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更新日:平成30(2018)年8月1日

外来化学療法科

外来化学療法科のご案内

化学療法科集合写真

がん化学療法は、最近のがん診療の中で最も目覚しい進歩を遂げている分野のひとつです。分子標的薬をはじめとした新規薬剤が次々と開発され、治療成績は年々向上しています。同時に、支持療法の進歩や医療制度の変動も重なり、化学療法の多くは外来で実施されるようになりました。そのため、普段通りの生活をご自宅で送りながら、治療を続けている患者さんが増えています。

 当院の通院化学療法室は35床の専用ベッドを有しており、2018年度には13,000件以上の治療を実施しました(図1)。これは、全国的に見てもトップレベルの規模といえます。対象疾患はほぼ全臓器・領域に及びますが、消化器がんと乳がんの割合が多いのが特徴です(図2)。また、これとは別に、前立腺がんや乳がんに対する内分泌薬の注射など、専門的な管理を必要とする治療も多数行っています。

 質の高い化学療法は、職種の枠を越えたチーム医療の上に成り立ちます。時間に制約がある外来治療を安全かつ効率的に行い、さらに副作用・合併症を最小限に抑えられるよう、スタッフが一丸となって努力を続けています。

 

治療実績

 

対象疾患

治療レジメンと支持療法の中央管理

各診療科から提出された治療案(レジメンと言います)は、専門的な知識と経験を持つ医師、薬剤師、看護師で構成される委員会で審査されます。当院では、薬剤の投与量や投与方法はもちろん、副作用を軽くするための支持療法も全てこのチームで決定する中央管理方式を取っています。そのため、常に最良の投与法を保つことができます。また、安全管理の視点も重視しており、問題を発見した場合には速やかにレジメンの修正を行います。ここで威力を発揮するのが、電子カルテです。化学療法を管理する専用アプリを駆使することにより、誤った投与量やスケジュールで治療を行えない仕組みを整えました。また、最新の患者さん情報をいつでも得られる電子カルテの特性を活かして、何重ものチェック体制を整えました。誤投薬を防ぐためには、バーコードによる薬剤管理と患者認証を徹底しています。

副作用を最小限にするために

 がん化学療法中には、一定の確率で副作用が出現します。それが許容範囲を超えると、高い治療効果を得ながらの中断、あるいは生活の質低下につながります。私たちはこれを病院全体の問題と考え、組織的に対応しています。通院化学療法室には、全ての診療科から患者が集まってきます。この中央部門としての特性を利用し、十分な時間をかけての患者指導、あるいは副作用のモニターを行っています。ここで収集したデータを丁寧に解析し、より優れた支持療法の開発につなげています。このような積み重ねにより、多岐にわたる副作用の克服に成功しています。

新規抗がん剤への対応と今後の課題

 近年、新規抗がん剤が次々と開発されています。私達はこれらをいち早く取り入れ、承認間もない薬剤の新規導入はもちろん、多数の治験にも参加しています。ただし、分子標的薬をはじめとしたこれら薬剤の中には、これまで経験したことのない副作用や合併症をもたらすものもあります。中には致死的となる危険なものも含まれており、十分な準備と細やかな管理が必要です。私達はこれらに即座に対応できる水準を維持しながら、適切な投与法や支持療法を絶え間なく研究しています。

医師のご紹介

外来化学療法科部長

 

辻村 秀樹(つじむら ひでき) 平成3年 岐阜大学医学部卒

指導医、専門医、認定医など:

  • 日本内科学会 認定内科医・指導医
  • 日本血液学会 血液専門医・指導医、評議員
  • 日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医・指導医
  • 日本骨髄腫学会代議員

専門分野/得意分野:

  • 専門は造血器腫瘍 がん化学療法全般