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更新日:令和3(2021)年11月2日

ページ番号:23673

答申第156号

答申第156号

平成28年3月30日

千葉県病院局長矢島鉄也様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

異議申立てに対する決定について(答申)

平成25年6月3日付け○○第○○号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成25年5月20日付けで異議申立人から提起された、平成25年5月14日付け○○第○○号で行った自己情報部分開示決定に係る異議申立てに対する決定について


諮問第133号

答申第156号

1.審議会の結論2.異議申立ての経緯3.異議申立人の主張要旨4.実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.審議会の処理経過

 1.審議会の結論

千葉県病院局長(以下「実施機関」という。)が平成25年5月14日付け○○第○○号で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

(1)実施機関が本件決定において不開示とした情報のうち次の情報は、開示すべきである。

  • ア平成●年●月●日開催の千葉県特定県立病院医療安全管理委員会(以下「本件委員会」という。)の議事録(以下「本件文書」という。)の1枚目(以下「議事録鑑文」という。)の全ての情報
  • イ本件文書の2~4枚目(以下「議事録本文」という。)の全ての情報
  • ウ本件文書の別紙(以下「症例検証意見」という。)のうち
    • (ア)1枚目(1行目の6~11文字目を除く部分)及び2~3枚目の全て
    • (イ)4枚目(1行目の6~11文字目を除く部分)及び5~6枚目の全て
    • (ウ)7枚目(1行目の6~11文字目を除く部分)及び8~9枚目の全て

(2)実施機関が行った本件決定のその他の部分は、妥当である。

 2.異議申立ての経緯

(1)異議申立人は、平成25年5月1日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「特定県立病院医療安全委員会(平成●年●月●日開催)の議事録(開催手続、進行、結論の導き方)」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対し実施機関は、対象文書を本件文書と特定した上で本件決定を行った。

これに対し異議申立人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第6条の規定により、実施機関に対し、平成25年5月20日付けで本件異議申立てを行った。

(3)本件異議申立てを受けて、実施機関は、条例第46条第1項の規定により、平成25年6月3日付け○○第○○号で審議会に諮問した。

 3.異議申立人の主張要旨

(1)異議申立ての趣旨

「本件決定を取り消す。」との決定を求める。

(2)異議申立ての理由

ア異議申立書

「開示しない部分及び開示しない理由」は本件に該当しない。仮に該当するとしても、不利益処分の重大性に鑑みて合理性を欠く。

イ異議申立理由書

平成25年5月27日付けで異議申立人が実施機関に対し任意に提出した異議申立理由書において、概ね次のとおり主張している。

(ア)条例第17条第2号に該当しない。

「開示請求者以外の個人に関する情報であって、特定の個人を識別でき、第三者の権利権益を侵害するおそれがあるため」は虚偽である。

「開示請求者以外の個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる。」は真実である。しかし、「第三者の権利権益を侵害するおそれがあるため」は虚偽である。「第三者の権利権益を侵害するおそれ」はない。

そして、同号ただし書に全て該当する。

「イ慣行として開示請求者が知ることができ、又は知ることが予定されている情報」(同号ただし書イ)

「ロ人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、開示することが必要であると認められる情報」(同号ただし書ロ)

「ハ当該個人が地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員・・・である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員等の当該職務遂行の内容に係る部分」(同号ただし書ハ)

「ニその他開示することにより当該開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがない情報」(同号ただし書ニ)

(イ)条例第17条第5号に該当しない。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報であって、開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報である。」は真実である。しかし、「開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。「開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」はない。

(ウ)条例第17条第6号ハに該当しない。

「評価等に関する情報であって、開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は虚偽である。

「評価等に関する情報である。」は真実である。しかし、「開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は虚偽である。「開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれ」はない。

(エ)条例第17条第6号ホに該当しない。

「人事管理に関する情報であって、開示することにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため」は虚偽である。

「人事管理に関する情報である。」は真実である。しかし、「開示することにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため」は虚偽である。「開示することにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ」はない。

ウ異議申立理由書(修正及び追加)3

平成25年6月1日付けで異議申立人が実施機関に対し任意に提出した「異議申立理由書(修正及び追加)3」において、概ね次のとおり主張している。

(ア)最高裁判例について

本件決定は、異議申立人に対する「業務停止命令」(以下「本件業務命令」という。)という「不利益処分」の不当性もしくは違法性を明らかにする「本件委員会議事録」を「隠ぺい」しようとする意思が明らかな「非開示決定処分」である。

そして、「非開示決定処分」は、条例第21条第3項によれば、「実施機関は、開示請求に係る個人情報の全部又は一部を開示しないときは、その理由を前各項に規定する書面に記載しなければならない。」とされており、最高裁判例に鑑みて、「具体的な処分事由の明示」の要件を満たさない本件決定は、取り消されるべきである(警視庁情報非開示決定処分取り消し請求事件、最判H4.12.10)。

(イ)そして、下記の主張を追加・補足する。
a本件委員会の出席者等に関する情報

(a)条例第17条第5号に該当しない。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報であって、開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報である。」は真実である。しかし、「本件委員会の出席者等に関する情報を開示する」ことにより、「『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。そもそも、特定県立病院の医療安全管理委員会(以下「委員会」という。)のメンバーは公開されている。委員会のメンバーのうち誰が出席したか、欠席したかの事実を「開示する、開示しない」にかかわらず、「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」は不当に損なわれたであろうし、現実に損なわれている。むしろ、現実は、「開示しないこと」により、審議過程は外部の批判にさらされる心配がない。そこで、特定県立病院の病院長(以下「院長」という。)は、本件委員会を恣意的に操り、審議する前から決定していた院長の結論を、「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」は組織批判そして組織秩序違反行為につながる行為であると恫喝し、本件委員会の「率直な意見交換」や「意思決定の中立性」を損ない、そのうえで、本件委員会の結論として承認させた。したがって、「『開示する』ことにより、院長の恣意性を減殺し、本件委員会の『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が正当に保全される」のである。

公開されても何ら恥じるところがないよう審議すべきであった。

(b)条例第17条第6号ハに該当しない。

「評価等に関する情報であって、開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。

「評価等に関する情報である。」は真実である。しかし、「当該事務の目的」は、院長のいわゆる「仕事外し」・「飼い殺し」という手段による、異議申立人に対する不当な「退職強要」に対して、異議申立人のいわゆる「冤罪」をでっち上げることにより、「偽りの正当性」を付与することである。そのような「当該事務の目的」及び「将来の同種の事務の目的」は社会的通念上正義を欠いており、達成されるべきではない。当該事務は公正性がなく、不正で不当であり、そのような当該事務が「円滑」に執行されるようなことがあってはならない。そもそも、委員会のメンバーは公表されている。そして、審議内容は被処分者に開示されても何ら恥じるところがないよう審議されているはずである。

b本件委員会の審議内容に関する情報

(a)条例第17条第2号に該当しない。

「開示請求者以外の個人に関する情報であって、特定の個人を識別でき、第三者の権利利益を害するおそれがあるため」は虚偽である。

「『開示請求者以外の個人に関する情報であって、特定の個人を識別できる。』は真実である。」との主張(上記(2)イ(ア))を撤回する。

「異議申立人(開示請求者)以外の個人に関する情報」でない。異議申立人の個人に関する情報である。「異議申立人が作成した公文書の内容」及び「その公文書に記載されている内容に基づき判断した異議申立人の行為」に関する、「第三者機関」による「『異議申立人』を評価した公文書」に対する評価をした「内部委員会」の公文書であり、異議申立人の個人に関する情報である。

そして、「異議申立人以外の個人に関する情報」は、「異議申立人が作成した公文書の内容」であり、そもそも異議申立人が作成している。したがって、「異議申立人以外の個人に関する情報」が含まれているであろうことは、容易に推測できる。しかし、「異議申立人以外の個人に関する情報」は、異議申立人が開示を求めている情報では全くない。異議申立人は、すでにその情報を保有しており、開示を必要としないし、そして請求をしない。

「異議申立人が作成した公文書の内容」を明らかにしなければ、特定の個人を識別できない。したがって、「第三者の権利利益を侵害するおそれがあるため」は虚偽である。「第三者の権利利益を侵害するおそれ」はない。

異議申立人は、「異議申立人が作成した『異議申立人以外の個人に関する情報』」そのものの開示を求めているのではない。

「外部検証」本来の趣旨である「異議申立人が作成した公文書の内容」及び「その公文書に記載されている内容に基づき判断した異議申立人の行為」に関して第三者機関が下した「異議申立人の評価」の情報に関する「内部委員会の評価」の開示を請求しているのである。

「第三者機関の下した『異議申立人に関する評価』に関する内部委員会の検討結果」の情報の開示を求める。

そして、同号ただし書イ~ニに全て該当する。

(1)同号ただし書イ

「異議申立人以外の個人に関する情報」は、異議申立人が作成したものであり、当然に、異議申立人はすでにその情報を知っている。異議申立人に関する「不利益処分」の根幹となる理由であり、上記(ア)ですでに主張したように、不利益処分事由は、具体的に明示されなければならない。

(2)同号ただし書ロ

(i)開示請求者の「医師」、「○○医」、「○○医」及び「○○医」としての「職業生命」を守り、(ii)「生活の糧」を得るのみならず、(iii)「○○医」及び「○○医」として厳しい修練を経て獲得された「高度な『技術』及び『資格』という財産」、そして(iv)不当な「不利益処分」による精神的苦痛から免れることによる「健康」保護のため、必要である。

また、異議申立人が「○○医」及び「○○医」として、○○市人口約○○万人のみならず、周辺人口○○~○○万人の○○病にて苦しむ患者さんの「生命」及び「健康」を守る職務を遂行することにより、患者さんの「生活」ひいては「財産」を保護することが可能となる。本件業務命令が不要であり、「取り消す」ためには開示することが必要である。

(3)同号ただし書ハ

異議申立人の「医療行為」遂行という「当該職務遂行」の内容に係る部分にまさしく該当する。

(4)同号ただし書ニ

異議申立人以外の個人は、すでに、「医療行為」を必要としていない。したがって、当該異議申立人以外の個人の権利利益を害するおそれは、全くない。

(b)条例第17条第5号に該当しない。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報であって、開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報である」は真実である。しかし、「開示する」ことにより「『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。それどころか、現実は、「開示しない」ことにより、『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれた。現実は、「開示しないこと」により、審議過程は外部の批判にさらされる心配がない。そこで、院長は、本件委員会を恣意的に操り、審議する前から決定していた院長の結論を、『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』は組織批判そして組織秩序違反行為につながる行為であると恫喝し、『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』を損ない、そのうえで、本件委員会の結論として承認させた。したがって、「『開示する』ことにより、『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が正当に保全される」のである。

公開されても何ら恥じるところがないよう審議すべきであった。

(c)条例第17条第6号ハに該当しない。

「評価等に関する情報であって、開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。

「評価等に関する情報である」は真実である。しかし、「当該事務の目的」は、院長のいわゆる「仕事外し」・「飼い殺し」という手段による、異議申立人に対する不当な「退職強要」に、異議申立人のいわゆる「冤罪」をでっち上げることにより、「偽りの相当性」を付与することである。そのような「当該事務の目的」及び「将来の同種の事務の目的」は、社会的通念上正義を欠いており、達成されるべきではない。当該事務は公正性がなく、不正で不当であり、そのような当該事務が「円滑」に執行されるようなことがあってはならない。そもそも、委員会のメンバーは公表されている。そして、審議内容は被処分者に開示されても何ら恥じるところがないよう審議されているはずである。

(d)条例第17条第6号ホに該当しない。

「人事管理に関する情報であって、開示することにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。

「人事管理に関する情報である。」は真実である。しかし、開示しないため、院長の不当でかつ悪意をもって実施された人事管理を、『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』は組織批判そして組織秩序違反行為につながる行為であると恫喝し、封殺した。「被処分者に開示する」ことにより、はじめて院長の恣意性を減殺し、何ら恥じるところがないよう審議すべきとの認識が、院長以外のメンバーに生まれ、公正かつ円滑な人事が、期待・確保できるのである。

エ意見書

実施機関の理由説明書(下記4)を受けて平成26年1月24日付けで異議申立人が審議会に対し提出した意見書において、概ね次のとおり主張している。

(ア)本件文書について(下記4(2))

a(a)平成△年△月△日及び□日付け「院長業務命令」について

平成△年△月△日及び□日付けで行われた、院長の業務命令により異議申立人に対する一部診療業務の制限(以下「本件院長業務命令」という。)の内容・趣旨は、単なる異議申立人の「診療業務の一部制限」ではない。

本件院長業務命令は、特定県立病院に○○医として任用された○○医である異議申立人に対して、その主たる業務である「○○を禁止する」という「不利益処分」である。「○○を禁止する」という「不利益処分」は、異議申立人の○○医の名誉・信用を著しく毀損し続けている。その上に、○○ができなくなることによって、厚生労働省認定の専門医資格の再取得・更新が不可能となる。そのことは、専門医の資格喪失を招来し、異議申立人は、○○医としての「身分」を失い、○○医生命を絶たれることになる。

(b)委員会について

委員会の構成メンバーには、○○医も○○医も入っていない。したがって、○○医である異議申立人の医療行為を正当に評価できる構成メンバーが存在しない。委員会は異議申立人の医療行為を正当に評価できない。院長は、異議申立人の医療行為を正当に評価できる能力が存在しない本件委員会を恣意的にコントロールし、「異議申立人を特定県立病院から排除する」動機・目的を遂行するために、委員会というあたかも公平・公正であるがごとき機構の権威を悪用し、不当な本件院長業務命令に、正当性を付与しようとしたにすぎない。

しかも、平成●年●月●日に開催された本件委員会には、院長は不在であり、医師はほとんど出席していない。また、委員会の構成メンバー以外の一般行政事務局の職員を出席させ、あたかも、本件委員会が成立したかのように欺いている。本件委員会が成立していない。しかも、上記偽装工作は不法行為である。

「異議申立人の診療状況に関する評価・検討を行った」は虚偽である。本件委員会の評価・検討の実態は、院長一人の恣意的かつ不当な意見に過ぎない。委員会構成メンバーによる評価・検討ではない。

b本件文書の内容について

(a)千葉県病院局の主張は虚偽である。

(b)「異議申立人に対する診療制限」の内容である本件院長業務命令は、△△△△の「○○願」に記載されていた、事実と反する内容を根拠に、不当になされた。

そして、異議申立人が要請した、異議申立人の3症例に関する症例検証意見が特定県立病院に到着した。その症例検証意見は、△△△△の「○○願」に記載されていた、「異議申立人の医療行為がでたらめであり、医療過誤・医療事故である」との主張が、事実無根の虚偽であることを立証するものであった。したがって、本件院長業務命令は、発令の根拠を失い、不当なものであることを立証するものであった。しかるに、異議申立人の診療行為の制限を合理的理由なく継続した平成□年□月□日付け院長業務命令は、「公務員職権濫用罪」に該当する不法行為であることを立証するものである。

そこで、院長は、異議申立人の医療行為を正当に評価できる能力が存在しない本件委員会を恣意的にコントロールし、平成□年□月□日付け院長業務命令が、あたかも公平・公正なものであるかのように装ったのである。院長は、「公務員職権濫用罪」を再び犯すことにより「証拠隠滅」を図ろうとしたにすぎない。

症例検証意見は、院長の上記不法行為を隠ぺいするための工作に対して、本件委員会を恣意的にコントロールし、平成□年□月□日付け院長業務命令があたかも公平・公正なものであるかのように、その正当性を付与させようとした書面である。

(c)異議申立人からの意見聴取について

異議申立人の意見は全く無視されている。しかも、その無視の具体的理由は明らかにされない。憲法第31条の手続違反である。

既に述べたが、院長が本件委員会を恣意的にコントロールし、平成□年□月□日付け院長業務命令が、あたかも公平・公正なものであるかのように、その正当性を付与させ、平成□年□月□日付け院長業務命令を発令させたという、「公務員職権濫用罪」に該当する不法行為であるに過ぎない。

c「当初」の委員会の設置目的と千葉県病院局医療安全管理指針について

「当初」の委員会の設置目的と千葉県病院局医療安全管理指針(以下「指針」という。)については、「現在」の特定県立病院の実態からかけ離れている。「現在」の委員会の役割は、院長の恣意的かつ不当な特定県立病院運営方針を遂行するための道具になり下がっている。

d「現在」の委員会の能力について

「現在」の委員会は、各科専門医が構成員になっていない。したがって、各科個別の院内の医療安全における重大な問題への対応や医療事故の分析及び再発防止策の検討や医療事故防止のための啓発、教育は不可能である。委員長、○○○○長、○○○○長などは、各科個別の院内の医療安全における重大な問題への対応や医療事故の分析及び再発防止策の検討や医療事故防止のための啓発、教育をする能力がなく、不可能である。

したがって、「外部の専門医」に○○科個別の医療安全における重大な問題及び医療過誤・医療事故の存否と、仮に重大な問題及び医療過誤・医療事故が存在すると仮定した場合の対応及び分析を依頼したのである。委員会は、「外部の専門医」の見解を否定できる権限も能力も有していない。

(イ)「部分開示の理由について」(下記4(3))
a本件委員会の出席等に関する情報

(a)条例第17条第5号

「本件文書は、本件委員会で、異議申立人である医師の診療状況の検討・評価を行うために作成されたものである」は虚偽である。委員会は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行う能力はない。そこで、「外部の専門医」の評価・意見作成を依頼したのである。

「現在も診療制限は継続させている」ことは、院長の行為の正当性の根拠ではなく、院長の「公務員職権濫用罪」及び「証拠隠滅罪」に該当する重大な不法行為を立証するものである。因みに、「診療制限」ではなく、「○○禁止」不利益行政処分である。

「今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される」は虚偽である。委員会は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行う能力はなく、検討を行うことはあり得ない。

「当該文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」は、真実を捻じ曲げた作話である。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、院長により、すでに毀損されており、存在しない。院長の恣意的なコントロールの呪縛から解放して、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な院長の影響を与えるおそれを排除する目的のために、開示すべきである。院長は、刑法上の訴追を受けるおそれがあることから不開示としたにすぎない。

(b)条例第17条第6号ハ

「当該事務」とは、「異議申立人を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する」ことであり、不法行為である。「将来の同種の事務」とは、「院長が排除したいと思う職員を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する」ことであり、不法行為である。不法行為の目的の達成は、社会通念上許されない。現在すでに、特定県立病院では、事務の「公正」及び「円滑」な執行は支障をきたしている。本件文書を「開示」することのみにより、「公平性」、「公正性」及び「透明性」が確保され、事務の「公正」及び「円滑」な執行は回復される。

b本件委員会の審議内容に関する情報

(a)条例第17条第2号

「氏名のイニシャル・年齢・受診歴」のみを不開示とすればよい。「病名・治療状況」も場合によれば、不開示としてもよい。

(b)条例第17条第5号

「本件文書は、本件委員会で、異議申立人である医師の診療状況の検討・評価を行うために作成されたものである」は虚偽である。

すでに述べているが、委員会は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行う能力はない。そこで、「外部の専門医」の評価・意見作成を依頼したのである。

「現在も診療制限は継続させている」ことは、院長の行為の正当性の根拠ではなく、院長の「公務員職権濫用罪」及び「証拠隠滅罪」に該当する重大な不法行為そのものである。因みに、「診療制限」ではなく「○○禁止」不利益行政処分である。

「今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される」は虚偽である。委員会は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行う能力はなく、検討を行うことはあり得ない。

「当該文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」は、真実を捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、院長により、すでに毀損されており、存在しない。院長の恣意的なコントロールの呪縛から解放して、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な院長の影響を与えるおそれを排除する目的のために、開示すべきである。院長は、刑法上の訴追を受けるおそれがあることから不開示とした真実を捻じ曲げている。

(c)条例第17条第6号ハ

「当該事務」とは、「異議申立人を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する」ことであり、不法行為である。「将来の同種の事務」とは、「院長が排除したいと思う職員を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する。」ことであり、不法行為である。不法行為の目的の達成は、社会通念上許されない。現在すでに、特定県立病院では、事務の「公正」及び「円滑」な執行は支障をきたしている。本件文書を「開示」することのみにより、「公平性」、「公正性」及び「透明性」が確保され、事務の「公正」及び「円滑」な執行は回復される。

(d)条例第17条第6号ホ

「本件文書は、異議申立人に対して、業務命令として発した診療制限の『根拠』となる」は、真実を捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「本件文書は、異議申立人である医師に対して、院長が業務命令として発した診療制限が、「不当」及び「不法」であることを立証するものとなる」が真実である。本件文書を開示して、初めて、公正かつ円滑な人事の確保ができる。公正かつ円滑な人事の確保に支障をきたすことがないために、本件文書を開示すべきである。

(ウ)「異議申立てに対する実施機関の考えについて」(下記4(5))

a本件決定において、決定理由を明示している」は虚偽である。

具体的な理由は明らかにされていない。

b(a)本件委員会の出席等に関する情報

(1)条例第17条第5号について

院長の主張は虚偽である。委員会は、異議申立人である医師の診療状況の検討・評価を行う能力はない。そこで、「外部の専門医」の評価・意見作成を依頼したのである。したがって、「今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される」は虚偽である。委員会は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行う能力はなく、検討を行うことはあり得ない。

「本件文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」は、真実を捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、院長により、すでに毀損されており、存在しない。院長の恣意的なコントロールの呪縛から解放して、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な院長の影響をおそれを排除する目的のために、開示すべきである。院長は、刑法上の訴追を受けるおそれがあることから不開示としたにすぎない。

(2)条例第17条第6号ハについて

「当該事務」とは、「異議申立人を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する。」ことであり、不法行為である。「将来の同種の事務」とは、「院長が排除したいと思う職員を、合理的理由なく、特定県立病院から排除する。」ことであり、不法行為である。不法行為の目的の達成は、社会通念上許されない。現在すでに、特定県立病院では、事務の「公正」及び「円滑」な執行は支障をきたしている。本件文書を「開示」することのみにより、「公平性」、「公正性」及び「透明性」が確保され、事務の「公正」及び「円滑」な執行は回復される。

(b)本件委員会の審議内容に関する情報について

(1)条例第17条第2号

「氏名のイニシャル・年齢・受診歴」のみを不開示とすればよい。「病名・治療状況」も場合によれば、不開示としてもよい。上記方法によれば、当該第三者の権利を侵害するおそれはない。

そして、同号ただし書イ~ニに全て該当する。

(i)同号ただし書イ

本件文書は「委員会において異議申立人の診療状況を検討・評価した情報」であるは虚偽である。委員会において評価・検討することなく、合理的理由なく「異議申立人の○○医としての生命を絶つ。」という院長の「公務員職権濫用罪」に該当する「不利益行政処分」ある。したがって、異議申立人は、憲法第31条の適正手続にしたがって具体的な処分理由を知る権利がある。

(ii)同号ただし書ロ

「異議申立人以外の個人に関する情報」は不開示とすればよい。

(iii)同号ただし書ハ

「異議申立人以外の個人情報」は、不開示とすればよい。

(iv)同号ただし書ニ

「仮に、異議申立人以外の個人が「医療行為」を必要としていないとしても、当該情報を開示することにより権利利益は害されるおそれがあると考える」は、条例の法令解釈に誤りがある。

(2)条例第17条第5号

院長の主張は虚偽である。「外部」とは何か。「圧力や干渉等の影響」とは何か。明らかにするように求める。「率直な意見交換や意思決定の中立性」は、現在、すでに、「不当に損なわれている。」「率直な意見交換や意思決定の中立性が、不当に損なわれている。」その具体的な理由は、院長による地方公務員法第32条に基づく「上司の職務命令」の濫用にある。地方公務員法の法制上、特定県立病院内部の職員では、院長の「公務員職権濫用」を抑制できない。院長の行為を外部に透明にすることにより、「率直な意見交換や意思決定の中立性」が回復されるのである。

(3)条例第17条第6号ハ

「開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがある」は虚偽である。院長の行為を外部に透明にすることにより、「率直な意見交換や意思決定の中立性」が回復されるのである。「外部」の評価・意見を開示すべきである。

(4)条例第17条第6号ホ

「本件文書は、異議申立人に対して、業務命令として発した診療制限の根拠となる人事管理に関する情報である」は、真実を捻じ曲げた作話ともいえる虚偽である。「本件文書は、異議申立人に対して院長が業務命令として発した診療制限が、「不当」及び「不法」であることを立証するものとなる」が真実である。

「組織の維持」及び「組織の独自性を確保」する目的遂行のために、「異議申立人」に、人事管理のもとに汚名・汚辱のぬれ衣を着せ、でっち上げの冤罪の犯人に仕立て上げた。しかも、そのでっち上げの作話の証拠である「本件文書」を隠ぺいする目的から、院長職権にて「本件文書」を不開示とした、国家に対する重大な不法行為である。

 4.実施機関の説明要旨

平成25年12月3日付けで実施機関が審議会に対し提出した理由説明書において、概ね次のとおり主張している。

(1)対象行政文書の特定について

特定県立病院は、本件請求に係る平成●年●月●日の委員会の議事録についての行政文書(本件文書)を保有している。

(2)本件文書について

ア特定県立病院では、異議申立人に対し、平成△年△月△日及び□日付けの本件院長業務命令により、一部診療業務の制限を行っている。

本件文書は、異議申立人の診療状況に関する評価・検討を行った、平成●年●月●日に開催された本件委員会の議事録である。

イ特定県立病院では、平成▲年▲月▲日に異議申立人から直接意見を聴取した書面を付して、平成●年●月●日に本件委員会に諮り、本件委員会からの意見を踏まえて、平成□年□月□日付けの院長の業務命令により診療行為の制限を継続している。

ウ委員会とは、県立病院の医療安全管理体制を確立し、快適で良好な医療の提供に資することを目的に千葉県病院局において制定した指針に基づき、設置されたものである。

エ委員会は、委員長、○○○○長、○○○○長などを構成員とし、院内における医療安全管理の全般を統括するものであるが、特に、院内の医療安全における重大な問題への対応や医療事故の分析及び再発防止策の検討や医療事故防止のための啓発、教育などを取り扱うものである。

(3)部分開示の理由について

ア本件委員会の出席者等に関する情報

(ア)条例第17条第5号

本件文書は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行うための本件委員会での審議の議事録であるが、現在も診療制限は継続しており、今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定される。

本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示とした

(イ)条例第17条第6号ハ

本件文書は、異議申立人が担当した患者症例についての診療行為に係る評価等に関する情報である。本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。

イ本件委員会の審議内容に関する情報

(ア)条例第17条第2号

本件文書の中には、院内で治療を行った患者に関する情報について、氏名のイニシャル・年齢・受診歴・病名・治療状況など、複数の情報を組み合わせることで、患者個人又は患者家族を特定できる情報が記載されており、本件文書を開示した場合、患者及び患者家族等の第三者の権利を侵害するおそれがあることから不開示とした。

(イ)条例第17条第5号

本件文書は、異議申立人の診療状況の検討・評価を行うための本件委員会での審議の議事録であるが、現在も診療制限は継続しており、今後も委員会において診療制限の継続等について検討を行うことが想定され、本件文書を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示とした。

(ウ)条例第17条第6号ハ

本件文書は、異議申立人が担当した患者症例の診療行為について評価を行った本件委員会での審議の議事録である。本件文書を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。

(エ)条例第17条第6号ホ

本件文書は、異議申立人に対し本件業務命令として発した診療制限の根拠となる人事管理に係る情報であり、本件文書を開示した場合、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから不開示とした。

(4)異議申立ての理由について

異議申立人が主張する理由は、以下に要約されると考える。

ア「具体的な処分事由の明示」の要件を満たさない本件決定は、取り消されるべきである。

イ本件委員会の出席者等に関する情報

(ア)条例第17条第5号に該当しない。

「県の機関の内部における審議等に関連して作成された情報である」は真実である。しかし、「委員会の出席者等に関する情報を開示する」ことにより、「『率直な意見交換』や『意思決定の中立性』が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。

(イ)条例第17条第6号ハに該当しない。

「評価等に関する情報であって、開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。

ウ本件委員会の審議内容に関する情報

(ア)条例第17条第2号に該当しない。

本件文書は、異議申立人個人に関する情報であり、第三者の権利を侵害するおそれはない。「異議申立人が作成した公文書の内容」及び「その公文書に記載されている内容に基づき判断した異議申立人の行為」に関して、第三者機関が下した「異議申立人の評価」の情報の開示を、請求しているのである。

そして、同号ただし書イ~ニに全て該当する。

a同号ただし書イ

「異議申立人以外の個人に関する情報」は異議申立人が作成したものであり、当然に、異議申立人はすでにその情報を知っている。

b同号ただし書ロ

異議申立人の「職業生命」を守り、「生活の糧」を得るのみならず、「高度な技術及び資格という財産」、精神的苦痛から免れることによる「健康」保護のため、必要である。

また、異議申立人が「○○医」等として職務遂行することで、患者さんの「生活」ひいては「財産」を保護することが可能となる。

本件業務命令が、不当であることを明らかにして、本件業務命令を「取り消す」ためには、開示することが必要である。

c同号ただし書ハ

異議申立人の「医療行為」遂行という「当該職務遂行」の内容に係る部分にまさしく該当する。

d同号ただし書ニ

異議申立人以外の個人は、すでに「医療行為」を必要としていない。したがって、当該異議申立人以外の個人の権利利益を害するおそれは、全くない。

(イ)条例第17条第5号に該当しない。

「開示することにより、率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため」は虚偽である。「開示する」ことにより、「率直な意見交換や意思決定の中立性が正当に保全される」のである。

(ウ)条例第17条第6号ハに該当しない。

「開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。当該事務は公正性がなく、不正で不当であり、そのような当該事務が「円滑」に執行されるようなことがあってはならない。

(エ)条例第17条第6号ホに該当しない。

「開示することにより、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあるため」は意味不明である。開示することにより、はじめて、院長の恣意的人事管理を抑制することが可能となり、公正かつ円滑な人事が確保できるのである。

(5)異議申立てに対する実施機関の考えについて

ア本件決定において、決定理由を明示している。

イ本件委員会の出席者等に関する情報

(ア)条例第17条第5号

本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、今後の委員会での率直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあること、また、将来予定されている同種の審議・検討に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがあることから不開示としたものである。

(イ)条例第17条第6号ハ

本件文書中の出席者等に関する情報を開示した場合、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示としたものである。

ウ本件委員会の審議内容に関する情報

(ア)条例第17条第2号

本件文書は、異議申立人個人に関する情報であるとともに、患者個人又は患者家族等を特定できる情報が記載されており、本件文書を開示した場合、第三者の権利を侵害するおそれがあると考える。

そして、同号ただし書イ~ニのいずれにも該当しない。

a同号ただし書イ

本件文書は、委員会において、異議申立人の診療状況を検討・評価した情報であり、異議申立人が作成した情報そのものではなく、慣行として異議申立人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報には当たらないと考える。

b同号ただし書ロ

「異議申立人以外の個人に関する情報」である患者情報が記載されており、当該第三者の権利利益を優先して保護する必要があると考える。

c同号ただし書ハ

異議申立人以外の個人情報は、公務員の職務遂行に係る情報ではないため、該当しない。

d同号ただし書ニ

仮に、異議申立人以外の個人が「医療行為」を必要としていないとしても、患者個人又は患者家族等を特定できる情報が記載されており、当該情報を開示することにより、異議申立人以外の権利利益を害するおそれがあると考える。

(イ)条例第17条第5号

本件文書を開示することにより、外部からの圧力や干渉等の影響を受ける可能性があると考える。異議申立書等(上記3(2)イ(イ)並びにウ(イ)a(a)及びb(b)、エ(イ)a(a)、b(b)並びに(ウ)b(a)及びb(b))には「素直な意見交換や意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれはない」とする具体的な理由が示されていない。

(ウ)条例第17条第6号ハ

本件文書は、異議申立人が担当した患者症例の診療行為について評価を行った本件委員会での審議の議事録であるが、開示することにより、当該事務及び将来の同種の事務の目的が達成できなくなり、事務の公正又は円滑な執行に支障を及ぼすおそれがあることから不開示としたものである。

(エ)条例第17条第6号ホ

本件文書は、異議申立人に対して、本件業務命令として発した診療制限の根拠となる人事管理に関する情報である。人事管理に関する情報は、組織の維持、また組織の独自性を確保する観点から、一定の範囲で不開示にする必要があると考える。

 5.審議会の判断

(1)不開示情報について

審議会で本件文書を見分したところ、本件決定における不開示部分(別表の1~17)は、次のとおり分類することができる。

ア本件委員会に関わる県職員の所属、職、姓、印影等に係る情報

別表の1、2及び4

イ本件委員会における検討項目及び検討結果に係る情報

別表の3及び5~8

ウ異議申立人が担当した症例に関する外部医師の意見等に係る情報

別表の9~17

 
 

(2)上記(1)アの情報について

ア条例第17条第6号ハ該当性について

(ア)本号ハは、県の機関や他の地方公共団体等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより、評価等に係る当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものを不開示とすることを定めたものである。

これについて、実施機関は、上記(1)アの情報を開示することにより、委員会の委員が忌憚のない意見を発言しづらくなり、結果として、委員会の事故原因究明等の機能に支障が生じるおそれがあると説明する。

(イ)審議会で見分したところ、これらの情報は、本件委員会に出席又は欠席した県職員の所属、職、姓及び印影並びに本件委員会における議長選出の理由に係る情報である。

そうだとすれば、これらの情報について、委員会の委員による忌憚のない意見の交換が妨げられるという実施機関の説明には、合理性があるものとは認められない。

イまた、上記(1)アの情報について、条例第17条第5号に該当する事情があるとも認められない。

ウしたがって、上記(1)アの情報については、全て開示すべきである。

(3)上記(1)イの情報について

ア条例第17条第2号該当性について

(ア)本号は、開示することにより開示請求者以外の第三者の権利利益を損なうことを防止するために定められたものである。そして、同号に該当するためには、当該情報が開示請求者以外の個人に関する情報であって、開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(本文前段)又は開示請求者以外の特定の個人は識別できないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの(本文後段)であり、かつ、同号ただし書に該当しないことが必要である。

(イ)審議会で見分したところ、上記(1)イの情報のうち次の部分には、開示請求者たる異議申立人以外の第三者である医師を識別できる情報が含まれている(本号本文前段該当)が、いずれも県職員の職又は氏名であることから、同号ただし書ハに該当し、結果として、同号には該当しない。

  • (1)議事録鑑文「議題会議の趣旨」欄のうち「1審議内容」17行目の医師名
  • (2)議事録本文2枚目「5審議内容」26行目、27行目及び30行目の医師名
  • (3)議事録本文2枚目「5審議内容」3行目、19行目、20行目及び28行目の職名

(ウ)また、上記(1)イの情報のうち上記(3)ア(イ)(1)~(3)以外の部分については、本件委員会における検討項目及び検討結果に係る情報にすぎず、異議申立人以外の第三者を識別できる情報や当該第三者の権利利益を害するおそれのある情報が含まれていないことは明らかであるから、同号には該当しない。

イ条例第17条第6号ハ該当性について

(ア)これについて、実施機関は、上記(1)イの情報を開示することにより、委員会の委員が忌憚のない意見を発言しづらくなり、結果として、委員会の事故原因究明等の機能に支障が生じるおそれがあると説明する。

(イ)しかし、審議会で見分したところ、これらの情報は、本件委員会における検討項目及び検討結果に係る情報であり、本件業務命令に係る対応を検討するために平成▲年▲月▲日に実施された異議申立人に対する意見聴取におけるやり取りや、異議申立人に対する□年□月□日付け業務指示書の記載等により、既に異議申立人に知らされている内容である。また、これらの情報は、専門家の意見を集約した結果であって、開示したとしても、今後の委員会において、委員の忌憚のない意見交換が妨げられるおそれがあるとはいえない。

そうだとすれば、これらの情報について、委員会の委員による忌憚のない意見の交換が妨げられるという実施機関の説明には、合理性があるものとは認められない。

(ウ)よって、上記(1)イの情報は、本号ハに該当しない。

ウまた、上記(1)イの情報について、条例第17条第5号又は第6号ホに該当する事情があるとも認められない。

エしたがって、上記(1)イの情報については、全て開示すべきである。

(4)上記(1)ウの情報について

ア上記(1)ウの情報は、さらに、次のとおり細分類することができる。

  • (ア)異議申立人が担当した症例(以下「本件症例」という。)に係るケース番号情報(以下「ケース番号」という。)
  • (イ)本件症例における患者のイニシャル及び年齢に係る情報(以下「イニシャル等」という。)
  • (ウ)本件症例の診断内容及びその経過に係る情報(以下「診断内容等」という。)
  • (エ)本件症例に関する外部医師の意見に係る情報(以下「外部医師意見」という。)

なお、イニシャル等については、意見書によれば、異議申立人は開示することを求めていないものと認められるので、ケース番号、診断内容等及び外部医師意見について検討する。

イ条例第17条第2号該当性について

(ア)ケース番号について

審議会で見分したところ、本号に該当する情報が含まれていないことは明白である。

(イ)診断内容等について

審議会で見分したところ、異議申立人以外の第三者である患者を識別できる情報は含まれていないが、当該患者の権利利益を害するおそれのある情報であると認められる(本号本文後段該当)。

もっとも、平成▲年▲月▲日に実施した意見聴取におけるやり取り等により、異議申立人は当該患者が誰であるかを既に知っているものと認められる。よって、同号ただし書イに該当し、結果として、同号には該当しない。

(ウ)外部医師意見について

審議会で見分したところ、異議申立人以外の第三者を識別できる情報や当該第三者の権利利益を害するおそれのある情報が含まれていないことは明らかであるから、本号には該当しない。

(エ)したがって、ケース番号、診断内容等及び外部医師意見は、本号に該当しない。

ウ条例第17条第6号ハ該当性について

(ア)これについて、実施機関は、ケース番号、診断内容等及び外部医師意見を開示することにより、外部医師が忌憚のない意見を報告しづらくなり、結果として、委員会の事故原因究明等の機能に支障が生じるおそれがあると説明する。

(イ)これらの情報について審議会で見分したところ、ケース番号は、便宜的に付した番号に過ぎず、診断内容等は、平成▲年▲月▲日に実施した意見聴取におけるやり取り等により、既に異議申立人に知らされている内容である。また、外部医師意見は、当該外部医師の名前や所属を明らかにすることなく記載されているものであり、また、専門的見地から記載されているものである。

そうだとすれば、これらの情報について、外部医師による忌憚のない意見の報告が妨げられるという実施機関の説明には、合理性があるものとは認められない。

(ウ)よって、これらの情報は、本号ハに該当しない。

エまた、ケース番号、診断内容等及び外部医師意見について、条例第17条第5号又は第6号ホに該当する事情があるとも認められない。

オしたがって、上記(1)ウの情報のうちケース番号、診断内容等及び外部医師意見については、全て開示すべきである。

(5)結論

以上のことから、「1.審議会の結論」のとおり判断する。

なお、異議申立人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

 6.審議会の処理経過

審議会の処理経過は、下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成25年6月3日

諮問書の受理

平成25年12月4日

実施機関の理由説明書受理

平成26年1月30日

異議申立人の意見書受理

平成27年7月21日

審議(第249回審議会)

平成27年9月15日

審議(第250回審議会)

別表

No.

文書名

本件決定における不開示部分

審議会の結論

1

議事録鑑文

「議事録作成者」欄のうち2行目

開示すべきである。

 

2

「出席者」欄のうち2~7行目

3

「議題会議の趣旨」欄のうち「1審議内容」(9~19行目)

4

議事録本文

1枚目

「3出席者」(4行目の5文字目以降及び5~10行目)

5

「5審議内容」(18~43行目)

6

2枚目

〃(1~32行目)

7

〃(33~41行目)

8

3枚目

〃(1~13行目)

9

症例

検証意見

1枚目

1~35行目

1行目の6~11文字目は不開示が相当であるが、その他は開示すべきである。

10

2枚目

1~35行目

開示すべきである。

11

3枚目

1~16行目

12

4枚目

1~34行目

1行目の6~11文字目は不開示が相当であるが、その他は開示すべきである。

13

5枚目

1~35行目

開示すべきである。

14

6枚目

1~7行目

15

7枚目

1~35行目

1行目の6~11文字目は不開示が相当であるが、その他は開示すべきである。

16

8枚目

1~36行目

開示すべきである。

17

9枚目

1~2行目

答申第156号(平成28年3月30日)(PDF:257KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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