の認識の有効性を確認した。

環境汚染重金属除去機能を有する磁性粉体の開発

化学環境室 森 文彦、海老原 昇、齊木 みさ

磁力を利用して排水中の重金属を高効率で容易に捕捉し、回収することができる機能性粉体の開発を行った。この粉体はマグネタイトを種結晶とし、液層中でチタンテトラ-n-ブトキシド(TTNB)の加水分解を利用してチタン化合物を表面へ成長させた後、表面にEDTAを化学修飾したものである。この粉体を用いて、水溶液中のカドミウムやインジウム等の金属元素を捕捉・回収できることを確認した。この機能は、排水処理のみならずレアメタルの回収方法として有効と考えられる。

T-RFLP法による複合微生物群集解析方法の開発

バイオ応用室 岡 千寿、飯嶋 直人

食酢製造における、木桶もろみと玄米酢もろみをT-RFLP法により解析した。 木桶もろみは開放系にもかかわらず、極めて純粋培養に近く、A. pasteurianusが主要な菌種であった。一方、玄米酢もろみではA. pasteurianusの他に、L. acetotoleransが発酵の初期から中期にかけて旺盛に活動していることが明らかとなった。さらに、16S-23S ITS領域の塩基配列のわずかな違いを利用して菌株レベルでの解析を行い、玄米酢もろみでは、木桶もろみとは異なるA. pasteurianusの菌株が存在していることがわかった。

1ギガヘルツ以上の放射妨害波測定場としての適正評価

情報システム室 城之内 一茂、名和 礼成

当所簡易電波暗室をFDTD法により解析し、NSA法における水平偏波60メガヘルツ近辺における暗室特性の悪化要因を検討した。この結果、暗室の幅が特性悪化の主要因であることを示した。これを基に、現状の暗室特性に影響を与えずに当所簡易電波暗室を1ギガヘルツ以上での測定場として使用が可能となるような電波吸収体の配置を検討し、FDTD法によりその妥当性を検証した。これにより、SVSWR法における評価基準である6デシベルに収まる電波吸収体の効率的な配置を決定した。

近傍界ノイズ抑制シートの開発

情報システム室 名和 礼成、城之内 一茂
商工労働部産業振興課 足達 幹雄

近年EMC対策部品のひとつとして注目されているノイズ抑制シートの開発を行った。材料として廃材の有効利用の目的もあり、誘電体としての炭素の性質に着目しサンブスギ木炭を選択し、ゴムに種々の割合でサンブスギ木炭を練り込んだサンプルシートを試作した。そして各種測定で評価を行い一定の効果があることを確認した。またサンプルシートとストリップライン治具をモデル化し、材料定数測定から得られたデータを用いて電磁界解析を行い、シミュレーションによる伝送減衰率の解析が有効であることを示した。

千葉県特産食品飲料の認知度向上に関する研究I

ものづくり開発室 岡村 成将

千葉県特産食品飲料の認知度向上を図るため、本研究で県産品の新しい改良モデルを開発し、提案するものである。今年度は製品開発にあたってのコンセプトを作成するために、各種調査を行った。はじめに、全国的な地域ブランドに関する動向及び制度の概要、他都道府県の代表的産品を調べ、全国的な地域ブランドの背景を探った。次に、本県の特産品に関する地域資源を選出するにあたり、本県に関し認知度の高い項目及び本県の農産物、水産物、加工品・飲料の特徴を調べることで、本県特産品の全国的位置付けを明確にした。これらの知見により、本県特産食品飲料の更なる認知度向上を図るための課題をまとめた。

精密測定の信頼性技術に関する研究

ものづくり開発室 新保 栄一
情報システム室 山畑 利行

標準ブロックゲージを基準にULM600型万能横型測長機の校正の不確かさについて検討した。その結果、当研究所の精密測定室の環境において、測長機の校正の合成標準不確かさはUc=315ナノメートル、拡張不確かさU=629ナノメートル、測定者個人による標準不確かさはUc=270から334ナノメートルで拡張不確かさU=570から693ナノメートルであった。

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の電解質材料の開発

素材開発室 石川 宏美、吉田 浩之

放電プラズマ焼結法を用いてCe0.8Y0.2O1.9の焼結を試みた結果、荷重30.8キロニュートン、焼結温度1173Kで保持時間3分により焼結体が作製できた。焼結温度のみを1373Kまで上昇させると焼結体は、温度が高くなるほど素材粉末の白色からより濃い黒色へと着色した。一方、焼結温度1173Kで焼結時間のみを長くした場合は、焼結体の外観色に大きな変化は見られなかった。

複合材料の適用技術に関する研究
~複合材料の信頼性評価手法の開発その1~

素材開発室 西川 康博、長瀬 尚樹、福島 清

落花生殻とPVA樹脂を用いた落花生殻パーティクルボード(PHPボード)を開発した。また、この材料の曲げ特性、吸水特性および熱伝導特性を評価し、落花生殻粒子径がこれらの特性に及ぼす影響について検討した。PHPボードの曲げ特性を最大にする最適な落花生殻粒子(本研究では目開き1.4ミリメートルの篩を通過し、1ミリメートルの篩に残った粒子)径が存在した。PHPボードの24時間後の吸水率は、落花生殻粒子径によらず一定であった。一方、厚さ膨張率は落花生殻粒子径が大きくなるほど高くなった。空洞体積含有率が同じであるため、落花生殻粒子径によらず、PHPボードの熱伝導率は一定であった。また、PHPボードはヒノキと同程度の熱伝導率を有した。

複合材料の適用技術に関する研究
~複合材料の信頼性評価手法の開発その2~

素材開発室 長瀬 尚樹、西川 康博、福島 清

CFRPは比強度・比剛性や耐食性等の優れた特徴を有しているため、航空宇宙分野をはじめ、産業機器への適用が進んでいる。将来、複合材料の適用が広がれば、様々な環境で使用されることが考えられるため、研究では低コストで成形できる常温硬化エポキシ樹脂を用いてCFRP試験片の作製を行い、50℃及び70℃の恒温水槽に試験片を入れて吸水試験の実施により温度と時間による吸水率を測定した。また、任意の時間ごとに試験片を取出し、曲げ試験を行った。未浸漬の試験片と比較して50℃では889時間程度浸漬しても曲げ強度の低下は認められなかったが70℃においては浸漬時間増加に従い大きく低下し、試験片の損傷面積も拡大することがわかった。

チタニアによる環境調和型新機能性材料の開発
~焼結温度による光触媒活性への影響~

素材開発室 吉田 浩之、石川 宏美
化学環境室 小高 健二

チタニアを放電プラズマ焼結法により焼結し、分光光度計によるバンドギャップ、SEMによる断面組織観察、硬度計によるビッカース硬さ、メチレンブルーによる脱色特性について調査・検討した。その結果、焼結温度973Kの条件で作製した焼結体が最も高い脱色特性を示した。

お問い合わせ

所属課室:商工労働部産業支援技術研究所企画連携室

電話番号:043-231-4326

ファックス番号:043-233-4861

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