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更新日:平成29(2017)年9月27日

遺伝子診療科

診療科の紹介

遺伝子診断部では、「遺伝子診断」と「遺伝外来」を実施しています。臨床遺伝指導医1名と、遺伝子解析を担当する臨床検査技師等5名、外来診療を担当する認定遺伝カウンセラー2名が業務にあたっています。診療内容により、保険診療、先進医療、自費診療の場合があります。

1.「遺伝子診断」について(表1)

体細胞変異解析では病型診断や抗がん剤・放射線の感受性判定を、生殖細胞系列の変異解析では家族性腫瘍の確定診断を行っています。検体は新鮮・凍結標本が理想ですが、ホルマリン固定パラフィン包埋検体でも、実施可能な遺伝子解析が増えています。近隣医療機関の検体での診断も行っています。すべての診断はダブルチェックをしています。また、委託先がない遺伝子検査であっても、診療上の必要性に応じて新たな検査を作ることができる場合もあり、先進医療の認可を得たものもあります。どうぞお気軽にご相談ください。

2.「遺伝外来」について

家族性腫瘍は癌の5~10%を占め、患者さんには表2に示すような特徴が認められます。近年、家族性腫瘍の原因遺伝子に変異を持つ癌に対する治療薬の開発が進んだため、乳癌や大腸癌などを中心に遺伝性のスクリーニングが広く実施されるようになりました。家族性腫瘍が疑われた患者さんは、「どうして若いころから何度も癌になるのか、子どもも同じ癌になるのか、早期発見のための検診や予防的治療はあるか、子どもの検査はできるのか」などさまざまな心配を抱えています。当科では、おひとり1時間のゆったりとした診療枠のなかで、詳細な家族歴聴取に基づく遺伝形式の推定を行い、想定される腫瘍症候群の臨床経過・検診・予防的治療に関する情報を提供し、患者さんとご家族が自らの希望する医療を選択できるよう遺伝カウンセリング・遺伝学的検査を実施しています。遺伝性乳癌卵巣癌症候群、リンチ症候群、リ・フラウメニ症候群、ポイツ・イエガース症候群、家族性大腸腺腫症、多発性内分泌腫瘍症、バート・ホッグ・デュベ症候群など200名を越える家族性腫瘍患者さんとご家族がこれまでに来院しています。

 表1)遺伝子診断項目一覧

【体細胞】

対象となる疾患

EGFR変異

肺癌

HER2増幅

乳癌、胃癌

KRAS変異

大腸癌

c-KIT変異

消化管間質腫瘍

SYT-SSX1/2転座

滑膜肉腫

BRAF変異

悪性黒色腫、大腸癌

MGMTメチル化

脳腫瘍

1番染色体短腕/19番染色体長腕欠失

脳腫瘍

IDH-1/2変異

脳腫瘍

EML4-ALK、KIF5B-ALK転座

肺癌

【生殖細胞系列関連】

 

マイクロサテライト不安定性

リンチ症候群

MLH1、MSH2、MSH6、PMS2変異

リンチ症候群

BRCA1/2変異

遺伝性乳癌卵巣癌症候群

TP53変異

リ・フラウメニ症候群

APC変異

家族性大腸腺腫症

PTEN変異

カウデン症候群

MEN1、RET変異

多発性内分泌腫瘍症

STK11変異

ポイツ・イエガース症候群

 表2)家族性腫瘍の特徴

  • 家族に同じがんになった人が複数いる
  • 50歳未満の年齢でがんになった
  • 複数のがん・腫瘍に罹患した

遺伝子検査1

遺伝子検査の様子

遺伝子外来

外来診療の様子