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更新日:令和7(2025)年11月26日

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RSウイルス感染症について

 RSウイルス感染症はウイルスによって引き起こされる呼吸器の感染症です。

毎年、乳幼児を中心に流行しており、乳児や高齢者、基礎疾患のある方では時に重症化することがあります。

原因と感染経路

  • RNAウイルスのRSウイルス(respiratory syncytial virus)に感染することで発生します。
  • 咳やくしゃみの飛沫を吸い込むことによって感染する飛沫感染やウイルスが付着した手や物品(おもちゃ、ドアノブなど)を介して感染する接触感染が主な感染経路として知られています。

症状等

  • 発熱、鼻汁、咳などの上気道炎症状や気管支炎や肺炎などの下気道症状などが主な症状で、急性呼吸器感染症(ARI)の一つとしても挙げられています。
  • 初めて感染した乳幼児の約7割は軽症で数日のうちに回復しますが、約3割で咳が悪化し、喘鳴(ぜいめい:ゼーゼーと呼吸しにくくなること)や呼吸困難、気管支炎の症状が増加すると言われています。
  • 特に生後6か月以内に感染した場合、細気管支炎や肺炎などを引き起こすことがあります。
  • その他、基礎疾患を有する患者や高齢者についても重症化リスクがあることが知られています。
  • 2歳までにほぼ100%の乳幼児が少なくとも1度は感染すると言われ、既に感染したことのある幼児や成人などが再感染した場合、軽い風邪のような症状でおさまる場合が大半です。

潜伏期間

潜伏期間(ウイルスが体内に侵入してから症状が出るまでの期間)は約2日間から8日間(多くの場合は4日間から6日間程度)と言われています。

流行時期、発生地域

  • RSウイルス感染症は毎年、全国的に患者が発生しています。
  • 以前は夏頃から患者が増え始め、秋にピークが見られていましたが、令和3年(2021年)以降は流行が早まっており、春頃から初夏にかけて継続した増加が見られ、夏にピークがみられるような傾向となっています。
  • 最新の全国、県の発生状況は以下のホームページを御参照ください。

感染症発生動向調査週報一覧(国立健康危機管理研究機構)外部サイトへのリンク

千葉県感染症情報センター

診断・検査

患者さんの年齢や症状の状態等を考慮して、鼻咽頭、鼻粘膜のぬぐい液等を採取し、RSウイルスが含まれているかどうかを調べる検査(迅速診断検査等)を実施する場合がありますが、すべての患者さんに対して実施しているものではありません。

治療方法

RSウイルス感染症に対する特効薬はないため、治療は主に症状を和らげる対症療法が行われます。

重症化リスクが高い児(早産児、心肺疾患を有する児等)に対してはRSウイルスモノクローナル抗体製剤が予防目的で投与される場合があります。

予防

基本的な感染症対策の徹底

  • 日常的に触れるおもちゃ、手すり、ドアノブなどはこまめにアルコールや塩素系の消毒剤などで消毒し、流水・石鹸による手洗いやアルコール製剤による手指衛生をこまめに行ってください。
  • 鼻汁、咳などの呼吸器症状がある場合にはマスクを使用するなど咳エチケットを心がけることや、手洗いや手指衛生といった基本的な対策の徹底をしてください。

rsポスター

予防接種(ワクチン)

  • RSウイルス感染症のワクチンには、主に「60歳以上の成人または重症化リスクの高い50代の成人を対象としたワクチン」と「妊婦に接種して新生児や乳児の重症化を防ぐワクチン」の2種類があります。
  • これらのワクチンはいずれも重症化リスクのある方々の予防を目的としており、現時点においては法令で定められた定期接種ではなく、任意の予防接種の位置づけです※。
  • 接種にあたっては、事前に主治医等とよくご相談のうえ、ご検討ください。

※本年11月に開催された国の予防接種基本方針部会にて、「妊婦に接種して新生児や乳児の重症化を防ぐワクチン」が令和8年4月1日から定期接種化されることが決まりました。詳細は以下のページをご覧ください。

参考

第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料1 小児におけるRSウイルス感染症の予防について(厚生労働省)外部サイトへのリンク

第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 参考資料1 RSウイルス母子免疫ワクチンと抗体製剤ファクトシート(厚生労働省)外部サイトへのリンク

抗体薬

  • 重症化リスクのある小児を対象に、重症化抑制を目的とした医薬品(※治療薬ではありません)が担当の小児科医等の判断に基づき、個々の症例ごとに適用が検討されます。

法令上の位置づけ

  • 感染症法上、5類感染症に指定されている疾病です。
  • 県が指定した小児科を標榜する診療所等(小児科定点)の医師がRSウイルス感染症と診断した患者数等を管轄保健所へ毎週報告することで、この感染症の発生動向(患者数の増減、年齢別地域別の状況など)を調査しています。
  • 学校や保育園等で明確な出席停止日数の定めはありませんが、咳や鼻水等の症状が消失し、全身状態が良いことが登校(登園)目安とされています。

参考

千葉県感染症情報センター(千葉県)

RSウイルス感染症(厚生労働省)外部サイトへのリンク

RSウイルス感染症に関するQ&A(厚生労働省)外部サイトへのリンク

RSウイルス感染症(国立健康危機管理研究機構)外部サイトへのリンク

第32回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会外部サイトへのリンク

第72回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会外部サイトへのリンク

お問い合わせ

所属課室:健康福祉部疾病対策課感染症予防班

電話番号:043-223-2691

ファックス番号:043-224-8910

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