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更新日:令和5(2023)年4月21日

ページ番号:23622

答申第63号

答申第63号

平成18年9月11日

千葉県教育委員会委員長様

千葉県個人情報保護審議会

会長原田三朗

 

自己情報是正再申出の処理について(答申)

平成15年6月17日付け教職第180号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成10年5月13日付で再申出者から提起された、再申出者本人の平成7年度勤務評定書における個人情報(生年月日)に係る自己情報是正再申出に対する処理について


是正再申出第7号

答申第63号

審議会の結論再申出の経緯再申出者の主張実施機関の説明審議会の判断審議会の処理経過

1.審議会の結論

千葉県教育委員会(以下「実施機関」という。)が、平成10年1月30日付け教高第18号の31で通知した自己情報是正申出の処理に対し、平成10年5月13日付けで提起された自己情報是正再申出(以下「再申出」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は、次のとおり判断する。

実施機関が行った自己情報是正申出の処理は妥当である。

2.再申出の経

(1)再申出を行った者(以下「再申出者」という。)は、平成9年10月22日付けで本人に係る平成7年度から平成9年度までの勤務評定書の自己情報開示請求を行った。

(2)上記開示請求について、実施機関が平成9年11月6日付けで自己情報部分開示決定を行ったところ、平成7年度の勤務評定書中、再申出者の生年月日を記載する欄が記載漏れとなっていたことから、再申出者は、平成9年11月19日付けで、平成7年度勤務評定書中の生年月日の欄に「○○○○年△月□日生」と記載することを求める自己情報訂正請求を行った。

(3)上記訂正請求に対し、実施機関は、平成9年12月17日付けで、平成7年度勤務評定書中の再申出者の生年月日を、「昭和○○年△月□日生」と記載する訂正決定を行った。

(4)これに対し、再申出者は、平成9年12月21日付けで上記訂正決定について異議申立てを提起するとともに、同日付けで、訂正内容を「昭和○○年△月□日生」とした実施機関の決定について自己情報の是正を申し出た。

(5)上記異議申立てについては、審議会が平成11年7月26日付け答申第25号により、「条例第22条第1項の規定によれば、開示を受けた自己の個人情報に事実の誤りがあるときに、その訂正の請求ができるとされているが、本件について異議申立人の生年に事実の誤りは認められない。」ことを理由として、「実施機関が行った本件自己情報に係る訂正決定は妥当である。」と答申し、実施機関は答申に基づき決定を行った。

また、自己情報是正申出については、実施機関から、平成10年1月30日付け自己情報是正申出処理通知書により是正しない旨通知したところであり、再申出はこの通知に対しなされたものである。

3.再申出者の主張

(1)自己情報開示請求によって開示された平成7年度勤務評定書の生年月日が未記入であったため、実施機関に対し、「訂正後」を「○○○○年△月□日生」とする自己情報訂正請求を行った。しかしながら、実施機関は、私の了解を受けずに「昭和○○年△月□日生」と加筆した。ちなみに同欄は、初めより「昭和」の使用が定められていない。

(2)誕生日は個々人に帰属するプライバシーであり、行政が勝手に元号を用いた生年月日の使用を専らにすることはできない。

(3)特に、本件においては、再申出者自身から自己の生年月日の扱いについて西暦表示を求めているのであるから、行政庁側はこれに従う義務がある。

(4)ついては、実施機関は、再申出者の申出のとおり、勤務評定書に記載された自己の個人情報を是正すること。

(5)仮に、申出に従わず個人の生年月日に元号表記の強制を行うなら、個人に関わる基本的人権の制限に対する法理を明確にすべきである。なお、国会において、いわゆる「元号法」の制定を行った際に、国民に対して元号使用強制を行ってはならないとした決議があることを申し添える。

4.実施機関の説明

(1)千葉県個人情報保護条例の一部を改正する条例(平成17年千葉県条例第17号)による改正前の千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。以下「条例」という。)第26条は、自己の個人情報について条例第8条、第10条又は11条の規定に違反した取扱いを受けていると認めるときは、実施機関に対し、当該自己の個人情報についてその取扱いの是正の申出をすることができると定めていた。

(2)条例第8条は収集の制限、第10条は利用及び提供の制限、第11条は実施機関以外のものに対する提供の制限に関する規定である。

(3)再申出者は、勤務評定書中の生年月日欄は、様式その他から元号使用が義務付けられておらず、再申出者自身から自己の生年月日の扱いについて、西暦表示を求めているのであるから、行政庁側としてはこれに従うべきであり、元号表記を強制することは日本国憲法で保障された基本的人権を侵害するものであると主張する。

(4)しかし、条例に違反した取扱いと認められる場合とは、条例第8条、第10条、第11条に規定する取扱いに違反した場合をいうのであり、本件情報は再申出者本人の訂正請求により再申出者本人から提供を受けたものであること、思想、信条、宗教に関する情報ではないこと、利用が勤務評定書に記載するものであるという点で明確であること、実施機関以外の者に提供されていないことから、条例に違反した取扱いが行われたとは認められない。

(5)勤務評定書に生年月日を西暦で記載するか、元号で記載するかは定められていないことから、実施機関では、統一的な事務処理を行う観点から元号を用いて記載したものであり、再申出者の言う人権侵害も含め何ら違法な点はないと考えられる。

(6)以上のことから、自己情報是正申出については理由がなく、是正しない旨の決定を行った。

5.審議会の判断

(1)条例第27条該当性について

ア本件再申出の趣旨は、平成7年度勤務評定書中の再申出者の生年月日の記載が、現在は元号を用いて記載されているところ、西暦を用いたものに是正するよう求めるものである。

条例第27条は、「前条第5項の規定による通知を受けた自己の個人情報に係る処理の内容に不服があるときは、実施機関に対し、再度の是正の申出…をすることができる。」と規定しており、再是正が認められるためには第26条と同様に、対象となる個人情報が第8条、第10条又は第11条の規定に違反する取扱いを受けていると認められることが必要である。

イそこで、本件について上記各条に違反する取扱いの有無を検討すると、以下のとおり、再申出者の申出に係る個人情報について、その事実は認められない。

(ア)条例第8条について

再申出の対象である平成7年度勤務評定書に記載の再申出者の生年月日は、実施機関が再申出者の平成9年11月19日付け自己情報訂正請求書により再申出者本人から適法かつ公正な手段により収集したものであること、思想、信条、宗教に関する情報でないこと、利用目的が勤務評定書に記載するものであるという点で明確であり、かつ、その個人情報を取り扱う事務の目的達成に必要な範囲内の収集であることから、第8条に違反する取扱いは認められない。

(イ)条例第10条及び第11条について

実施機関は、平成9年11月19日付け再申出者の自己情報訂正請求に応じて平成7年度勤務評定書中の生年月日欄を追記したものであり、その利用はまさに本来の利用目的に当たると認められる。

また、実施機関において、当該情報を目的外に利用し、又は、実施機関以外のものに提供した事実も認められない。

ついては、第10条又は第11条に違反する取扱いも認められない。

(2)結論

以上のことから、「1審議会の結論」のとおり判断する。

なお、再申出者及び実施機関双方のその他の主張は、再申出の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

6.審議会の処理経過

審議会の処理経過は別紙のとおりである。


別紙

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成15年6月17日

諮問書の受理

平成15年9月10日

実施機関の理由説明書受付

平成18年6月19日

審議(第142回審議会)

平成18年7月24日

審議(第143回審議会)

 


 

答申第63号(平成18年9月11日付け)(PDF:21KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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