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更新日:令和3(2021)年6月1日

リハビリテーション科

リハビリテーション科のご案内

我が国において、高齢化が進むなか、がんを患う方々は年々増加傾向になっています。医療の進歩により死亡率は減少しましたが、一方で闘病を続ける方々が増える結果となりました。その闘病しながら生活を継続する方々を支えるため、昨今、リハビリテーションの存在が注目されています。

がん治療にとってリハビリテーションは、発見当初から闘病中を通して行うことが有効です。手術、がん薬物療法、放射線療法などの治療前後のみならず、進行した状態や緩和医療の場合でも、個々それぞれの趣向を尊重し、気分転換を図りながら体力や活動を維持することが必要です。

リハビリテーション科では、入院治療中の方々を中心に、整形外科領域、脳外科領域、頭頚科(耳鼻科)領域などのがんの影響により損失した機能の回復や代償手段の獲得、消化器領域、呼吸器領域などの治療前後の体力維持や呼吸機能維持を行っています。また、治療を終え退院したあとの生活が維持できることを目的として機能回復と日常生活能力の維持も行っています。

当科には2021年現在、理学療法士が3名、作業療法士1名、言語聴覚士1名、マッサージ師が1名在籍しています。2010年度から実施されている「がんのリハビリテーション研修」を受講し、毎年研鑽を積みながら、がん患者さんに対して質の高いリハビリテーションが提供できるよう取り組んでいます。

がんリハビリテーションは予防的、回復的、維持的、緩和的リハビリテーションの4つに区分されますが、その中でも特にその方の人生に寄り添い、充実した生活の支援につながる、QOLの向上と維持を目標に、各段階に応じた介入を心がけています。

 

理学療法

理学療法では、骨軟部腫瘍、脳腫瘍、消化器がんなどの周術期、化学療法、放射線療法などによる身体機能の低下、骨転移や様々な治療経過によって生じた廃用症候群などの症状に対し、介入を行っています。具体的には、患者さんの身体症状に合わせて関節可動域運動、筋力強化運動、起き上がり・立ち上がり・移乗動作などの基本動作練習、立位歩行練習などを行います。また骨転移のある患者さんには、痛みを和らげる体の動かし方の工夫、転移のある骨に負担のかからない歩き方・歩行補助具の提案などを行っています。

作業療法

作業療法では、骨軟部組織腫瘍、脳腫瘍、その他さまざまながんの治療中に生じた上肢機能の問題や日常生活動作の制限に対応しています。早期離床支援、心身機能向上、日々の生活に向けて食事やトイレ、更衣など身の回りのことができるよう動作練習や自助具・福祉用具の紹介、環境調整を行う在宅生活復帰支援、対象者の社会的役割の再獲得を目指す社会参加支援に加え、具体的なホームプログラムの提案による自己管理指導を行います。また、がんを持つ人の心理・精神機能の側面を考慮し、趣味活動や創作活動を用いながら、入院中の心理的負担を軽減、自分らしく生きていくことを支援し、QOL向上を図っています。

言語聴覚療法

言語聴覚療法では、コミュニケーション活動や摂食嚥下機能に生じた機能障害に対する評価や訓練と併行して、「その人らしさを続けること」をモットーにQOLを考慮した生活指導、復職(復学)支援、環境調整などを行っています。

<1>高次脳機能

脳腫瘍をはじめとする脳への侵襲によって出現する、言語障害(失語症)、注意障害、記憶障害、遂行機能障害、視覚や聴覚などに生じる認知機能障害などの高次脳機能障害に対して支援しています。

<2>コミュニケーション能力

聞く、話す、読む、書く、計算するなどの音声や文字を使ったことばのやり取りが障害された失語症、がんの治療に伴い声を出すために必要な呼吸機能(肺、気道、喉頭など)や発語機能(口、舌、咽頭など)が障害された音声障害や構音障害に対して支援しています。

<3>摂食嚥下機能

食べ物を認識する、食べる準備をする、嚙む、飲み込むまでの一連の動作を協調しながら統合して行う摂食嚥下機能障害に対して支援しています。

マッサージ療法

2008年度より予防的・緩和的リハビリテーションを主たる目的として医師の指示の元にQOLの向上や維持、また充実した生活を支援するよう心がけています。

マッサージ療法は現在主にベッドサイドにて実施しています。

また、闘病中に出現する浮腫や痺れ、疼痛や関節拘縮など、肉体的・精神的な症状に応じたアプローチを出来るよう心がけています。

音楽療法

音楽療法は、治療を受ける方々の療養環境の改善に努め、音楽を用いて心と体のリラクゼーションを図っています。患者さんやご家族の心の休息や感情の交流、共有をサポートしていきます。

 医師のご紹介

リハビリテーション科部長

 

萩原 洋子(はぎわら ようこ)  平成12年 東京女子医科大学卒

指導医、専門医、認定医など:

  • 日本整形外科学会 専門医

  • 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医

  • 日本整形外科学会認定 骨・軟部腫瘍医
  • 義肢装具等適合判定医

専門分野/得意分野:

  • 専門は 骨・軟部腫瘍、癌の骨転移