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更新日:令和8(2026)年4月16日

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初夏ねぎ栽培(5月下旬から6月中旬出荷)のポイント

1.はじめに

根深ねぎを栽培する経営体は、ねぎの周年出荷を目指す経営体が増えています。県内で栽培が盛んな秋冬ねぎは、台風や高温期の気象の影響を受けますが、初夏ねぎはそれらの心配が無く、考え方によっては作りやすい作型です。

一方で、抽台させない栽培技術が必要になるなど、秋冬ねぎとは栽培管理のポイントが少し異なります。

ここでは、1条トンネル用いた初夏ねぎ栽培のポイントを紹介します。

2.栽培のポイント

(1)ほ場の選定

・水はけが良く地力のある畑を選びます。

(2)品種の選定

・晩抽性のある品種を選びます。晩抽性品種の中でも収穫時期により、早生性や在ほ性(止め土後の高温耐性)等を考慮して選びます。

・九十九里地域で主に利用されいてる品種は表1のとおりです。

表1.品種と特徴

品種名 特徴
春扇

肥大性に優れるため、最も早く収穫する作型に用いられる。生育が早い反面、老化しやすいため、6月中旬以降の収穫には適さない。ボトリチス葉枯症に弱い。

初夏扇

春扇より太りはやや遅く、耐暑性はやや強い。6月上旬から収穫する作型に用いる。

龍まさり

太り、伸び共に緩やかで安定している。秋冬、春ねぎとしても用いることができる万能品種。6月上旬から収穫する作型に用いる。

羽生一本太

生育適温期の生育は旺盛で、6月上旬から収穫する作型に用いる。葉色は濃く、襟の締まりが良い。ベと病、さび病が発生しやすい。

初夏扇2号

初夏扇より太りはやや遅く、耐暑性はやや強い。6月中旬頃から収穫する作型に用いる。

(3)播種・育苗

・播種は早くても10月上旬以降に行います。これ以上の早まきは抽台する可能性があるため避けます。

・チェーンポット(CP303)の場合、1穴に2粒播き又は2粒3粒交互播きとします。2粒播きの方が肥大が早いため、収穫時期を少し早めることができます。

・育苗は露地でも可能ですが、台風が接近しやすい時期なので、なるべくハウスの中で行います。

(4)基肥

・トンネル被覆をすると追肥ができないため、基肥にはロングタイプの緩効性肥料を用い、十分量(秋冬ねぎの1.5から2倍程度)施用します。

・栽培途中での肥料切れは抽台や生育遅れに繋がるため特に注意します。

(5)定植

・11月下旬から12月中旬に定植します。

・条間は90から100センチメートル、溝の深さは15センチメートル程度とします。溝が深いほど、トンネル被覆中の生育量が確保できるため、秋冬ねぎよりやや深めに植えます。

・定植後は雑草の発生を抑えるため、除草剤を散布します。散布からトンネル被覆までの期間が短い場合は、薬害の出やすい剤(トレファノサイド粒剤2.5、トレファノサイド乳剤)の使用は控えます。

(6)トンネル被覆

・トンネルは12月中旬から12月下旬頃に被覆します。

・トンネルは太さ5.5ミリメートル、長さ120センチメートルのダンポールを用い、約100センチメートル間隔で設置します。被覆は、厚さ0.03ミリメートル、幅115センチメートル(幅230センチメートルを半切り)の農POのフィルムを用います(図1、図2)。

ダンポール設置の様子

図1.ダンポール設置の様子

トンネル被覆の様子

図2.トンネル被覆の様子

(7)換気

・被覆後に約2メートル間隔で、直径5cmの穴を開けます。位置は、ダンポールの横の頂上部とします(図3)。

・1月下旬以降トンネル内の最高気温が35度を超えないように穴数を増やします。

・曲がりや葉焼けを防ぐため、天井に葉が当たり始めてから頂上部を切り、葉を外に出します(図4)。

・葉を外に出した後は外気に順応させるため、トンネルは除去せず、しばらくそのまま待ちます。ねぎは柔らかく育っていますが、トンネルが風よけになるため倒れる心配はありません。

初期の換気穴の様子

図3.初期の換気穴の様子

外気温に順応させている様子

図4.外気温に順応させている様子

(8)トンネル撤去時の管理

・トンネル撤去は外気に順応するのを待ち、4月上旬から4月中旬頃の風の弱い日に行います。

・撤去と同日の内に、除草と1回目の追肥、土寄せまで行います。土寄せまで終わらないと、風の影響で倒れる可能性があるため、その日のうちに作業できる面積のトンネルを撤去します。

(9)追肥・土寄せ・止め土・収穫(トンネル撤去後の管理) 

・トンネル除去後は10日おきに、2回程度土寄せを行い、その後止め土します(表2)。

・追肥は土寄せ、止め土のたびに窒素で10a当たり2から4キログラム程度を基本として施用します。地力のある畑では収穫時に襟割れが発生する可能性があるため、止め土時の追肥は少なめに調整します。

・土寄せ、止め土は、襟が埋まらない程度に土を盛ります。襟まで埋めると白絹病等の発生を助長します。

・止め土後は、軟白を確保するため、14日程度経ってから収穫を開始します。

・止め土してから30日以上経過すると、老化してしまう可能性が高いため、1日の収穫量を考え複数回に分けて止め土を行います。

表2.トンネル除去から収穫までのスケジュール(例)

トンネル除去から収穫までのスケジュール(例)(PNG:47.8KB)

(10)病害虫防除 

・病害は、白絹病、ボトリチス葉枯症、べと病、さび病に注意し、予防的に防除を行います。

・害虫は、アザミウマ類に注意し、密度が増えないよう早期防除に努めます。

・使用する薬剤は収穫前日数に十分注意し、止め土後も適宜防除を行います。

 

初掲載:令和7年11月
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