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更新日:令和6(2024)年2月19日

ページ番号:5972

(大多喜町)太田卯八郎と千葉県初の天然ガス

内容

むかしむかしのことだ。百年ほどの前の話だ。

 

上原の山崎屋(やまざきや)(屋号)は醤油(しょうゆ)づくりを営(いとな)んでいた。醤油(しょうゆ)づくりには大豆(だいず)と水が必要(ひつよう)だ。良い豆腐(とうふ)をつくるには良質(りょうしつ)で多量(たりょう)の水を必要とした。

 

 

明治二十四年五月。山崎屋の主人、太田卯八郎(おおたうはちろう)は商売を広げるため、庭に新しく井戸(いど)を掘(ほ)り始めた。順調(じゅんちょう)に掘り進んだ。

 

「この調子ならすぐに水脈(すいみゃく)にぶちあたるだろう」

井戸掘(いどほ)り職人達は掘り出される土を見ながらつぶやいた。

しかし、それから二日後だった。

「思ったより手ごわいぞ。なかなか水脈にぶちあたらないぞ」

「だんな、ブクブク…泡(あわ)ばっかり出て来るんです」

「どうしたことだ・・・」

卯八郎は首をかしげながら眺(なが)め、タバコをとりだし、火をつけた。その時、

「ご主人さま、ご主人さま一」

店の奥から主人を呼ぶ声がした。卯八郎は吸いかけのタバコをブクブク湧(わ)き出る泡の中に投げ入れ、店に戻ろうとした。

「おお、たまげた・・・。こりゃどうしたことだ」

卯八郎はあとずさりした。湧き出る泡が、ポッという音とともに青白い炎をたてて燃え出した。

「見ろ、見ろ。水が燃えている。水が・・・」

卯八郎は興奮(こうふん)しながら叫んだ。

番頭も醤油職人も集まって来た。

「水が燃えている、水が・・・」

あたりは騒然(そうぜん)とした。

やがて、隣近所の人たちも見物に来た。

「悪い前ぶれではないだろか」

「いや、よい事が起こる前ぶれかもしれないぞ・・・」

と、不思議な火を囲んで恐れたり喜んだりした。夜になると、不思議な火は暗闇(くらやみ)の中で青白い光を放って燃えた。

 

この泡こそ水溶性天然ガスであった。このガスが燃料や灯火に利用されるのに長い時間はかからなかった。

今も上原の太田家の庭には記念碑が建ち、千葉県天然ガス発祥の地を伝えている。

 

 

おしまい

 

出典・問い合わせ先

  • 出典:「広報おおたきNo.429」(「ふるさと民話さんぽ」斉藤弥四郎)
  • 問い合わせ先:大多喜町外部サイトへのリンク

 

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