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更新日:平成29(2017)年3月8日

東日本大震災を忘れない!事例から学ぶBCP(事業継続計画)策定のノウハウ(第2回)

BCP(事業継続計画)とは、大震災・風水害・感染症等の緊急事態発生時に、損害を最小限にとどめつつ、事業継続・早期復興ができるよう、平常時に行うべき活動や緊急時における対応方法・手段等を決めておく計画のことです。
このBCPに関して、(公財)千葉県産業振興センターが発行するメルマガ「千葉県産業情報ヘッドライン」で連載したコラムを掲載します。

第2回:BCP未策定で混乱したケース

浅野睦さん顔写真一般財団法人リスクマネジメント協会理事
株式会社フォーサイツコンサルティング代表取締役社長

浅野睦

 

前回は、「BCP策定が功を奏したケース」と題して、東日本大震災で壊滅的な被害を受けながらも短期間で事業の復旧を果たした企業の例を紹介した。
今回は、BCPを策定していなかったために必要な行動を組織的にとることができず、現場が混乱してしまった事例を紹介したい。

東北のある県で養鶏や畜産事業者向けに飼料を製造販売している中堅企業A社である。
東日本大震災の際、A社はさほど大きな被害を受けなかったという。
それでも、3月11日当日は、周辺地域のインフラが停止し、電話などの通信がつながらず、業務ができる状態ではなかった。ただ翌週には徐々に事業復旧の見通しがついてきたという。

そこで、従業員が職場に集まり、まずは事業復旧に向けてどういう活動から始めようかと話し合いが行われたのだそうだ。
そこで決まったことは、全従業員で得意先の牧場や養鶏場などを訪問し、自分たちの力で家畜などの世話をしに行こうというものだった。
被災して人手が足りず困っているだろうから、少しでも役に立てればという気持ちで、東北や北関東を中心に手分けをして各地に出向いた。

実際に牧場に行ってみると、人手が足りないだけでなく、燃料なども不足していたため、従業員たちが少しずつ援助するなどして牧場の復旧を手伝ったのだそうだ。

数日が経過した頃、各牧場では家畜飼料の在庫が残り少なくなってきだして、飼料の新規受注をいただくようになった。
被災直後は牧場内の備蓄分を使っていたため、震災後初の受注は通常に比べて多くの受注をいただくこととなった。

各地からの受注が重なったため、大量の生産計画を立てる必要があったが、A社の原材料在庫分では間に合わないことが判明した。

そこで購買担当者は、得意先の牧場の手伝いをやめて原材料の発注業務に戻り、新たな生産に向けての準備に入った。
ところが、購買担当者が資料の原材料事業者に発注の問い合わせをしたところ、飼料の元となる材料がまるっきり集まらないというのだ。
飼料の原材料倉庫は東北の沿岸部に多く点在していて、津波の被害などで原材料が使えなくなってしまったのだ。
他の競合飼料メーカーは、震災後に日本海側や東海、関西地方の原材料倉庫などに調達に走り、日本中から原料をかき集めて対応していたという。
A社は完全に出遅れてしまった。
全国を探してもどうしても集まらない原料があり、得意先である牧場への飼料の供給は不可能となってしまった。

結果的に牧場の備蓄分は枯渇し、家畜の餌が完全に底をついてしまった。
牧場各地で手伝いを継続していた従業員たちは、目の前で徐々にやせ細っていく家畜の世話をすることになってしまったという。
当然、たくさんの牛や豚がやむなく死んでいった。
A社従業員たちは無念でならなかったという。

「私たちが被災後、真っ先にしなくてはならなかったのは、牧場に行って手伝うことではなく、全国各地を飛び回って飼料の原材料をかき集めることだった」

「BCPの発想があれば少なくとも初動が違っていたはずだ」

「少しでもシミュレーションを行っておけば、こんなことにはならなかった」

と、従業員たちは口々に語った。
もちろん、現在はA社でもBCPがつくられ、東日本大震災の教訓を活かして訓練や演習も行い、従業員の一人ひとりがとるべき行動を認識している。

A社の従業員たちは「私たちのようなことにはならないよう、各企業では最低限『事業継続を脅かす要因の洗い出し』を行う必要があると思う」と力説している。

千葉県産業情報ヘッドラインから転載(第498号2014年10月30日発行)

 

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