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更新日:平成30(2018)年7月27日

IMRT(強度変調放射線治療)

強度変調放射線治療(IMRT)について

IMRTは腫瘍の形に合わせて高線量を照射し、同時に腫瘍周囲の正常な組織への余計な線量を減らすことができます。当センターでは、主に脳腫瘍、頭頚部がん、前立腺がんに対してIMRTを行っています。

脳腫瘍、特に神経膠芽腫(GBM)ではIMRTが非常に有用です。診断確定後のGBMの生存期間中央値は6-12ヶ月ですが、当センターでは生存期間中央値37ヶ月が得られています。IMRTを用いて腫瘍密度の高い領域に限局した高線量照射および腫瘍密度の低い領域への低線量照射をを同時に行います。

頭頚部がんの放射線治療では以前から治療後の口腔乾燥が問題でした。これに対し、IMRTを用いて唾液腺にあたる放射線量を減らすことで治療後1-2年での唾液分泌機能の改善がみられるようになりました。また、上顎洞がんなどの副鼻腔の腫瘍の放射線治療では、IMRTにより視力温存が可能となる患者さんが増えてきております。

前立腺がんのIMRTでは、照射位置の精度を向上させるため、あらかじめ埋め込ませて頂く前立腺内の金マーカを用いて位置を合わせます。この技術とIMRTを組み合わせることにより、直腸からの出血の頻度を抑えながら高線量を照射できます。治療成績は、中リスク群の5年と10年のPSA無再発生存率がそれぞれ92%と89%、高リスク群では83%と66%と良好です。直腸出血(Grade2)の頻度も1%未満に抑えられています。

最近では、IMRTの進化形であるVMAT(強度変調回転放射線治療)が主流です。現在、当センターのIMRTは全てこのVMATで行っています。

 

神経膠芽腫

 

神経膠芽腫(GBM)のIMRT

赤い領域は高線量を照射しています。黄から緑の領域は低線量を照射しています。

腫瘍に近い眼球や水晶体の線量を低く抑えています。

 

 

 

 

 

頭頸部がん

頭頚部がんのIMRT

赤い領域は高線量を照射しています。黄から緑の領域は低線量を照射しています。

腫瘍に接する耳下腺(矢印のところ。唾液腺のひとつ)の一部の線量を低く抑えています。

 

 

 

前立腺がん

前立腺がんのIMRT

赤い領域の前立腺と精嚢に高線量を照射しています。

腫瘍に接する直腸や膀胱の線量を低く抑えています。