輸血療法部
輸血療法部のご案内
安全で適正な輸血医療を推進する目的で1998年に輸血療法科が設置され、2017年4月に輸血療法部として中央部門に独立しました。
当部は、輸血療法部長、専従・専任臨床検査技師3名(うち学会認定輸血検査技師2名)、事務クラーク1名で構成され、外来診療部門看護師および臨床工学科と協力し業務を行っています。
主な業務は、輸血関連検査、輸血管理業務、自己血輸血関連業務、移植関連業務などです。輸血療法部では2006年度より全自動輸血検査システムとコンピュータクロスマッチを採用しており、人為的ミスを極力排除し不適合輸血による事故を起こさないように細心の注意を払っています。あらかじめ患者さんの血液型検査と不規則抗体スクリーニングを行い、臨床的に問題となる抗体が検出されない場合には交差適合試験を省略し、コンピュータを用いてABO血液型の適合性を確認することで、迅速に適合血液製剤を準備することができています。
また、臨床検査技師による輸血検査および製剤管理を24時間体制で実施し、院内すべての血液製剤をコンピュータ管理することで安全確保に努めています。
悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、一部の固形腫瘍に対する自家末梢血幹細胞移植に際しては、幹細胞採取の介助、凍結保存、移植実施時の払い出し、等の管理を行っています。
当院は日本輸血・細胞治療学会の認定臨床輸血看護師制度指定施設、認定輸血検査技師制度指定施設であり、2021年には日本輸血・細胞治療学会のI&A(輸血機能評価)更新認定を受けています。また、血漿分画製剤の一元管理および輸血製剤の適正使用を推進し、輸血管理料I・適正使用加算を取得しています。臨床検査の国際規格であるISO15189に関しては、臨床検査部・臨床病理部・遺伝子診断部と合同で2022年3月に認定を取得することができました。
輸血療法部では、これからも厚生労働省の発行する輸血に関するガイドラインを遵守し、安全で質の高い輸血医療の提供を目指します。
業務内容
1.輸血関連検査
・血液型検査
・不規則抗体検査および不規則抗体同定検査
・交差適合試験
・その他(亜型検査、抗体価測定など)
2.輸血管理業務
・輸血用血液製剤の血液センターへの発注
・輸血用血液製剤の保管、管理、供給
・血漿分画製剤の管理、供給
・輸血用血液製剤の洗浄
・輸血遡及調査のための輸血前検体保管
・輸血副反応調査、輸血歴および輸血検査歴の保管、管理
3.自己血輸血関連業務
・貯血式自己血の採血、保管、管理、供給
・自己フィブリン糊の作製
4.移植関連業務
・末梢血幹細胞の凍結保存、管理、供給
5.その他
・腹水濾過濃縮再静注
輸血統計
製剤別使用量
製剤種別毎の使用量の推移
製剤種別 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
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赤血球製剤 [単位] | 3008 | 2896 | 2635 | 3012 | 2836 |
血小板製剤[単位] | 3180 | 4610 | 4010 | 5380 | 3490 |
新鮮凍結血漿[単位] | 208 | 338 | 328 | 380 | 264 |
献血アルブミン20%20ml | 29本 | 36本 | 48本 | 44本 | 41本 |
献血アルブミン20%50ml | 420本 | 355本 | 319本 | 239本 | 289本 |
献血アルブミネート4.4% 250ml | 294本 | 369本 | 312本 | 363本 | 341本 |
FFP/RCC比* | 0.06 | 0.13 | 0.15 | 0.10 | 0.08 |
アルブミン/RCC比* | 0.86 | 0.89 | 0.77 | 0.84 | 0.7 |
細胞処理件数
処理項目毎の件数の推移
処理項目 | 2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 |
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末梢血幹細胞採取 | 8 | 11 | 14 | 16 | 14 |
自己血採取 | 18 | 24 | 21 | 18 | 33 |
血小板洗浄 | 0 | 10 | 0 | 0 | 0 |
RBC洗浄 | 0 | 0 | 0 | 3 | 1 |
自己MAP作成 | 18 | 23 | 21 | 18 | 33 |
自己フィブリン糊作成 | 18 | 19 | 21 | 18 | 33 |
腹水濃縮濾過再静注 | 18 | 27 | 20 | 16 | 4 |