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研究室

予防疫学研究部

予防疫学研究部挨拶

 

当研究部は健康福祉部が1975年以来実施する千葉県がん登録事業の登録室を受託し、地域がん登録と院内がん登録の連携によってがん登録の精度を高めてきました。そして、2016年1月より全国がん登録が始まりました。全国レベルの高い登録精度を元に、がん対策の指標となる情報発信等に努めております。研究の柱は千葉県がん登録の活用と臨床疫学研究の推進です。2005年以来、全国の予防医学に関わる研究機関と協同して日本多施設共同コーホート研究(J-MICC研究)に参加しています。J-MICC研究では追跡調査を実施し、体質診断に基づいて個別化された予防法を開発していきます。また、がんのリスクスクリーニング検査であるメタロバランス法に関する研究や、他の部室と連携して、県民の健康作りに役立つ研究の基盤となるゲノムコホート研究を進めています。さらに、がんセンターでは、病院と研究所が併設されているため、研究所だけでなく、病院の医療従事者とも連携して臨床研究を推進することが可能です。私たちはこの有益な環境を最大限に活用し、がんに関する臨床研究を積極的に進めてまいりたいと考えております。

 

メンバー

室長 道端 伸明
主任上席研究員 中村 洋子

プロジェクト紹介

日本多施設共同コーホート研究

(担当:道端 伸明、中村 洋子)

 

人々の健康状況を20年にわたって追跡し、どのような人がどのような環境の下で、どのような病気になりやすいかを調べるプロジェクトとして日本多施設共同コーホート研究が2005年より開始されています。がん予防センター(予防疫学研究部)では、2006年よりこのプロジェクトの千葉地区の調査を開始しました。約8,100名を対象に第一次調査として同意に基づいた血液検体の収集および健康状態の調査を行い現在18年目となります。その間第二次調査も実施しています。毎年追跡調査を実施し、体質診断に基づいて個別化された予防法やがんリスクマーカーの開発を目指しています。また、他の部室と連携して、県民の健康作りに役立つ研究の基盤となるゲノムコホート研究を進めています。その中でがんに関係した興味深い遺伝子を見出しその解析を行っています。

 

がんの生存率

(担当:中村 洋子)

 

全国のがん診療専門施設で作る「全国がんセンター協議会(全がん協)」の生存率(5年生存率、10年生存率)の集計を実施しています。全がん協加盟32施設を対象とした研究班調査を通じて、日本のがん診療の中核施設における生存率データに基づき、Web上に生存率集計システム(KapWeb)を公開しています。これまでの5年生存率に加えて、より長期の10年生存率の集計ができるようにがん10年相対生存率を公開しがん患者さん含め多くの方に利用されています。また、より長期の経過をたどる乳がんや非消化器がんの患者さんのために、再発を含めて経過観察の必要性を知っていただくことにもなりました。さらに、診断から一定年数後生存している患者さん(サバイバー)の、その後の生存率をサバイバー生存率といいますが、より希望の持てる生存率(サバイバー生存率)も算出することができます。データ更新、より良いシステムの構築を行なってきました。

KapWebのHP紹介

 

がん登録事業

(担当:道端 伸明、中村 洋子)

 

がん予防センター(予防疫学研究部)では、千葉県健康福祉部が1975年以来実施する千葉県がん登録事業を「千葉県がん登録室」として年間約70,000件のがん情報をがん登録における個人情報保護法に基づき登録しています。集計したがん統計は千葉県がん登録事業報告書を通じて県民に公開しています。また、がん対策推進基本計画等にも活用されています。2016年1月より全国がん登録事業が開始され、全国レベルでのがん登録の推進及びデータ精度が向上しています。がんの登録精度を表すDCO (Death Certificate Only) %(全症例に対する死亡情報のみでの登録の割合)の国際的水準は10%以下ですが、千葉県の2019年次確定データからのDCO%は1.6%で登録の精度が高いことが分かります。より高い登録精度やがん対策の指標となる情報発信等に努めております。

千葉県がん登録年次別登録状況

 

最近の主な業績

  1. Kusakabe M, Sato M, Nakamura Y, Mikami H, Lin J, Nagase H. Elemental analysis by Metallobalance provides a complementary support layer over existing blood biochemistry panel-based cancer risk assessment. PeerJ. 2021;9:e12247.
  2. Lin J, Nakamura Y, Mikami H, Kusakabe M, Saruki N, Wakao F, Nagase H. Matters of data openness and KapWeb, a web tool of multi-cancer survival analysis for cancer survivors. Cancer Sci. 2021 May;112(5):2060-2.
  3. Naoyuki Okamoto, Haruo Mikami, Yohko Nakamura, Miho Kusakabe, Naohito Yamamoto, Nobuhiro Takiguchi, Yoshihiro Nabeya, Hiroaki Soda, Satoshi Fukasawa Takeshi Kishida, Manabu Shiozawa, Akira Yoshida, Takuya Shimizu, Shunsuke Fujimoto, Mitsuhiro Ueda, Seiichi Inagaki Yohei Miyagi, Hiroki Nagase, A Nobel Multivariate Index for Cancer Risk Detection Based On the Serum Trace Elements: Metallo-Balance Method. Journal of Cancer Epidemiology and Prevention. 5(1): 2020.
  4. Mikami H, Kimura O, Yamamoto H, Kikuchi S, Nakamura Y, Ando T, Yamakado M. A multicentre clinical validation of AminoIndex Cancer Screening (AICS). Sci. Rep. 9(1):13831. 2019.
  5. Nakatochi M, Nakamura Y, Mikami H, Matsuo H, et al., Genome-wide meta-analysis identifies multiple novel loci associated with serum uric acid levels in Japanese individuals. Commun Biol. 8;2:115. 2019.
  6. Nishiyama T, Nakamura Y, Mikami H, Suzuki S, et al., Genome-wide association meta-analysis and Mendelian randomization analysis confirm ALDH2 influencing on sleep duration in the Japanese population. Sleep. 42(6). pii: zsz046 2019.
  7. Shimanoe C, Mikami H, Nakamura Y, Wakai K, et al., A genome-wide association study of coping behaviors suggests FBXO45 is associated with emotional expression. Genes Brain Behav. 18(2):e12481 2019.
  8. Ando K, Nakamura Y, Nagase H, Nakagawara A, Koshinaga T, Wada S, Makishima M. Co-Inhibition of the DNA Damage Response and CHK1 Enhances Apoptosis of Neuroblastoma Cells. Int J Mol Sci. 20(15). 2019.
  9. Islam MS, Takano R, Yokochi T, Akter J, Nakamura Y, Nakagawara A, Tatsumi Y. Programmed expression of pro-apoptotic BMCC1 during apoptosis, triggered by DNA damage in neuroblastoma cells. BMC Cancer. 19(1):542. 2019.

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