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更新日:平成27(2015)年12月1日

「魂のBCMと呼ばれる理由」(第2回)

BCP(business continuity plan事業継続計画)とは、大震災・風水害・感染症等の緊急事態発生時に、損害を最小限にとどめつつ、事業継続・早期復興ができるよう、平常時に行うべき活動や緊急時における対応方法・手段等を決めておく計画のことです。そして、事業継続の取組をBCM(business continuity management事業継続マネジメント)と言います。
今回、千葉県旭市に工場を持ち、東日本大震災の経験を活かしてBCPを策定し、東京都の「BCP策定最優秀賞」も受賞された大成ファインケミカル株式会社の稲生代表取締役社長から、危機管理産業展2015にて講演された事業継続の取組内容を、特別にコラムとしてまとめてくださったものを掲載します。

第2回:東日本大震災の経験と、具体的な取組

大成ファインケミカル稲生社長

 

大成ファインケミカル株式会社代表取締役社長
稲生豊人

 


(1)震災当時の状況

日本大震災の発生時は本当に大変でした。停電で異常反応による危険回避や安否の確認ができません。そんな騒ぎの中、地震の数日後に九十九里の海岸を見たとき、私は美しいと感じました。しかし、従業員の娘さんは、怖くて海を見られないと言いました。それを聞いて、自分は何と人の心に寄り添えていないのかと思いました。車を出すから手伝ってほしいと言われて手伝いに行くと、家が海の中に浸かっているような状況です。

こういう状況では、従業員が出勤するのは無理だと痛感しました。でも、社長としては、その中でどう事業を継続するかを考えなくてはなりません。緊急事態が発生したときに、現場のリーダーがいなくても事業が回るようにすることが大事なのです。

(2)現場の尊重

また、当社は化学薬品の反応系の現場がありますが、そこがきちんと制御できなくなると、爆発などの二次災害を生むことになります。震災の影響で電力供給も不安定になり、一度は事業を停止せざるを得ませんでした。

その事業の再開は、現場の判断で決断しました。二次災害の危険だけでなく、従業員の生活が戻っていないことや気持ちを考えると、再開しようとは言えず、あえて再開しない決断をしました。しかし、しばらくしたら従業員から「できます」と言ってきてくれて、事業を再開することができました。現場の従業員の判断を大切にすることで、現場の人たちも一生懸命やってくれています。

(3)事業継続の取組紹介

現場に浸透したことで、取組は劇的に進みました。コンサルの指導も受けBCPを策定しました。現在当社が行っている事業継続の取組を紹介します。

<1>BCPファイル

まずは「BCPファイル」です。社外秘の機密情報を入れたファイルで、従業員の居住地を地図上に落したものや、取引先、仕入先、メンテ先などが記載されています。役員が自宅と会社に1冊ずつ持っていて、何かあった時に生き残った役員がそのファイルで対応する予定です。この貴重なデータは、社長一人では作れません。現場の協力で作成してもらい、年1回見直しをしています。

<2>安否確認システム、給水サーバー

また、災害時の安否確認システムも導入しました。これは、単に安否確認機能だけでなく、アンケート機能も付け、従業員の声を拾える一石二鳥の取組にしています。通常は、来客用の給水サーバーも緊急時には従業員用の給水サーバーとしても活用できるようにしました。何が言いたいかというと、事業継続のためだけでなく、一粒で二度おいしくすることで、中小企業でも取組ができるのです。

<3>耐震対策

什器の転倒防止など耐震対策も実施しています。また、工場の反応系では、反応炉の上に反応を停止する薬剤を置いておき、電力喪失により制御できなくなった時でも、従業員がスイッチ一つで薬剤を投入して反応を止められるようにしています。これは、従業員の発案です。溶剤が地下を汚染しないように漏えいの防止対策もいました。

<4>情報管理

社内データも、空調管理や人件費などコストがかかる自前のデータセンターをやめて、外部委託し、千葉と九州でデータを管理することとしました。

<5>事業継続訓練

事業継続の訓練は、現場の従業員が主体的に取り組めるよう、課題解決型の実践訓練を行っています。被災を想定した問題を作ってグループで検討するもので、この訓練により、解決すべき課題も明らかになってきます。

<6>BCPルームを持つ管理棟

さらに、旭に建設した管理棟は、震度6に耐えられる建物にしました。3階にはBCPルームを設け、津波があったときに従業員が寝泊まりできるように水や食料や毛布も完備しています。

<7>BCPフレンドシップ協定

また、当社と、当社のBCP策定を指導してくださったニュートン・コンサルティング株式会社、同社の指導を受けた株式会社生出の3者で「BCPフレンドシップ協定」外部サイトへのリンクを締結しました。事業地もある程度離れているので、何かあった時に互いに助け合うことはもちろん、平常時も改善活動の共有、交流を行っていきます。

次回は、「事業継続の秘訣と、取組の活用」そして「スペシャルおまけ」を、掲載します。

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