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更新日:平成29(2017)年3月8日

東日本大震災を忘れない!事例から学ぶBCP(事業継続計画)策定のノウハウ(第1回)

BCP(事業継続計画)とは、大震災・風水害・感染症等の緊急事態発生時に、損害を最小限にとどめつつ、事業継続・早期復興ができるよう、平常時に行うべき活動や緊急時における対応方法・手段等を決めておく計画のことです。
このBCPに関して、(公財)千葉県産業振興センターが発行するメルマガ「千葉県産業情報ヘッドライン」で連載したコラムを掲載します。

第1回:BCP策定が功を奏したケース

浅野睦さん顔写真一般財団法人リスクマネジメント協会理事
株式会社フォーサイツコンサルティング代表取締役社長

浅野 睦

 

東日本大震災では、会社の重要拠点が被災するなどで事業を長期間にわたって停止せざるを得ない事態が発生した。

被災地域以外でも、取引先が事業を停止したことにより原材料などの調達が滞って生産体制を維持できず、事業停止を余儀なくされた例は珍しくない。

さらに長期間事業の回復が遅れ、他社にシェアを奪われるなどして廃業に追い込まれた企業も珍しくない状況であった。

 

そのような中、東日本大震災以前に弊社がBCP(事業継続計画)の策定支援を行った企業で、津波による壊滅的な被害に見舞われながらも短期間で事業の復旧を果たした企業がある。

 

宮城県名取市で廃油の精製事業を行っている株式会社オイルプラントナトリ社外部サイトへのリンクである。

会社と工場は沿岸から約1キロのところに位置しているため、震災では工場の1階部分が完全に浸水するほどの津波被害に見舞われた。

 

ところが地震発生直後から従業員たちは、周辺にいた人びとが避難行動をとらない中、真っ先に「念のため、近くのスーパーマーケットに逃げよう」と全員が避難行動をとった。

従業員は慌てていたため、策定したBCPのマニュアル類は会社に置いたままであったが、とるべき行動は頭の中に入っていた。

工場の重要な設備を安全に停止させ、漏電などの二次被害を防ぐためにブレーカーなどを落し、同時にタンクローリーなどの運転手たちは車両を内陸に向けて避難させた。

社長や常務たちは「おい!遠心分離機は危ないから安全に停止させろ!」と大声で叫んだというが、従業員たちは「もうすでに止めました!社長は早く逃げてください。あとは私たちに任せて!」と逆に社長に逃げるよう促したという。

 

オイルプラントナトリ社は、廃油の精製事業を行っているため、工場などから廃油を抜き取る作業ができなくなると事業は完全に停止してしまう性質を持っている。

もしタンクローリーがすべて津波で流されてしまっていたら、事業継続は果たせなかったということだ。

 

では、なぜ従業員たちは社長や常務からの指示がなくても、マニュアルなどを見なくても事業継続に必要な経営資源を守ることができたのか。

 

平常時のうちに、現場従業員たちが復旧するための議論を数多く行いながら、みずからの力でマニュアルをつくっていたからなのである。

そして、被災後に経営陣たちが語っていたことなのだが、想定外の事態においても「最も重要なことは何か」ということを方針として明確にしていたため、その事態に対して従業員たちが必要な判断をすることができたということだ。

 

もしBCPをつくることが目的で、形式的なマニュアルづくりだけを行っていたら、従業員たちの行動は違っていたと考えられる。

さらに、現場を巻き込まずに管理部門だけでBCPをつくっていたら、現場は何をどうすべきかがわからず、的確な行動をとれていたかどうかわからない。

 

オイルプラントナトリ社から学びたいポイントは、マニュアルや方針を従業員みずからが策定し、一人ひとりが主体的に動ける体制をつくることがいかに重要なことかということだ。

現場が「やらされ感」でBCPを策定しても機能しにくい。

ましてやBCPという立派な書類は完成したが従業員には伝わっていないということでは話にならない。

 

次回は、BCP未策定で現場が混乱したケースについて触れてみたい。

 

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千葉県産業情報ヘッドラインから転載(第496号2014年10月16日発行)

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