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更新日:令和8(2026)年4月16日
ページ番号:842093
本県の主要作型である秋冬どりネギでは、生育期間が台風シーズンに重なります。強風によって倒伏(図1)すると、土寄せ作業ができないことによる収穫遅延、さらに収穫物の曲がりが問題となります。取りうる対策として、事前の土寄せによる倒伏軽減、倒伏後に起こすネギ直しがあります。事前の土寄せは、土寄せで畝肩を上げて土の物理的障壁を作ることで、倒伏を軽減します。事後のネギ直しは、倒伏したネギを1本ずつ手作業で起こす作業ですが、台風前後の限られた時間で全ての圃場で対策を実施することは現実的ではありません。そこで、それぞれの対策について優先する圃場を判断するポイントを紹介します。

図1.台風で倒伏したネギ
台風前後の作業を優先すべきなのは、「倒伏後にネギの回復(起き上がり)が遅い圃場」です。ネギが起き上がっていない圃場では、土寄せ作業に入ることができないため、ネギ直しの必要性が高く、被害が大きくなるリスクがあります。以下に回復が遅くなる要因について説明します。
まず(1)早生品種を栽培している圃場や、(2)年内どり等で生育が進み、株が重くなっている圃場(図2)です。これら圃場のネギは、地上部が重いため、風で倒れやすく、また起き上がりにくくなります。次に(3)倒伏角度が大きい・大きくなりやすい圃場です。倒伏角度が大きい程、起き上がるまでに日数を要します。そのため、事前対策では土寄せが遅れており、倒伏角度が大きくなりやすい圃場等で土寄せを優先し、事後対策としては倒伏角度が大きかった圃場でネギ直しを優先します。
以上のように(1)早生品種、(2)株が重い、(3)倒伏角度が大きい・大きくなりやすい圃場では、台風前後の対策を優先する必要があります(図1)。

図2.生育の違いによる倒伏後の回復の早晩
注1)10月10日に人為的に倒伏させて(点線の丸で囲った部分)14日後の回復の様子を示した
注2)品種「夏扇4号」

図3.台風後のネギ「被害発生要因」の模式図
ネギ直しについて、収穫物の曲がりを減らすのか、また倒伏直後か、少し起きた後やるべきかといった疑問があります。
試験の結果、ネギ直しの有無や実施時期を変えても、収穫物の曲がり発生は変わらないことが明らかとなりました(図4)。極端な倒伏被害を除き、ネギ直しの意義は曲がりを減らすのではなく、倒伏した状況から早期に土寄せ作業を可能にして収穫遅延を回避することであると考えられました。

図4.収穫物の曲がりの様子
注1)10月13日に人為的に倒伏させた後、ネギ直しを行うタイミングを変えた。
注2)翌年1月16日畝長50センチメートルを収穫し、収穫物の曲がり程度を評価し、曲がり度(数字が大きいほど曲がりが大きい)を算出した。
注3)品種「龍ひかり2号」4月15日播種、6月1日定植
以上の試験結果を反映した、倒伏後にネギ直しの優先圃場を判断するためのフローチャートを作成しました(図5)。ただし、激しく倒伏した場合はネギ直しをしても曲がりが多く発生することも多いため、収穫をどの程度待てるか、収益性に見合うかといった経営的視点を加味して判断していただきたいと思います。

図5.ネギ直し優先度判断フローチャート
初掲載:令和7年8月
農林総合研究センター
水稲畑地園芸研究所東総野菜研究室
研究員:大川 佳織
電話番号:0479-57-4150
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