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周囲のサポートを得ながら家庭との両立をはかる

集中治療科 医師 Kさん

 

県内救急医療の最後の砦としての役割を果たす千葉県総合救急災害医療センター。「うちができなければどこがやるのか」という強い思いで重症患者の治療に当たっています。

プライベートでは2児の母として奮闘しながら、集中治療医として研鑽を積む思いを聞きました。

 

最後の医療の質を改善するため救急・集中治療を専攻

ーー救急医を専攻したきっかけを教えてください。

医学部入学当初は精神科希望でしたが、在学中から初期研修を通して、救急・集中治療を専攻したいという思いが強くなりました。

時間外の医療体制の不十分さや救急での救命困難なケース、集中治療室での最後の医療についてもっと改善したいと思う出来事に直面したからです。

ーーこの病院を選んだ理由を聞かせていただけますか?

ER型救急を中心に勤務してきたため、より重症疾患のマネジメントに習熟したいと思ったからです。

また、精神医療センターと統合することで、精神科救急の対応と患者さんや家族の心のケアも将来的に学んでいけるのではと考えました。

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総合病院ではないため、すべての診療科が揃っているわけではありませんが、各診療科同士の垣根が低く、他科のスタッフとも相談しやすい雰囲気ですね。

 

 

救急医療の最後の砦として貢献できる職場

ーー千葉県総合救急災害医療センターで働く魅力を教えてください。

ECMO・REBOAや血液浄化などの救命処置が迅速に実施できるため、重症患者の蘇生や救命に長けているのが魅力ですね。

搬送困難症例の受入れ要請への対処も行っているため、千葉県の救急医療の最後の砦として貢献できることにも誇りを感じています。

働きやすさという点では、ICUのカンファレンスを全科で行うため、情報共有しやすいです。また、主治医制ではなくチーム診療なので、重症患者さんを多く診療しても過度な負担がかかりません。

新病院なので診療部門だけでなく医局も新しくて心地よく働けます。オーシャンビューで疲れた心も癒やされますし、夕日もきれいで富士山も見えますよ。

ーー成長を実感した出来事について教えてください。

救急・集中治療だけでなく、一般病棟に移ったあとの退院・転院を見据えた中長期的な管理ができるようになったのが大きな成長ですね。

救急・集中治療に関連する処置では、カテーテル留置や気管切開などの研鑽が積めました。
多発外傷患者の診療経験や、血液浄化療法の適応・導入の決断、集中治療で用いる薬剤について習熟することもできました。

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救急外来のみならず、集中治療室においてはECMO管理や心臓血管外科術後の管理にも携われることもありがたい経験です。

重症患者受け入れの際には集中治療科と各科が一斉に診療にあたることがあります。迅速に診療・治療が開始できる理想的な体制だと感じました。当直帯も各専門診療科の医師が当直しているため、重症患者への対応を安心して行うことができます。

また、ICUのカンファレンスを全科で行うため、情報共有がしやすいと感じました。主治医制ではなく、チーム診療であるために重症患者さんを数多く診療しても、過度な負担はないと思います。

当院で勤務する上での生活・待遇面としても恵まれている点があります。食堂では健康的な食事がリーズナブルな値段で3食提供されます。

ーー研修先を迷っている先生へメッセージはありますか。

年々救急科専攻医プログラムをもつ基幹病院が増えていますが、2次救急病院やER型救急で研修されている方もおられると思います。集中的に3次救急の研鑽を積みたいと考えている先生方に、ぜひ当院での研修をおすすめしたいと思います。

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女性医師としてのキャリアと子育てとの両立

ーー出産・産休に向けて職場のサポートや理解は十分得られましたか?

2人目を妊娠中のときは、当直など負担のかかる業務について「無理のないペースで勤務できるように」と、周りから常に気をかけていただきました。

放射線業務や重労働なども周りの方に交代していただけたため、無事に出産を迎えることができました。

夫は同病院の他科所属のため、上司から夫の勤務も調整・配慮いただいたことも大きかったです。夫の協力もあり安心して出産に臨めました。

ーー出産・育児について福利厚生面のおすすめポイントを教えてください。

当院には院内保育があり、月極利用の他に一時利用もできるのでいざというときに非常に助かります。
子どもが他の保育園に通っていても預けられますよ。

産前休暇は一般的に6週間前からですが、公務員であるため産前8週から産休が取れることも大変ありがたいですね。

ーー当院は子育てしながら働きやすい環境でしょうか?

集中治療科は時間外コールがほとんどなくオンオフがはっきりしているので、仕事と子育てとの両立がしやすいと思います。

当科では、夕方に夜間勤務者との引き継ぎを行うため、調整をすれば保育園のお迎えの時間にも間に合うのもよいですね。

また、子育て中の先生も多いため、子どもの病気など諸事情についての理解やサポートがしっかりしていると感じます。

私自身は、重症患者のマネージメントに習熟し、かつ精神科救急についての理解を深めていきたいと考えています。当院は救急科専門医と精神科専門医のダブルボードを無理なく目指すことができる数少ない病院だと思います。

忙しい職場ですがサポート体制が充実しているので、女性医師としてのキャリアと育児との両立を目指せるのではないでしょうか。産休育休が明けたら夫や周囲のサポートを得ながら、仕事と育児をがんばっていきたいです。