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更新日:令和5(2023)年4月25日

ページ番号:23677

答申第160号

答申第160号

平成28年6月10日

千葉県公安委員会

委員長岩沼静枝様

千葉県個人情報保護審議会

会長土屋俊

 

審査請求に対する裁決について(答申)

平成25年12月18日付け公委(○警)発第2号による下記の諮問について、別添のとおり答申します。

平成25年11月18日付けで審査請求人から提起された自己情報部分開示決定(平成25年10月21日付け○警発第342号)に係る審査請求の裁決について


諮問第144号

答申第160号

1.審議会の結論2.審査請求の経緯3.審査請求人の主張要旨4.諮問実施機関の説明要旨5.審議会の判断6.審議会の処理経過

1.審議会の結

千葉県警察本部長(以下「実施機関」という。)が平成25年10月21日付け○警発第342号で行った自己情報部分開示決定(以下「本件決定」という。)について、千葉県個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)は次のとおり判断する。

実施機関の判断は、妥当である。

2.審査請求の経緯

(1)審査請求人は、平成25年10月7日付けで、実施機関に対し、千葉県個人情報保護条例(平成5年千葉県条例第1号。平成28年千葉県条例第15号による改正前のもの。以下「条例」という。)第16条第1項の規定により、「私が、平成△年△月△日から平成▲年▲月▲日迄の間に、○○警察署に自宅前に設置されている防犯灯の件について相談した内容が記載された私が相談者となっている警察安全相談受理票」の開示請求(以下「本件請求」という。)を行った。

(2)本件請求に対し実施機関は、対象文書を次のア~コのとおり特定した上で、その不開示部分は条例第17条第2号、第3号及び第6号に該当するとして本件決定を行った。

  • ア「警察安全相談受理票(甲)」(平成△年△月△日付け受理番号○○○○。以下「本件文書1」という。)
  • イ「警察安全相談受理票(乙)」(平成△年□月□日付け受理番号○○○○。以下「本件文書2」という。)
  • ウ「警察安全相談受理票(乙)」(平成△年●月●日付け受理番号○○○○。以下「本件文書3」という。)
  • エ「警察安全相談受理票(乙)」(平成△年▲月▲日付け受理番号○○○○。以下「本件文書4」という。)
  • オ「警察安全相談受理票(乙)」(平成□年△月△日付け受理番号○○○○。以下「本件文書5」という。)
  • カ「警察安全相談受理票(甲)」(平成□年□月□日付け受理番号○○○○。以下「本件文書6」という。)
  • キ「警察安全相談受理票(乙)」(平成●年△月△日付け。以下「本件文書7」という。)
  • ク「警察安全相談受理票(甲)」(平成●年□月□日付け受理番号○○○○。以下「本件文書8」という。)
  • ケ「警察安全相談受理票(乙)」(平成●年●月●日付け受理番号○○○○。以下「本件文書9」という。)
  • コ「警察相談票」(平成▲年▲月▲日付け受理番号○○○○。以下「本件文書10」といい、本件文書1~本件文書10を総称して「本件各文書」という。)

(3)本件決定に対し審査請求人は、行政不服審査法(昭和37年法律第160号)第5条の規定により、実施機関の上級行政庁である千葉県公安委員会に対し、平成25年11月18日付けで本件決定の取消しを求め、審査請求(以下「本件審査請求」という。)を行った。

(4)これを受けて、条例第46条第2項の規定する諮問実施機関である千葉県公安委員会(以下「諮問実施機関」という。)は、同条第1項の規定により、平成25年12月18日付け公委(○警)発第2号で審議会に諮問した。

3.審査請求人の主張要

(1)審査請求の趣旨

本件決定の取消しを求める。

(2)審査請求の理由

審査請求人が、審査請求書及び意見書で主張している審査請求の理由は、おおむね以下のとおりである。

ア相談の要旨について、審査請求人の相談した内容と異なる。

イ自筆文書(1)店舗、自宅の入り口3枚、(2)△△と他の電気業者8枚、(3)防犯灯の熱傷を受けて2枚、(4)市役所と△△電機の対応23枚、(5)オレンジ色の光線被害(防犯灯)9枚、(6)眼科の診断書(平成○年○月○日、電気性眼炎の疑い)1枚、(7)○○市役所職員6名の名刺記1枚、○○電気所長、課長、市長、議員4名の名刺記1枚、(8)防犯灯の位置の写真、(9)私の熱傷の顔写真、(10)熱傷治療過程1枚、(11)同じ防犯灯で熱傷した方の証明書1枚、(12)市長にFAX書類4枚、(13)市総務副参事の書1枚、(14)○○広報(平成○年○月○日)1部及び(15)その他3枚を○○警察署生活安全課○○巡査部長に提出した。

ウ今回開示された文書18枚のほかにも本件請求に係る文書があるはずなので、これらを含めて対象文書として特定し、再度開示決定をしてほしい。

4.諮問実施機関の説明要

諮問実施機関は、平成26年2月5日付けで審議会に対し提出した理由説明書において、おおむね次のとおり主張している。

(1)対象文書の性質

実施機関は、「警察安全相談取扱要領の制定について」(平成20年3月25日例規第19号。以下「例規」という。)に基づき、犯罪による被害の未然防止に関する相談その他県民の安全と平穏に関わる相談を「警察安全相談」と位置付け、面接、電話等により受理していた。

受理した相談に対しては、問題解消のためのアドバイスや関係機関の紹介を行うことのほか、相談内容によっては事件の立件やパトロールを強化する等の対応を行うものであり、例規に規定する様式である「警察安全相談受理票」は、受理した相談の内容や対応結果を明らかにしておくために作成するものである。

また、新規に相談を受理した場合は、「警察安全相談受理票(甲)」を作成し、既に受理している相談について継続対応をした場合には、「警察安全相談受理票(乙)」を作成していた。

なお、現在は、「千葉県警察相談取扱規程」(平成25年3月25日本部訓令第3号)により例規を廃止し、警察に対し、指導、助言、相手方への警告、検挙等、何らかの権限行使その他の措置を求めるものを「警察相談」と位置付け、「警察安全相談受理票」の様式についても、平成24年9月24日付け警察本部長通達により「警察安全相談票」に様式を変更し、さらに、平成25年3月28日付け警務部長通達により「警察相談票」に様式を変更している。

(2)対象文書の記載内容

本件各文書は、○○市が設置した防犯灯の光により視力が低下したり火傷を負ったため○○市に相談するも取り合ってもらえないとの相談を審査請求人から受理し、相談受理者が審査請求人から聴取した内容やその対応状況等について記載したもの及び同相談に基づき相手方となっている○○市等から聴取した内容に関するものである。

様式の構成は、警察安全相談受理票(甲)については、決裁欄、受理番号欄、受理日時欄、受理者欄、相談者欄、相手方欄、受理窓口欄、受理態様欄、件名欄、相談の要旨欄、措置結果欄(措置者(職員番号))及び指揮事項欄等からなり、警察安全相談受理票(乙)については、受理番号欄、相談者欄、決裁欄、対応月日欄、措置者(職員番号)欄、措置区分欄、相談の要旨及び措置結果欄及び指揮事項欄等からなり、警察相談票については、決裁欄、受理所属欄、受理番号欄、受理日時欄、受理窓口欄、取扱者欄、件名欄、内容分類欄、相談者欄、相手方欄、指揮伺い欄、所属長指揮事項欄、危険性欄、相談の要旨欄及び措置結果欄等からなる。

(3)対象文書の不開示部分(別表1~37)及びその理由について

ア別表の1、2、4、5、7、8、13、14、20、21、26、27、29及び30

警部補以下の階級にある警察官の名であり、条例第17条第2号及び千葉県個人情報保護条例第17条第2号ハの警察職員を定める規則(平成17年千葉県規則第65号。以下「警察職員規則」という。)で定める警察職員の氏名に該当するため不開示とした。

イ別表の16~18、23及び24

警部補以下の階級にある警察官の氏名であり、条例第17条第2号及び警察職員規則で定める警察職員の氏名に該当するため不開示とした。

ウ別表の32及び33

警部補以下の階級にある警察官及び同階級に相当する職にある警察官以外の警察職員の氏名であり、条例第17条第2号及び警察職員規則に該当するため不開示とした。

エ別表の3、6、9、15、19、22、25、28及び31

職員番号は、警察職員個々に付与された番号であり、審査請求人以外の特定の個人を識別することができる情報として、条例第17条第2号に該当するため不開示とした。

オ別表の34

取扱者欄の「職員番号」に記載されている番号は、嘱託職員個々に付与されたID番号であり、審査請求人以外の特定の個人を識別することができる情報として、条例第17条第2号に該当するため不開示とした。

カ別表の10

審査請求人以外の個人に関する情報が記載されており、審査請求人以外の特定の個人を識別することができる情報であるとともに、開示することにより、関係者に誤解や憶測を招き、警察業務への信頼関係が損なわれる等、以後の相談業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報として、条例第17条第2号及び第6号ハに該当するため不開示とした。

キ別表の11及び12

審査請求人以外の個人に関する情報が記載されており、審査請求人以外の特定の個人を識別することができる情報であり、また、警察官が審査請求人以外の関係者から聴取した法人等に関する情報であり、開示することを前提に提供されたものではなく、収集した経緯及びその後の状況等に照らして開示しないとの条件を付すことが合理的であると認められる情報であるとともに、開示することにより関係者と警察の信頼関係が損なわれ、警察の事情聴取に応じなくなる等、以後の相談業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報として、条例第17条第2号、第3号ロ及び第6号ハに該当するため不開示とした。

ク別表の35

開示することにより、当該内線電話の開設目的とは異なる架電を誘発したり、関係者から抗議を受けるなど相談業務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報として、条例第17条第6号ハに該当するため不開示とした。

ケ別表の36

警察職員が判断した内容が記載されており、開示することにより、関係者に誤解や憶測を招き、以後の相談業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報として、条例第17条第6号ハに該当するため不開示とした。

コ別表の37

危険性及び緊急性の有無等により、区分した以後の取扱い方針等が記載されており、開示することにより、関係者に誤解や憶測を招き、警察業務への信頼関係が損なわれるなど、相談業務の円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報であることから、条例第17条第6号ハに該当するため不開示とした。

(4)審査請求人の主張に対する検討結果

ア審査請求人の主張する「審査請求人の相談した内容と異なる」について

実施機関は、審査請求人の「審査請求人の相談した内容と異なる」という申立てに対し、条例第30条及び第31条の訂正請求権及びその手続について説明を行い、審査請求人は了承している。

イ対象文書の特定について

(ア)審査請求人は、複数回に及ぶ相談の都度、大量の書類を持参していた。しかし、条例第8条第1項の規定により不必要な個人情報を収集することはできないことから、実施機関は相談内容に基づいてその都度必要と認められる書類を選別した上で受領しており、不必要と認めた書類については審査請求人に持ち帰らせているため受領していない。

受領した書類については、受領後に廃棄することなく、全て警察安全相談受理票等に添付している。

(イ)審査請求人は、上記3(2)イの(1)~(15)の書類を実施機関に提出した旨を主張しているが、実施機関においては「(5)オレンジ色の光線被害(防犯灯)9枚」を平成△年□月□日に受領し、(1)~(4)及び(6)~(15)については受領していない。

また、上記「(5)オレンジ色の光線被害(防犯灯)9枚」以外に平成△年□月□日診断書3枚、平成●年□月□日当該防犯灯を図解した資料1枚、当該防犯灯設置に係る資料1枚、防犯灯カタログ資料1枚、診断書3枚の計6枚を審査請求人から受領したことから、上記「(5)オレンジ色の光線被害(防犯灯)9枚」と合わせ、実施機関が審査請求人から受領した書類は合計18枚となり、これら全て自己情報部分開示決定をしていることから文書特定に誤りはない。

5.審議会の判

(1)対象文書の特定について

ア実施機関は、本件請求に対して、上記2(2)のとおり、本件各文書を特定して本件決定を行ったところ、審査請求人は、上記3(2)イのとおり、(1)~(15)の文書を実施機関に提出したので、本件各文書のほかにも対象文書が存在するはずであり、これらも含めて特定の上、再度開示すべきと主張している。

イこれに対し、諮問実施機関は、上記4(4)イのとおり、審査請求人が提出した文書のうち、必要と認めたもののみを実施機関において受領し、不必要と認めた書類は、審査請求人に持ち帰らせており、受領している文書は全て警察安全相談受理票等に添付し本件決定をしていることから、文書の特定に誤りはないと説明する。

ウ審議会が諮問実施機関に対し、上記イの追加説明を求めたところ、その概要は次のとおりである。

(ア)通常、相談者が持参した資料の取扱いについては、相談を受けた職員が、その相談内容に応じて、当該資料の必要性を判断する。

このことについて、本件請求に係る相談を担当した職員に確認したところ、審査請求人が持参した資料には、審査請求人が作成したと思われるメモ等、客観的な証拠とは認められないものが多く含まれていたことから、必要なもののみを受領し、不必要であると認めた資料は、審査請求人が全て持ち帰っていると説明する。

(イ)実施機関は、本件請求時及び本件審査請求時に本件請求の対象となる文書について、次のとおり、探索を行っている。

a本件請求時においては、本件請求の受理日に警察相談を担当している○○警察署の生活安全課相談係員2名により、同課の執務室及び書庫を探索しており、この時、本件各文書の保存期限が3年であることから、平成△年度作成の文書については、廃棄されることを避けるため、警務課執務室の開示請求関係文書の保管ロッカーへと場所を移動させている。

bまた、本件審査請求時においては、本件審査請求受理日の翌日に生活安全課相談係員2名及び警務課係長1名の計3名により、生活安全課の執務室及び書庫並びに警務課の執務室を探索している。

(ウ)上記(イ)のとおり、実施機関は、本件請求時及び本件審査請求時に、審査請求人が存在すると主張する文書の探索を行ったが、その存在は確認できなかったと説明する。

エかかる諮問実施機関による上記ウ(ア)の説明について、特段不合理な点は認められない。さらに、上記ウ(イ)及び(ウ)の探索結果を踏まえると、実施機関において、本件各文書のほかに、本件請求の対象となる文書を保有しているとは認められない。

(2)不開示情報について

本件各文書において、本件決定により不開示とされた情報(別表の1~37)は、次のとおり分類することができる。

ア警察職員の氏名等に関する情報

(ア)警察職員の姓を刻した印影

別表の1、4、7、13、16、20、23、26、29及び32

(イ)警察職員の氏名

別表の2、5、8、14、17、18、21、24、27、30及び33

イ警察職員の職員番号等

別表の3、6、9、15、19、22、25、28、31及び34

ウ審査請求人以外から聴取した内容に係る情報

別表の10~12

エ警電番号

別表の35

オ実施機関の判断等に係る情報

別表の36及び37

(3)上記(2)ア(ア)の情報(警察職員の姓を刻した印影)及び(イ)の情報(警察職員の氏名)について

ア実施機関は、上記(2)ア(ア)及び(イ)の情報が、条例第17条第2号及び警察職員規則に該当することを理由に不開示としている。

イ条例第17条第2号は、開示することにより、開示請求者以外の第三者の権利利益を損なうことを防止するために定められたものである。そして、同号に該当するためには、当該情報が開示請求者以外の個人に関する情報であって、開示請求者以外の特定の個人を識別することができるもの(本文前段)又は開示請求者以外の特定の個人を識別することはできないが、開示することにより、なお開示請求者以外の個人の権利利益を害するおそれがあるもの(本文後段)であり、かつ、同号ただし書に該当しないことが必要である。

ウ当審議会で見分したところ、上記(2)ア(ア)の情報は、係長以下の警察職員の姓を刻した印影であり、上記(2)ア(イ)の情報は、警察職員の氏名である。これらの情報は、審査請求人以外の特定の個人を識別できる情報であり、条例第17条第2号本文前段に該当する。

以下、当該情報の同号ただし書該当性について検討する。

(ア)これらの情報は警部補以下の階級にある警察官又は、同階級に相当する警察官以外の職員の氏名であると認められ、警察職員規則で定める警察職員に該当することから、条例第17条第2号ただし書ハには該当しない。

(イ)また、審査請求人は、意見書において、審査請求人が相談した際に担当した警察職員の姓を記載していることから、不開示情報のうち、措置者(職員番号)欄等に記載される警察職員の姓の部分を開示するよう主張していると認められる。このことから、条例第17条第2号ただし書イの該当性について検討する。

諮問実施機関に確認したところ、窓口業務を担当する職員等について、「窓口職員等の名札の着用について」(平成13年5月25日例規(装・警)第38号。以下「名札着用例規」という。)により、警察活動の「匿名性」を可能な限り排除するため、名札を着用させることとしているが、名札着用によるトラブルを避けるため、警察相談業務において、名札を着用しない慣行になっていると説明する。

当審議会において、名札着用例規を確認したところ、名札を着用する職員の範囲について、「受付業務、警察相談・証明・許可事務等市民と応対することが予定される業務に従事する職員」を定めるものの、「宿・日直業務に従事する職員その他着用しないことが適当と所属長が認める職員にあっては、この限りではない」とのただし書がある。この規定の運用について、諮問実施機関は、警察相談業務において、名札を着用しない慣行となっていると説明しており、そうだとすると、当該業務に従事していたとしても、これをもって直ちに、法令等の規定により又は慣行として審査請求人が知ることができ、又は知ることが予定されている情報であるとはいえない。

よって、これらの情報について、条例第17条第2号ただし書イには該当せず、また、同号ただし書ロ又はニに該当する事情があるとも認められない。

エしたがって、これらの情報について、不開示とすることが妥当である。

(4)上記(2)イの情報(警察職員の職員番号等)について

ア実施機関は、上記(2)イの情報について、条例第17条第2号に該当することを理由に不開示としている。

イ当審議会で見分したところ、上記(2)イの情報のうち、別表の34以外は、警察職員個々に付与された職員番号であり、また、別表の34は、嘱託職員個々に付与されたID番号である。これらは、審査請求人以外の特定の個人を識別することができる情報であり、条例第17条第2号本文前段に該当する。また、同号ただし書に該当する事情は認められない。

ウよって、これらの情報について、不開示とすることが妥当である。

(5)上記(2)ウの情報(審査請求人以外から聴取した内容に係る情報)について

ア実施機関は、上記(2)ウの情報のうち、別表の10については、条例第17条第2号及び第6号ハに該当し、別表の11及び12については、同条第2号、第3号ロ及び第6号ハに該当することを理由に不開示としている。

イ当審議会で見分したところ、別表の10は、警察職員が、○○市役所職員から聞き取った審査請求人以外の個人に関する情報であり、また、別表の11及び12は、警察職員が、審査請求人以外の関係者から聞き取った個人に関する情報である。これらは、審査請求人以外の特定の個人は識別できないが、開示することによって当該個人の権利利益を侵害するおそれのある情報であり、条例第17条第2号本文後段に該当する。また、同号ただし書に該当する事情は認められない。

ウよって、別表の10~12について、不開示とすることが妥当である。なお、当該情報は、上記のとおり条例第17条第2号に該当することから、別表の10における同条第6号該当性並びに別表の11及び12における同条第3号及び第6号該当性について判断するまでもない。

(6)上記(2)エの情報(警電番号)について

ア実施機関は、別表の35について、条例第17条第6号ハに該当することを理由に不開示としている。

イ条例第17条第6号は、県の機関や他の地方公共団体等の事務又は事業に関する情報であって、開示することにより当該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるものは不開示とすることを定めたものである。

ウ当審議会で見分したところ、別表の35は本件文書10を担当する職員に割り当てられた警察電話番号である。

警察電話番号は、本来的に機密性が要求される警察業務の特殊性から、内部でのみ利用することを目的として設置された警察独自の情報通信網の一つであり、その番号は同通信網構成上の固有情報である。そうすると、これが開示されることにより警察業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ、警察相談業務もかかる警察業務の一つであることに変わりはない。

エよって、別表の35は、条例第17条第6号ハに該当することから、不開示とすることが妥当である。

(7)上記(2)オの情報(実施機関の判断等に係る情報)について

ア実施機関は、上記(2)オの情報について、条例第17条第6号ハに該当することを理由に不開示としている。

イ当審議会で見分したところ、上記(2)オの情報のうち、別表の36は、審査請求人が行った警察相談の内容について、実施機関において判断、選択した類型であり、別表の37は、実施機関が、危険性や緊急性の有無等により判断した区分及び区分した以後の取扱方針に関する情報である。

そして、これらの情報を開示することは、相談者から誤解や憶測を招き、警察相談業務への信頼が損なわれ、また、県民が実施機関に対し不信感を抱き、相談をためらうことにつながるといえることから、警察相談の事務の目的が達成できなくなり、又は当該事務の公正若しくは円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる。

ウよって、別表の36及び37は、条例第17条第6号ハに該当することから、不開示とすることが妥当である。

(8)結論

以上のことから、「1.審議会の結論」のとおり判断する。

審査請求人のその他の主張は、本件決定の適否に関する審議会の判断に影響を及ぼすものではない。

6.審議会の処理経

審議会の処理経過は、下記のとおりである。

審議会の処理経過

年月日

処理内容

平成25年12月24日

諮問書の受理

平成26年2月10日

諮問実施機関の理由説明書受理

平成26年4月7日

審査請求人の意見書受理

平成28年2月23日

審議(第255回審議会)

平成28年3月22日

審議(第256回審議会)

平成28年4月26日

審議(第257回審議会)

平成28年5月24日 審議(第258回審議会)

 

別表

番号

本件各対象文書

本件決定における不開示部分

1

平成△年△月△日付け警察安全相談受理票(甲)

(本件文書1)

決裁欄の係長以下の印影

2

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の名

3

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の職員番号

4

平成△年□月□日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書2)

決裁欄の係長以下の印影

5

措置者(職員番号)欄の名

6

措置者(職員番号)欄の職員番号

7

平成△年●月●日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書3)

1枚目

決裁欄の係長以下の印影

8

措置者(職員番号)欄の名

9

措置者(職員番号)欄の職員番号

10

相談の要旨及び措置結果欄の6行目~7行目の一部

11

相談の要旨及び措置結果欄の34行目の一部及び35行目

12

2枚目

相談の要旨欄の1行目~12行目

13

平成△年▲月▲日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書4)

決裁欄の係長以下の印影

14

措置者(職員番号)欄の名

15

措置者(職員番号)欄の職員番号

16

平成□年△月△日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書5)

決裁欄の係長の印影

17

措置者(職員番号)欄の氏名

18

相談の要旨・措置経過等欄の姓

19

措置者(職員番号)欄の職員番号

20

平成□年□月□日付け警察安全相談受理票(甲)

(本件文書6)

決裁欄の係長以下の印影

21

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の名

22

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の職員番号

23

平成●年△月△日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書7)

決裁欄の係長の印影

24

措置者(職員番号)欄の氏名

25

措置者(職員番号)欄の職員番号

26

平成●年□月□日付け警察安全相談受理票(甲)

(本件文書8)

決裁欄の係長の印影

27

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の名

28

受理者欄及び措置者(職員番号)欄の職員番号

29

平成●年●月●日付け警察安全相談受理票(乙)

(本件文書9)

決裁欄の係長の印影

30

措置者(職員番号)欄の名

31

措置者(職員番号)欄の職員番号

32

平成▲年▲月▲日付け警察相談票

(本件文書10)

決裁欄の係長の印影

33

受理時対応欄の取扱者氏名

34

受理時対応欄の職員番号

35

受理時対応欄の警電番号

36

相談者及び相手方の参考事項欄

37

所属長指揮事項欄の一部及び危険性欄の項目

 

答申第160号(平成28年6月10日付け)(PDF:469KB)

お問い合わせ

所属課室:総務部審査情報課個人情報保護班

電話番号:043-223-4628

ファックス番号:043-227-7559

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