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千葉県議会 > 本会議・委員会 > 常任委員会 > 県内調査報告/県外調査報告 > 令和元年度商工労働常任委員会県外調査報告書

更新日:令和5(2023)年3月9日

ページ番号:340902

令和元年度商工労働常任委員会県外調査報告書

令和2年2月27日

千葉県議会議長阿井伸也


商工労働常任委員長中沢裕隆

本委員会が県外調査を実施したところ、その概要は下記のとおりでした。

  1. 用務:商工労働常任委員会県外調査
  2. 調査先:
    (1)まちくる仙台(宮城県仙台市)
    (2)宮城県庁(宮城県仙台市)
    (3)東北大学未来科学技術共同研究センター(宮城県仙台市)
  3. 期間:令和2年2月4日(火曜日)~5日(水曜日)
  4. 概要:別添のとおり

調査の概要について

 1まちくる仙台(宮城県仙台市)

(1)日時:令和2年2月4日(火曜日)10時45分~12時05分

(2)調査項目:商店街の活性化について

外国人の誘客促進について

(3)経過
初めに、千葉県議会商工労働常任委員会中沢委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、次に、仙台市中心部商店街活性化協議会長から歓迎のあいさつがあった。
あいさつの後、同協議会事務局代表から概要説明があり、質疑応答が行われた。
その後、商店街の見学を行った。

(4)概要説明
一般社団法人まちくる仙台は、仙台市が平成22年に策定した「仙台市中心部商店街将来ビジョン」に基づき、平成29年4月に立ち上がった「仙台市中心部商店街活性化協議会」が行うエリアマネジメント事業の実働機関であり、仙台市からの補助(今年度は5,000万円)を受けて中心部商店街の活性化事業などの委託事業を行っているほか、スタッフを6名雇用している。
(ア)魅力向上部会

中心部商店街の賑わいや魅力向上の事業として、国家戦略特区を取得したことによる道路の使用の緩和を活用した「まちくるパフォーマーズ仙台」や「楽天イーグルスと連携したイベント」など様々なイベントの運営を行うことにより賑わいの向上を図っている。
また、東北には訪日外国人全体の2%程しか来ていないため、訪日外国人を増加させるための事業として、まず一つ目に、外国人向けの案内所「仙台ツーリストインフォメーションデスク」を設置し、英語・中国語で観光のガイドを行うほか、仙台ならではの食や文化を楽しむ各種アクティビティを提供している。二つ目に、免税に関する新たな仕組み「一括免税カウンター」を平成30年10月に開設し、免税参加店舗(25店舗)で購入したものの金額を合算して免税できるようにすることにより買い物の利便性を高めるなど、インバウンドの取り組みを行っている。
(イ)収益事業部会
協議会が自立化するための収益事業として、商店街と連携している駐車場の共通駐車券事業「まちくるチケット」やアーケードフラッグ・スペースプロモーションなどの「ストリート広告」などの運営を行い、その収益で街の環境整備やアーケードなどの修繕を行っている。また、今年の2月1日に「まちくるビジョン」を設置した。経費は4,500万円掛かっているが国の補助事業であるため、経済産業省が3分の2を補助、残り分については1,000万円が仙台市、残りを協議会が負担した。このビジョンでは、外国人観光客向けの案内動画や観光情報、ニュース天気予報に加え、企業広告を放映している。その広告料金などの収益を協議会の運営費に充てていく。まだスタートしたばかりのため予測ではあるが、年間1,000万円くらいの収益が上がると思われる。
(ウ)安全安心特別部会
この部会では、客引きに対する対策を行ってきた。震災以降、復興バブルにより客引きが増加したことにより、市民などから雰囲気が悪いとの声があり、仙台市に働きかけ、罰則を科す内容の「仙台市客引き行為等の禁止に関する条例」を策定してもらい、平成31年4月に施行された。
(今後の取り組み)

現在の中心部商店街の課題は、震災以降人口が地方に増加し、大規模小売店舗が郊外に増加したことなどによる中心部商店街での購買の減少や、中心市街地の路線価が高騰し、地元のお店の出店が厳しく大手企業の出店がメインとなっていること、今まで商売をしていた方が商売をやめビルオーナーとなり収益を得るようになっていることなどである。
こうした課題への対応として、検討中ではあるがベビーカーのシェアリングなど子育て世代への配慮、各種決済手段の導入によるインバウンドへの対応、域内循環バスの検討など様々な取り組みを行っていく。

(5)主な質疑応答
問:駐車場の取り組みについて、運営会社がいくつかあると思うが機械はどう統一しているのか。
答:駐車場によって異なるが、機械メーカーのAMANOと協力し、この機械を導入している三井のリパークを中心に、どうしても使えない場所や有人駐車場については、サービス券を金券として使用できるようになっている。
問:体験プログラムについて、海外の方へはどのようにして周知しているのか。
答:現在、体験プログラムのパンフレットについては、日本語と英語に対応しているが、令和2年度の予算では、中国語、韓国語に対応するパンフレットを制作する予定である。
また、情報を発信するため、仙台空港からの直行便がある国の方を中心に各国のブロガーを招きSNSで情報を発信してもらっている。
問:クラウドファンディングの仕組みと課題があれば教えていただきたい。
答:仕組みとしては、事業をしたい方、イベントをしたい方が支援を求めて、その集まった金額の10%がまちくる仙台に入ってくる。ただし、ローカル・クラウドファンディングのため、あまり利用者がいない事や支援者が仙台市内に限られるなどの課題がある。

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 2宮城県庁(宮城県仙台市)

(1)日時:令和2年2月4日(火曜日)13時30分~15時30分

(2)調査項目:産学官連携による先端科学技術分野の研究開発・技術支援について

(3)経過
初めに、千葉県議会商工労働常任委員会中沢委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、次に、宮城県議会事務局長から歓迎のあいさつがあった。
その後、新産業振興課技術副参事兼技術補佐から概要説明があり、質疑応答が行われた。
最後に、岩井副委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
宮城県の産学連携として、1950年代までは、東北大学で大学開発ベンチャーとして様々な企業を輩出してきた。東北大学金属材料研究所では、鉄鋼を中心とした研究、東北大学電気通信研究所では、情報通信を中心とした研究が行われ、それぞれの研究所の研究をベースとして様々な企業が生まれている。1950年代以降は、電気系企業の企業立地により電気・電子分野の製品・部品の製造が始まった。
宮城県では、新産業振興課と産業技術総合センターで技術支援、研究開発を行っている。また、技術相談のワンストップセンターとして、KCみやぎ推進ネットワークを平成17年に設置している。
KCみやぎ推進ネットワークは、産業技術総合センターに来る企業からの相談について、センターで対応できない内容のものをネットワーク内の大学や支援機関に照会をかけて企業からの相談を連携して対応し解決している。これまでに5,000件を超える相談に対応してきた。
産学官連携の取り組みの中の一つに、半導体製造技術を用いた基盤技術の確立や、人材育成を通じた新産業の創出を目的としたMEMSパークコンソーシアムがある。このコンソーシアムの主な取り組みの一つとして、試作コインランドリという研究センターを設置し、半導体試作開発のための設備を120機種揃えており時間貸しで貸している。利用件数は約1万件あり、年間の利用料収入が1億7千万円となっており、運用資金の7割をこの収入で賄っている。また、人材育成の取り組みとして、iCANという学生のMEMSに関するアイデアコンテストを行っている。
新規参入・新産業創出等を支援するため、地域イノベーション型や成長分野参入支援型など企業ニーズに合わせた3つの補助事業を用意している。
大学や企業等との情報交流の場として、組込み関連企業で構成されている「みやぎ組込み産業振興協議会」で産学交流会を行い、人材の育成、製品開発に向けた取り組みを行っている。
産業技術総合センターでは、技術相談や試験分析など5つの技術支援メニューを設けている。技術相談は年間約3,000件来ており、相談は無料で行っている。相談メニューの中でも珍しいものとして技術改善支援というものがあり、技術課題解決のためセンター職員と企業が共同で行っている。昨年度536件の実績があった。また、センターの重点注力産業分野として18課題を取り上げ、その研究開発を現在行っている。人材育成事業として、企業の新規採用職員や中堅職員を対象とした研修プログラムを設けている。
世界最先端の研究開発拠点として、次世代放射光施設が東北大学青葉山キャンパスに整備され2023年度に運用を開始する予定である。この施設は、放射光を使った巨大な顕微鏡であり、微細な物質構造や状態解析が可能となる。主に半導体やタイヤの素材や医薬品の研究開発に活用される。
販路開拓・取引拡大支援として、442機関で構成される「みやぎ高度電子機械産業振興協議会」が設立されている。この協議会は半導体・エネルギー、航空機、医療を重点分野としている。技術高度化・製品開発等支援補助金の成功事例として、MEMSを活用したガスセンサや耐熱性に優れたセラミックスなどが開発された。
リチウムイオン電池について、普通のリチウムイオン電池は飛行機の中で発火したという事例があったため、東北大学の教授が、安全安心なリチウムイオン電池とするためマンガンを入れたマンガン系リチウムイオン電池を開発している。その製品を生産するため、(株)I・D・Fという企業が石巻市にある廃校となった学校に製造工場を設置し、そこで製造を行っている。宮城県はそれぞれに補助金等で支援を行っている。

(5)主な質疑応答
問:新産業振興課において、専門分野の職員の確保について、何か取り組んでいることはあるか。
答:人材確保については、特段取り組みは行っていないが、技術分野については、産業技術総合センターから技術職員4名が、新産業振興課の各班に配置されている。
問:新規参入・新産業創出等支援事業について、各補助制度の年間の実績はどうか。
答:実績としては、地域イノベーション創出型が4件、成長分野参入型が5件、グループ開発型が2件である。
問:検査機器の予算は十分に確保できているか。
答:十分とは言えないため、各種機器の更新計画を立て、必要に応じ修繕又は更新を行っている。
なお、大きな財源として、みやぎ発展税というものがあり、民間企業の中で利益が出た部分の一部を発展税として徴収し、その一部を機器導入費用に充てている。

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 3東北大学未来科学技術共同研究センター(宮城県仙台市)

(1)日時:令和2年2月5日(水曜日)9時15分~11時30分

(2)調査項目:産学官連携による先端科学技術分野の研究開発・技術支援について

(3)経過
初めに、東北大学未来科学技術共同研究センター教授の案内により、施設内で自動運転車等の見学を行った。
次に、千葉県議会商工労働常任委員会中沢委員長から調査協力に対するお礼のあいさつを行い、続いて、東北大学未来科学技術共同研究センター長から歓迎のあいさつが行われた。
その後、東北大学未来科学技術共同研究センター長及び仙台市プロジェクト推進課担当課長から概要説明があり、質疑応答が行われた。
最後に、岩井副委員長がお礼のあいさつをした。

(4)概要説明
東北大学未来科学技術共同研究センターについて

東北大学未来科学技術共同研究センターは社会の要請に応える新しい技術と新しい産業分野の創出を社会へ提案することを目指し、産業界などと共同研究の推進を図り、先端的かつ独創的な開発研究を行うことで広く国内産業・地域産業の活性化に資することを目的に、平成10年4月に設置された。
活動拠点として、平成12年に産学連携の研究プロジェクト遂行のための施設である本館、平成14年には東北大学が展開する“新半導体・ディスプレイ産業創製プロジェクト”の趣旨に賛同した産業界の支援により建てられた未来情報産業研究館、大学発ベンチャーの創出を目的とした施設のハッチェリースクエアが完成した。さらに平成22年に機密が保たれた施設内で大学研究者と企業の研究者が共同研究等を実施し、実用化に向けた研究を行う未来産業技術共同研究館を竣工した。
産学官連携の取り組みについて
東北大学、東北経済連合会、宮城県及び仙台市の4者のトップが地域経済や産業の発展・活性化に向けた情報交換や合意形成の場として平成15年から「産学官連携ラウンドテーブル」という会議が開催されている。
産学官連携ラウンドテーブルの実績として東京エレクトロン、トヨタ自動車東日本など大企業の誘致を実現している。東京エレクトロンは千人単位の雇用を地域で創出し、地域産業の大きな原動力になっている。
さらに産学官連携の取り組みとして、大学発ベンチャー企業の育成支援に力を入れている他、東日本大震災から半年後の平成23年10月に浸水により事業縮小したソニーの遊休施設を10年間無償で借り受け、大学等の先端技術をもとに新産業による地域雇用創出に向けてみやぎ復興パークを設立し、被災した地域工場の早期操業再開に成功した。
現在は、東北大学で持っている自動運転、ドローン、リチウムイオン電池等の要素技術を組み合わせて公共システムの提案をすること、その上で実証実験により地域社会の課題を発見し解決すること、そして最終的にはどのように産業創成まで進めていくかを目的として産学官協力のもと、事業に取り組んでいる。
仙台市国家戦略特区について
仙台市では平成27年に国家戦略特区の指定を受け、その際に東北大学と共に自動走行やドローン飛行等の実証実験を積極的に行っていく近未来技術実証特区として位置づけられた。
企業や大学等との連携による実証実験を推進しており、NTTドコモとのICTを活用したまちづくりに関する連携協定や国家戦略特区を活用した実証拠点の整備とその活用等を進めていくために東北次世代移動体システム技術実証コンソーシアムを設立した。
近未来技術実証の仕組みづくりとしては仙台市近未来技術実証ワンストップセンターを設置し、スタートアップ企業等による自動運転、ドローン、AI・IoT等の近未来技術実証実験に必要な関係機関との調整等をワンストップで支援している。

(5)主な質疑応答
問:産学官連携ラウンドテーブルは決まった時期に行われているのか。
答:以前は年に1、2回行っていたが現在は必要に応じて行っている。
東日本大震災の時はトップ同士の意思統一が迅速にでき、国に対して早急に解決すべき課題の提案ができた。
問:産業人材の育成方法について東北大学ではどのように考えているか。
答:基本的に経済界や自治体が施策の中で考えていることだが、大学側はそれを柔軟に受け入れるという気持ちでやっている。また、東北大学の教官を宮城県や仙台市に派遣する制度があり日常的に意見交換をする場もある。
問:仙台市近未来技術ワンストップセンターの実績はどうか。
答:平成30年度は相談が10件あり、2件が実証実験を行った。

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 参加者名簿

《委員》

職名 氏名 会派

委員長

中沢裕隆

自民党

副委員長

岩井泰憲

自民党

委員

阿部紘一

自民党

委員

臼井正一

自民党

委員

大崎雄介

立憲民主党

委員 天野行雄 千葉民主の会

委員

阿部俊昭

公明党

委員

川井友則

無所属

委員 田沼隆志 無所属

《随行》

所属・職名 氏名 備考
商工労働部次長

生稲芳博

 
商工労働部経済政策課課長 入江信明  
商工労働部経済政策課副課長 山下英之 議事課主幹(併任)

議会事務局総務課主事

青木有実子  

議会事務局議事課主事

勝村典貴  

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 日程表

月日

場所

備考

2月4日

東京駅

 

8時40分

はやぶさ7号

仙台駅

10時15分

 

 

まちくる仙台 10時45分 12時05分 調査

宮城県庁

13時30分

15時30分

調査

宿舎

 

 

 

2月5日

宿舎

 

 

 

東北大学未来科学技術共同研究センター

9時15分

11時30分

調査

仙台駅

 

14時00分

やまびこ214号

東京駅

16時16分

   

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お問い合わせ

所属課室:議会事務局議事課委員会班

電話番号:043-223-2518

ファックス番号:043-222-4073

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