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更新日:令和4(2022)年3月31日

ページ番号:497824

緑肥の後作はリン酸を減らせる!~キャベツ・ニンジンにおけるリン酸減肥栽培~

千葉県の特に火山灰土壌はリン酸吸収係数が高く、施用したリン酸肥料が作物に使われにくい形で農地に蓄積されており、その有効利用が求められています。一方、緑肥をすき込むことによる後作への肥料的効果については十分解明されておらず、特にリン酸の減肥に関する知見は少ないです。

そこで、緑肥のすき込み後に後作となる野菜のリン酸を減肥する技術を検討しました。その結果、緑肥を導入することで、後作野菜のリン酸肥料を2割減らしても標準施肥量と変わらない収量を得ることができました。ここでは、キャベツとニンジンの事例を紹介します。

2 ソルガム導入によるキャベツのリン酸減肥栽培

可給態リン酸含量が100グラム当たり4ミリグラム、リン酸吸収係数2,372の土壌に、平成30年5月28日に残肥を想定して窒素及び加里を10アール当たり5キログラム施肥しました。5月29日にソルガム「ジャンボ」(商品名「つちたろう」、雪印種苗)を播種し、8月21日に草丈191センチメートルですき込みました(写真1)。ソルガムを栽培した区はリン酸肥料のみを20パーセント減肥し、栽培しなかった区はリン酸肥料を標準量の10アール当たり25キログラム施用しました。9月13日にキャベツ「YR春系305号」(増田採種場)を定植し、12月3日に収穫調査を行いました。

写真1 すき込み直前のソルガム(JPG:281.3KB)

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写真1.すき込み直前のソルガム

ソルガムをすき込んでリン酸肥料を20パーセント減肥した区のキャベツの収量は、ソルガム無栽培の標準施肥区の収量と差はありませんでした(図1)。以上のことから、草丈200センチメートル程度のソルガムのすき込みによって、後作キャベツのリン酸20パーセント減肥が可能でした。

図1 ソルガムすき込み後のキャベツの収量

図1.ソルガムすき込み後のキャベツの収量

注)図中のバーは標準誤差を示す

3 エンバク導入によるニンジンのリン酸減肥栽培

可給態リン酸含量が100グラム当たり4ミリグラム、リン酸吸収係数2,511の土壌に、エンバク播種前に残肥を想定して、窒素及び加里を10アール当たり10キログラム施肥しました。平成29年2月20日と3月13日の2回に分けてエンバク「ヘイオーツ」(雪印種苗)を播種し、5月25日にすき込みました(写真2)。すき込んだエンバクの草丈は2月播種が78センチメートル、3月播種が53センチメートルでした。キャベツと同様に、エンバクを栽培した区はリン酸肥料のみを20パーセント減肥し、栽培しなかった区はリン酸肥料を標準の10アール当たり25キログラム施用しました。7月25日にニンジン「愛紅」(住化農業資材)を播種し、11月7日に収穫調査を行いました。

写真2すき込み直前のエンバク(JPG:485.2KB)

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写真2.すき込み直前のエンバク

2月及び3月播種のエンバクをすき込んでリン酸肥料を20パーセント減肥した区のニンジンの可販収量は、エンバク無栽培の標準施肥区の可販収量と差はありませんでした(図2)。以上のことから、草丈50センチメートルから80センチメートル程度のエンバクのすき込みによって、後作ニンジンのリン酸20パーセント減肥が可能でした。

図2エンバクすき込み後のニンジンの可販収量

図2.エンバクすき込み後のニンジンの可販収量

なお、ここで紹介した技術は、農林水産省委託プロジェクト「生産コストの削減に向けた有機質資材の活用技術の開発」で得られた成果の一部です。

初掲載:令和4年2月
農林総合研究センター
土壌環境研究室
研究員 宮本昇
電話:043-291-9990

お問い合わせ

所属課室:農林水産部担い手支援課専門普及指導室

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