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更新日:令和8(2026)年2月26日

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第2編第1章 千葉の新たな飛躍に向けた6つのチャレンジ|千葉県総合計画 ~千葉の未来をともに創る~

県民広報版

第2編第1章 千葉の新たな飛躍に向けた6つのチャレンジ(PDF:3,580.9KB)

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本県を取り巻く社会・経済環境は、前総合計画の策定時から大きく変化しています。

成田空港では、令和10年度末(2028年度末)の第3滑走路供用などに向け拡張事業が行われており、また、令和8年度(2026年度)の圏央道の県内区間全線開通や、北千葉道路の整備をはじめとする広域道路ネットワークの充実、加えて令和7年(2025年)7月に東京圏国家戦略特区区域が千葉県全域に拡大されたことにより、本県は半島性の課題を克服し、県内の活力をより一層向上させる好機を迎えています。

こうした中、本県へ向かう人の流れを加速していくためには、本県が有する豊かな自然や文化、バランスの取れた産業構造などを生かし、地域の魅力を創造・発信していくことが求められています。 

一方、本県は、本格的な人口減少社会の到来や、自然災害の頻発化・激甚化、新興感染症の脅威、高齢化の更なる進行など、我が国全体が抱える課題にも直面しており、こうした課題に対して、県民の命とくらしを守り、地域の活力を維持・向上させる取組が必要です。

また、社会経済のグローバル化・デジタル化の進展や、新型コロナウイルス感染症の経験、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)などを経て、人々の価値観やライフスタイルが変化し、多様性尊重への意識が高まるなど、社会全体がアップデートされています。

さらに、2030年を達成年限とするSDGsや、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組を、県民や市町村、事業者などあらゆる関係者と共に着実に進め、「誰一人取り残さない」社会の実現を目指すとともに、環境保全と経済成長の好循環を生み出していかなければなりません。

このように、本県を取り巻く状況や課題が変化する中、直面するピンチをチャンスに転換し、県民の命とくらしを守るとともに、本県の更なる飛躍に向け、「空」「海」「里」そして「まち」「ひと」などの力を結集し、チャンスをより大きな成果に結びつけていくとの考えの下、県として取り組むべき課題を「6つのチャレンジ」として整理しました。

 

  1. 頻発化・激甚化する大規模災害等に備えた危機管理体制の強化と新たな犯罪形態への対応
  2. 本格的な人口減少社会への対応
  3. 成田空港の拡張事業等に伴う波及効果の最大化
  4. 超高齢化時代における医療・福祉・介護ニーズの高まりへの対応
  5. 多様性を活力とし、誰もが活躍できる社会づくり
  6. 独自の自然・文化を生かした魅力の発信と千葉に向かう人の流れの創出

 

1 頻発化・激甚化する大規模災害等に備えた危機管理体制の強化と新たな犯罪形態への対応

(1)大規模災害や新興感染症等に備えた危機管理体制の整備

○ 近年、地球温暖化などをはじめとする気候変動の影響として、集中豪雨の頻度が増加するとともに、台風等の強度が強まっており、風水害や土砂災害が増加し、甚大な被害を及ぼす傾向にあります。本県でも、令和元年房総半島台風(2019年)等の一連の災害では、県内の広範囲で長期にわたる停電や通信遮断、断水などが発生し、県民生活や各産業にこれまでにない大きな被害を及ぼしました。

○ また、平成23年(2011年)3月11日に発生した東日本大震災は、マグニチュード9.0という過去最大規模の地震であり、本県でも、津波や液状化などにより大きな被害が生じました。

○ さらに、令和6年能登半島地震(2024年)では、道路の寸断により集落が孤立し、救助活動や物資供給への支障、電気・水道の途絶による避難の長期化や避難環境の悪化などが生じ、半島における災害ぜい弱性が改めて浮き彫りになりました。

〇 これまでの災害の経験を生かし、「防災対策には終わりがない」という認識の下、県・市町村・事業者等との間での迅速な情報共有体制の構築や連携体制の強化、河川改修や水害に強いまちづくりなど流域治水対策、電気や上下水道などライフラインの維持、災害に強い道路ネットワークの整備に取り組むとともに、孤立集落対策を強化することなどにより、人々のくらしや企業活動の場として選択される、災害に強い千葉県づくりを進める必要があります。

○ また、災害が起きた際、高齢者や障害者、妊産婦、外国人など、避難の際に特に配慮や支援が必要な人々に対して、平時から関係機関と連携して対応を検討し、訓練などを行っておくことが必要です。

○ 災害時の対応を迅速かつ効果的に行うためには、デジタル技術を活用した被害の予測や、情報収集、重層的な情報発信、被災者の生活再建に係る事務手続の利便性向上など、防災分野においてもDXを進めていく必要があります。

○ 本県は成田空港や千葉港など、諸外国との直接的な玄関口を擁しているほか、石油コンビナート地区は、一たび事故が発生すると、極めて大規模な災害に拡大するおそれがあります。また、近年ではデジタル技術の発達に伴い、サイバー攻撃などの発生も懸念されます。

○ このため、空港・港湾における水際対策や、情報セキュリティの水準向上などを進めるとともに、関係機関との連携を密にし、テロなど人為災害に対する体制についても強化することが必要です。

〇 令和2年(2020年)1月に国内で最初に確認された新型コロナウイルス感染症は、国内外で未曾有の感染拡大を引き起こし、県内でも病床のひっ迫や救急搬送の困難事例等が生じるなど、危機的な状況を引き起こしました。また、国による緊急事態宣言や、休業要請等による経済の停滞、新しい生活様式の普及など、個人の働き方やライフスタイルにも大きな影響を及ぼしました。

○ こうした経験を踏まえ、新興感染症については、次のパンデミックを想定し、市町村や関係機関との連携を平時から再確認するとともに、保健所をはじめとする県職員や医療従事者、高齢者施設等の従業員に対する研修・訓練の実施、感染拡大時に備えた医療提供体制の確保など、対応力の強化を図ることが必要です。

(2)新たな犯罪形態への対応など防犯対策の推進

○ 本県の刑法犯認知件数は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により人々の行動が制限される以前の令和元年(2019年)より減少しているものの、依然として全国ワースト上位にあります。

○ 近年では、スマートフォンのメッセージアプリを悪用した電話de詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺が増加するなど、犯罪の手口が多様化・巧妙化していることに加え、「匿名・流動型犯罪グループ」のような、新たな犯罪集団による強盗事件等の凶悪犯罪も発生しています。また、不法滞在外国人等により組織的に敢行される金属盗、大量万引き、自動車盗などの犯行も後を絶ちません。

○ こうした中、効果的に犯罪を抑止するためには、県民・事業者・市町村・県の連携により、犯罪が起こりにくいまちづくりを推進するとともに、犯罪者を見逃すことなく逮捕・検挙するため、デジタル技術の活用も含め、万全の体制を確保する必要があります。

○ 加えて、誰もが犯罪被害者になる可能性があることを踏まえ、相互扶助の精神に基づき、犯罪被害者やその家族、遺族(以下「犯罪被害者等」という。)への支援を行う必要があります。

○ 一方で、刑法犯検挙人員のうち、半数近くが再犯者であることから、二度と罪を犯すことのないよう、服役後、円滑に社会に復帰できるようにすることも重要であり、市町村や国、民間団体と連携して再犯防止に取り組むことが必要です。

(3)飲酒運転の根絶と交通安全対策の推進         

○ 本県の令和6年(2024年)の交通事故死者数は131人となっており、依然として全国ワースト上位にあります。特に、交通事故死者数に占める高齢者の割合が高く、また、重大な交通事故の発生につながる飲酒運転やあおり運転等の悪質・危険な運転も後を絶たない状況です。

○ このため、交通事故抑止に資する交通指導取締りの強化や、県民一人ひとりの交通安全意識向上のための啓発活動、心身の発達段階や自転車、自動車などの通行の態様に応じた交通安全教育、交差点の改良や歩道の整備など交通事故が起こりにくい道路交通環境の整備などの取組を、関係機関・団体が連携して行う必要があります。

○ また、飲酒運転の根絶を目指し、県では、「千葉県飲酒運転の根絶を実現するための条例」の改正や「千葉県飲酒運転根絶計画」の策定等により、各種取組を進めてきたところですが、全ての県民が「飲酒運転は絶対しない、させない、許さない」という強い意識を持つよう更なる啓発を図るとともに、県民総ぐるみで対策の強化に取り組む必要があります。

2 本格的な人口減少社会への対応

(1)将来人口の見通し

○ 我が国の将来人口は、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)が令和5年(2023年)4月に公表した人口推計によると、令和2年(2020年)では1億2,615万人であったところ、30年後の令和32年(2050年)には8割程度まで、50年後の令和52年(2070年)には7割程度となる8,700万人まで減少する見込みとなっています。

○ 本県の人口は、東日本大震災などの影響を受けた平成23年(2011年)から平成25年(2013年)の間を除き、大正9年(1920年)の国勢調査開始以来、増加を続けてきました。

しかしながら、平成23年(2011年)には、少子化の進行に伴い、死亡数が出生数を上回る自然減となり、令和3年(2021年)には社会増による人口増加を自然減による人口減少が上回る、総人口減少時代に入りました。

○ 社人研が令和5年(2023年)12月に公表した地域別将来推計人口によると、令和2年(2020年)に628万4千人であった本県の人口は、令和17年(2035年)には約20万人減少し607万6千人へ、令和32年(2050年)には569万人へと、30年間で9割程度まで減少する見込みとなっています。

(2)人口減少社会への対応

○ 人口減少は、我が国全体が直面する喫緊の課題であり、本県においても、地域経済の縮小や、各分野における担い手不足、空き家の増加や商店の閉鎖、交通や医療・福祉・介護等のサービスの低下など、様々な影響が懸念されているところです。

○ このため、急激な人口減少を緩やかにしていくとともに、将来にわたって県の活力を維持・向上させ、持続可能な地域社会をつくっていくことが重要です。

○ 県として、市町村とも連携しながら、県民一人ひとりの選択を尊重しつつ、結婚や妊娠・出産、子育ての希望をかなえる環境づくりなどの少子化対策や、各地域の特性を生かした産業の振興、地域と多様な形で関わる関係人口の創出や移住・二地域居住の促進、地域公共交通の維持・確保、医療や商業等の都市機能を集約したコンパクトなまちづくりなどに、引き続き取り組んでいく必要があります。

○ また、成田空港の拡張事業や圏央道など広域的な道路ネットワークの整備を生かして千葉県への「人・モノ・財」の流れを創出し、県内外の交流を活性化するとともに、新たな産業の創出や都市機能の向上を図り、様々なライフスタイルが実現可能な千葉の魅力を多くの人に発信することで、本県に向かう人の流れをより大きなうねりに変え、地域の更なる活性化につなげていくことが必要です。

○ また、県人口の60.7%を占める生産年齢人口(15~64歳)が減少する中にあっても、デジタル技術の活用による生産性の向上や業務の効率化を図るとともに、年齢・性別・障害の有無・国籍・性的指向や性自認などの違いにかかわらず、誰もが活躍できる社会づくりを進め、多様な担い手が本県の経済・社会を支える県づくりを進めていく必要があります。

(3)県の将来を支えるこどもの育成と若者の応援

○ 全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現は、こどもや若者、子育て当事者の幸福追求において重要です。

 一方で、令和5年(2023年)の本県の出生数は35,658人、合計特殊出生率は1.14で、共に減少傾向となっており、長きにわたり少子化の状況が続いています。

○ この少子化傾向に歯止めをかけるためには、若者の出会い、結婚、妊娠・出産、子育てに関するあらゆる希望をかなえることができるよう、各ライフイベントに応じた支援を行っていくことが必要です。

○ 特に、結婚し、こどもを生み育てたいという希望をかなえるためには、十分な所得を確保することのできる正規雇用での就労・定着に向けた支援が必要です。加えて、保育・放課後児童クラブ等の子育てサービスの充実、仕事と子育てを両立できる職場環境づくりなど、働きながら、安心してこどもを生み育てることのできる社会づくりや、教育費や医療費など経済的な負担の軽減も必要です。

○ また、核家族化や共働き世帯の増加、地域のつながりの希薄化のほか、人口減少・少子化の進行など、子育て・教育環境には大きな変化が生じています。

○ このため、次世代の千葉県を担うこどもの健やかな成長に向け、優れた資質を有する教員の確保を図るとともに、スクールカウンセラーなど多様な専門性を持つ職員との連携等により、学校教育の質の確保・向上を図ることが必要です。

○ さらに、将来、こどもたちが社会で活躍することができるよう、家庭や地域、産業界等との連携の下、働くことの意義や尊さ、学校における学びと自らの将来との関連などを考えさせる体系的・実践的なキャリア教育の充実も求められています。

(4)地域経済や県民サービスを支える人材の確保対策

○ 人口減少や少子高齢化を背景として労働力の減少が進んでいることや、新型コロナウイルス感染症の「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(以下「感染症法」という。)における5類感染症移行後の労働需要の増加により、様々な分野で人材不足が顕在化・深刻化しているとともに、近年の物価高騰なども影響し、特に中小企業等において人材確保の困難さが増しています。 

○ このため、県内中小企業の経営基盤の強化を図るとともに、地域で求められ活躍できる人材の育成・確保に向け、地元企業等と連携したキャリア教育や職業訓練の充実などに取り組んでいくことが必要です。 

○ また、優れた知識や技能を有する専門的な人材を県全体で確保するため、副業人材の積極的な活用や、中小企業における人材採用の支援を図る必要があります。

○ さらに、本県の農林水産業を支える担い手の確保・定着を図るため、職業としての魅力の発信や、各種相談会の開催、地域の関係機関との連携による新規就業者の受入体制づくりを進めていく必要があります。

○ また、若い世代は、進学や就職等の時期を迎える際に、生まれ育った地域から転出することも多いため、それぞれの地域に住み・働き続けていくことができるよう、魅力ある雇用の場を創出していくとともに、コミュニティの再生、生活インフラや地域公共交通の維持・確保などにより、安心して快適に暮らせる地域社会をつくっていくことが必要です。

○ 一方、フリーター等をはじめ、自らが望む職業能力を形成する機会に恵まれなかった若者や、就職氷河期世代、中高年齢離職者、障害のある人など、誰もがそれぞれの希望に応じて活躍することができるよう、就労・定着の促進に取り組むとともに、働く人の意識やニーズの多様化を踏まえた職場環境の整備促進を図ることが必要です。

○ 加えて、育成就労制度の創設等により、今後、更に外国人労働者が増加することが予想されることから、県内企業における外国人材の採用・定着に向けた支援等に取り組むことも必要です。

(5)持続可能な地域経済の確立 

○ 人口減少が進む中にあっても、将来にわたり県の活力を維持していくためには、持続可能な地域経済を確立させることが必要です。

○ このため、成田空港の拡張事業や圏央道等の広域的な道路ネットワークの整備により、今後更なる向上が見込まれる本県のポテンシャルを生かした、新たな産業拠点の形成や企業誘致の推進に取り組むとともに、本県経済の要でもある京葉臨海コンビナートについては、社会・経済環境の変化を踏まえ、国際競争力の強化とカーボンニュートラルの推進を図っていく必要があります。

○ また、本県の強みである、大学など最先端の研究拠点を生かした新産業の振興や、スタートアップの育成によるイノベーションの促進を図るとともに、本県の豊かな農林水産物や鉱工業品等の地域資源を活用した商品開発や販路開拓の支援を行うことも必要です。

○ 加えて、急増するインバウンド需要を県内周遊につなげることや、付加価値の高い観光コンテンツの造成、観光地域づくりの司令塔となる観光地域づくり法人(DMO)の形成促進等により、魅力ある持続可能な観光地域づくりを推進するとともに、物価高騰やデジタル技術の進展、後継者不足・人手不足等への対応に向けた中小企業への支援などを推進することも必要です。

○ また、本県は全国屈指の農林水産県でもありますが、一次産業従事者の減少や高齢化により生産力の低下に直面していることから、新規就業や経営体の規模拡大、企業参入の促進などにより、本県農林水産業の次世代を担う人材の確保・育成を進めることが必要です。

○ さらに、スマート農林水産業の推進や農地の集約等により生産性の向上を図るとともに、ブランディングの強化による販売促進や海外への輸出拡大、畜産経営の体質強化に向けた取組等を進めることにより、「稼げる農林水産業」を実現していく必要があります。

3 成田空港の拡張事業等に伴う波及効果の最大化

(1)全県への効果の波及

○ 日本の空の表玄関であり、日本最大の貿易港である成田空港は、我が国の国際競争力強化を図る上で重要な拠点となっています。

○ 現在、成田空港では、年間発着枠50万回化に向けて、令和10年度末(2028年度末)の第3滑走路の供用開始等、「第二の開港」とも言うべき拡張事業が進められるなど、極めて重要なタイミングを迎えています。

○ この拡張事業により、旅客数、貨物取扱量、空港内従業員数の大幅な増加が見込まれていることから、これらの効果を最大化し、空港周辺地域はもとより、県内全域へと波及させていくことで、県全体の発展につながるよう取組を進めていく必要があります。

○ また、「成田空港周辺の地域づくりに関する『実施プラン』」(以下「実施プラン」という。)に掲げた、「空港を核として、都市と田園が調和し、くらしや産業の拠点として選ばれるエアポートシティ」の実現に向けて、「地域と空港を支える人材の確保」と「空港を生かした産業の発展」を起点として、くらしの拠点となるまちづくり等の生活環境の向上や産業振興、インフラ整備といった地域活性化策にも取り組み、「地域の発展」と「空港の発展」の好循環を生み出していく必要があります。

(2)産業拠点の形成と更なる企業誘致

○ 本県は、東京都に隣接しており大消費地へのアクセスが良く、生産年齢人口が多いため人材を確保しやすい状況にあり、さらには一都三県の中では地価が安価である等、新たな企業の誘致や産業拠点の形成に向け、高いポテンシャルを有しています。

○ また、圏央道の県内区間全線開通や北千葉道路の整備等により、本県の広域交流拠点としてのポテンシャルは飛躍的に高まっていくものと見込まれます。 

〇 加えて、これまで成田市及び千葉市のみが指定されていた東京圏国家戦略特区区域が令和7年(2025 年)7月に千葉県全域に拡大され、県内のあらゆる地域や幅広い分野で特区制度を活用し、世界をリードする産業拠点形成や新事業創出に取り組むことが可能となりました。 

○ さらに、成田空港の拡張事業により、本県の広域的な拠点性の向上が見込まれるため、これらの立地優位性を生かし、空港周辺には、精密機器や航空宇宙産業をはじめとする、成田空港の特徴や強みを生かせる産業を集積し、空港を核とした国際的な産業拠点の形成に、スピード感をもって取り組んでいくことが必要です。

○ また、千葉経済圏の確立に向け、本県経済をけん引していくことが期待される地域の現状や将来性、民間の投資動向等を踏まえて、20年、30年先の将来を見据えて目指すべき産業・地域づくりの方向性を整理するとともに、企業ニーズを的確に把握し、戦略的な企業誘致を行うことが必要です。

○ 一方で、企業立地の受け皿となる県内の産業用地が不足していることから、市町村や民間企業とも連携し、新たな産業用地の確保等に取り組むことが必要です。

(3)本県への「人・モノ・財」の流れの創出

○ 本県は、都心へのアクセスが良好でありながら、海や里山など豊かな自然を有しており、また、ゴルフやサーフィンなどの趣味を楽しめる場も多く、様々なライフスタイルを実現できるポテンシャルを有しています。

○ このような中、成田空港の拡張事業の効果を本県経済の活性化につなげていくためには、本県の持つ様々な産業、豊かな自然、高度な医療、また、本県で実現可能な多様なライフスタイルなどを組み合わせ、積極的に発信することで、国内外からの「人・モノ・財」の流れを創出し、県全体に波及させていく必要があります。

○ 成田空港の拡張事業により、国内外から本県を訪れる観光客の更なる増加が見込まれることから、県南部や東部も含めた各地域の活性化につなげるため、広域周遊の促進や魅力発信の強化に加え、付加価値の高い観光コンテンツの造成を図り、より大きな経済効果を各地域に波及させていくことが必要です。

○ また、令和4年(2022年)1月には、日本初となるワンストップ輸出拠点機能を備えた成田市公設地方卸売市場(以下「成田市場」という。)が本格稼働したことから、航空輸送に適した品目を中心に、輸出に係る生産・流通・販売の各段階における支援を行い、県産農林水産物の輸出拡大を図る必要があります。

○ さらに、空港から県内外への「人・モノ・財」の流れをより円滑にするため、圏央道の県内区間全線開通と併せ、東京湾アクアライン(以下「アクアライン」という。)の効果を最大化できるよう、通行料金引下げの継続や交通流を最適化する施策に取り組むとともに、北千葉道路などの広域的な幹線道路や、銚子連絡道路・長生グリーンラインなどのアクセス道路の充実、県北西部や隣接都県間の交通渋滞の改善、高速バスネットワーク拠点の充実など、交通アクセスの強化を進めていく必要があります。

4 超高齢化時代における医療・福祉・介護ニーズの高まりへの対応

(1)高齢化の進行

○ 令和2年(2020年)における本県の高齢者人口(65歳以上)は約170万人、高齢化率は27.6%となっており、いずれも過去最高となっています。令和7年(2025年)には、約3.5人に1人が高齢者となり、全ての「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となります。また、社人研の将来推計(令和5年(2023年)12月公表)によると、今後、総人口が減少する中にあっても、高齢者人口は令和27年(2045年)まで増加し続けるとともに、高齢化率はその後も上昇し、令和32年(2050年)には35.5%に達する見込みとなっています。

○ このため、生涯現役社会の実現に向けた環境整備や県民の健康づくりを進めるとともに、高齢化の進行に伴って増加する医療・福祉・介護ニーズに十分に対応するため、サービス提供体制の整備等を着実に進めることが必要です。

○ また、県民の多くが、介護が必要な状態や認知症になっても、住み慣れた自宅や地域で、自分らしく暮らし続けることを望んでいることから、在宅医療の充実や切れ目のない在宅ケアサービスの提供などに取り組むことが必要です。

○ さらに、一人暮らし高齢世帯数の増加や来るべき高齢多死社会を見据え、高齢者を見守り支える地域社会づくりや終末期医療の充実、終活の促進など、高齢者が安心して最期を迎えることができるよう、市町村や関係団体等と連携して取り組んでいくことも必要です。

(2)健康寿命の延伸

○ 本県における死因の第1位であるがんは、令和4年度(2022年度)時点で、全体の25.2%を占めており、これに循環器疾患(心疾患及び脳血管疾患)による死亡を加えると、約5割の方が生活習慣病で亡くなっていることになります。

○ 生活習慣病は、40歳代から増え始め、50歳代で急激に増加する傾向にあり、今後の高齢化の進行に伴って、更なる患者の増加が見込まれます。

○ 生涯現役社会の実現には、高齢になっても、健康で生き生きと自立して暮らしていくことができるよう、生活習慣病等に対する予防医療を推進し、健康寿命の延伸を図ることが重要です。

○ このため、胎児期から高齢期に至るまで、人の生涯において、それぞれのステージに応じた適切な健康づくり(ライフコースアプローチ)を行うという観点を取り入れ、県、市町村、医療・介護関係団体、保険者、企業、学校などが連携・協力し取り組んでいく必要があります。

(3)医療・福祉・介護人材の確保・定着対策と生産性の向上

○ 出生数の減少や高齢化の進行、医療技術の進歩、県民の健康に対する意識の高まりなど、医療を取り巻く環境は大きく変化しているとともに、後期高齢者人口の急増に伴い、医療・福祉・介護ニーズの更なる増加が見込まれています。

○ 本県における医療施設従事医師数は増加傾向にあり、令和4年末(2022年末)現在では、全国で8番目に多い医師数(13,097人)となっていますが、令和2年末(2020年末)の医師数を基に令和5年度(2023年度)に国が算定した医師偏在指標は、全国で38位となっており、他の都道府県と比べ相対的に医師数が少ない状況にあります。また、看護職員についても、人口10万人当たりの看護職員数は、令和4年末(2022年末)現在で989.8人となっており、全国平均の1,332.1人を大きく下回っています。

○ 介護職員については増加しているものの、介護ニーズの増加に対して職員の増加が見合っておらず、令和8年度(2026年度)には約11,000人、令和22年度(2040年度)には約28,000人の介護職員が県内で不足すると見込まれています。今後の生産年齢人口の減少等により、福祉人材全体の確保が一層困難になることから、対応が喫緊の課題となっています。

○ このため、医師や看護職員、介護福祉士等の人材の確保・育成を進めるとともに、地域による人材の偏在を解消し、誰もが多様なサービスを地域で安心して受けることができるよう、医療・福祉・介護サービスの提供体制の整備に取り組む必要があります。

○ さらに、医療・福祉・介護現場における業務負担の軽減や、サービスの質の維持・向上を図り、急増するニーズに適切に対応していくため、オンライン診療の普及や介護ロボットの導入等、デジタル技術の活用を通じた生産性向上に取り組む必要があります。

(4)一人ひとりの事情に応じた伴走型福祉の充実

○ 少子高齢化や核家族化の進行、地域のつながりの希薄化など、社会・経済を取り巻く環境の変化により、多様化・複雑化する問題を一人で抱えざるを得ず、支援を必要とする人が増えています。

○ このため、生活困窮者、ひきこもり、いわゆる「8050問題」(80代の高齢の親と50代のひきこもりのこどもが同居する世帯が、地域社会から孤立してしまう問題)、配偶者等からの暴力(DV)、児童虐待、家族関係の破綻など、困難を抱える様々な人に対し、一人ひとりの事情に寄り添った対応を充実させていく必要があります。

○ また、障害のある人の地域生活を特定の個人や機関のみで支えていくのは困難な場合もあるため、福祉関係団体はもとより、地域住民、ボランティア、企業、学校など様々な主体が連携し、障害のある人が地域でその人らしく暮らせる社会を構築していくことが必要です。

5 多様性を活力とし、誰もが活躍できる社会づくり

(1)あらゆる分野における多様性尊重を踏まえた施策の推進

○ 私たちの社会は、年齢、性別、障害の有無、国籍・文化的背景、性的指向・性自認など、様々な違いがある人々で構成されています。

○ こうした違いを尊重することは、様々な人が抱える生きづらさの解消につながるとともに、あらゆる立場の人々の意見が表に出てくることで、社会全体の創造性が豊かになります。また、違った個性や能力を持つ人同士が影響し合うことで、これまでなかったアイデアや新しい成果が生まれることが期待できます。

○ 人口減少やグローバル化、技術革新など、本県を取り巻く大きな社会環境の変化に的確に対応していくためには、このような多様性がもたらす活力や創造性が重要となります。

○ 県では、こうした認識の下、令和6年(2024年)1月に「千葉県多様性が尊重され誰もが活躍できる社会の形成の推進に関する条例」(以下「多様性尊重条例」という。)を施行し、同年6月には「ちばダイバーシティ宣言」を行い、県政のあらゆる分野において、多様性尊重の考え方を踏まえた施策を推進していく決意を広く表明したところです。

○ 今後は条例の理念等を踏まえながら、誰もがその人らしく生き・活躍できる社会の実現に向け、多様性尊重の意義を県全体で共有するとともに、県行政のあらゆる分野で施策を推進していく必要があります。

(2)多様な人材の活躍        

○ 人口減少や少子高齢化を背景に、生産年齢人口の減少が進んでいることから、様々な分野において、人材不足が深刻化しています。

○ こうした中、女性や高齢者の就業者数は年々増加しており、また、育成就労制度の創設等により、外国人労働者が、今後、更に増加することが予想されます。

○ このため、アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の解消や、多様な選択・生き方が尊重される社会に向けて、年齢や性別、障害の有無、国籍及び文化的背景、性的指向及び性自認等にかかわらず、全ての県民が、自身の希望や能力に応じて、その人らしく活躍することのできる環境づくりを進める必要があります。

○ また、テレワークや副業など多様な働き方の普及や、リスキリングやリカレント教育等、社会で必要とされる知識や技能を習得する機会を提供することなどにより、県民の活躍をサポートしていく必要があります。

(3)多文化共生社会の推進          

○ 県内の在留外国人は、令和6年(2024年)12月末現在231,614人と、過去最高を更新し、平成26年(2014年)からの10年間で、約2倍の増加となっています。

○ 本県は、成田空港を擁する世界に最も近い県であり、成田空港の拡張事業や育成就労制度の創設等により、今後も増加が見込まれる外国人の活躍を、将来にわたり本県の活力につなげていくことが求められています。

○ このため、多様性尊重条例の理念を踏まえ、国籍や文化的背景など様々な違いにかかわらず、外国人による働き手や地域の担い手としての活躍を促進していくとともに、日本人と外国人が共に安心してこの千葉県で暮らせるよう、多文化共生社会の実現に向けた取組を充実させていく必要があります。

6 独自の自然・文化を生かした魅力の発信と千葉に向かう人の流れの創出

(1)空・海・里を生かした魅力発信とブランド化

○ 本県は、三方を海に囲まれ、九十九里浜をはじめとした美しい海岸線、東京湾に残された貴重な干潟、緑豊かな房総丘陵、様々な動植物が生息・生育する里山など、豊かで多様な自然に恵まれているとともに、日本の空の表玄関である成田空港も擁しており、空・海・里、それぞれにおいて、様々な魅力を有しています。

○ 国内外から本県に向かう人の流れを創出していくためには、これらの魅力を磨き上げるとともに、様々な媒体を通じて、知名度、信頼度、好感度を高めていくことが重要であり、内容や対象者に合わせた戦略的な魅力発信に取り組む必要があります。

○ さらに、魅力発信を通じて千葉県のファンをつくり、「買う」「訪れる」「暮らす」といった具体的な行動に結びつけていくとともに、本県の魅力を県民の誇りと愛着につなげていくことが必要です。

○ 加えて、本県は、生産量日本一の醤油やみりんをはじめ、日本酒や味噌、乳製品の生産も盛んであり、バイオテクノロジー分野の企業・研究所も数多く立地するなど、各地で発酵に関わる多様な文化・産業が発展していることから、こうした「発酵県ちば」の特色を生かすことは、観光誘致、県産品の販路拡大、文化や産業の振興など、様々な面で千葉県の価値の向上に資するものです。

○ また、農作物等に被害を与えるイノシシやシカについて、有害鳥獣として捕獲するだけでなく、有効活用を図るため、本県の新たな魅力として「房総ジビエ」の普及拡大を図るとともに、捕獲の担い手の確保・育成に取り組むことが必要です。

(2)千葉の特徴・歴史を生かした文化・スポーツの振興

○ 文化芸術は、県民が真にゆとりと潤いを実感できる心豊かな生活を実現していく上で欠かせないものであるとともに、教育、地域づくり、産業など社会のあらゆる分野と関わり、地域社会の発展と県民の活力を高めていく貴重な財産です。

○ 本県には、「チバニアン」命名のきっかけとなった地層、特別史跡「加曽利貝塚」、ユネスコ無形文化遺産「佐原の山車行事」、海に関する文化や郷土料理など後世に継承すべき、多様で魅力的な文化資源が豊富です。

○ こうした多様な文化財や地域固有の伝統行事などを、県民の財産として次世代に継承するとともに、野外での音楽イベントや芸術祭、ダンスイベント等、活力ある新しい「ちば文化」を創造していくことも必要です。

○ 加えて、千葉県誕生150周年の節目を契機に、令和5年度(2023年度)から令和6年度(2024年度)にかけ、約1年間にわたり行われた様々な「ちば文化」の創造・発信が一過性のものとならないよう、県民や民間企業等と築き上げた関係性を将来に受け継ぎながら、更なる文化芸術の振興につなげていくことが必要です。

○ また、スポーツには、一人ひとりの心身の健康の保持増進にとどまらず、地域における交流の促進やにぎわいの創出など、多面的な効果が期待できます。

○ このため、誰もがスポーツに親しみ、スポーツの「楽しさ」や「喜び」を分かち合うことができるよう、競技力の向上のみならず、年齢や障害の有無にかかわらず、体力向上や健康づくりに取り組むことができる環境の整備などが必要です。

○ また、東京2020大会で新競技となったサーフィンやスケートボードなどが注目されるとともに、パラスポーツに対する興味・関心が芽生えたことなどを踏まえ、県民がこうした多様なスポーツを知り、親しむことができるよう取り組んでいく必要があります。

○ さらに、マリンスポーツやサイクリングなど豊かな自然や地域の特性を生かしたスポーツの普及を進めることで、参加者と地域の交流や魅力発信、スポーツを核とした地域の活性化を目指していくことも重要です。

(3)持続可能な環境づくりに向けたカーボンニュートラルの実現と豊かな自然の保全・継承

○ 2024年の世界の平均気温は、産業革命前の水準と比べて初めて1.5度を超えて上昇し、観測史上最高を記録しました。我が国においても、真夏日や猛暑日の増加、台風等の気象災害の激甚化といった様々な影響が確認されています。県としても、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの活用や省エネルギー化の推進のみならず、脱炭素に資するまちづくりや交通環境の整備など、様々な分野における取組を進めていく必要があります。

○ また、大気、水、土壌の環境汚染や地盤沈下、騒音など、生活環境に関わる身近な環境問題も過去のものではありません。県民の生活環境を守り、良好な環境を将来に引き継ぐためには、継続的な環境監視、環境汚染の未然防止・環境改善に向けた排出者等に対する指導の実施や、環境にやさしいライフスタイルの定着、水生生物の生息・生育環境の保全などに取り組んでいく必要があります。

○ さらに、外来種や有害鳥獣の増加は、生態系への悪影響ばかりでなく、農業や生活環境にも問題を生じさせています。特に特定外来生物は在来種の生息を脅かしており、生物多様性の劣化が懸念されています。自然環境を保全するためにも、希少な野生生物の種の保存を図るなど、生物多様性を保持しながら、本県が誇る恵み豊かな里山・里海・里沼を守り、次世代に引き継いでいく必要があります。

〇 加えて、主要幹線道路の周辺には休耕田や谷津田などが多く、産業廃棄物の不法投棄がいまだに後を絶たないことや、東京に隣接し、港湾や広大な土地を有しているため、不適正な自動車ヤードや金属スクラップヤード等もいまだ数多く見られることから、県では不法投棄の根絶に向けて監視体制を強化するとともに、条例に基づく指導や立入りの実施などにより不適正なヤードを一掃するなど、県民の生活環境を守りながら適正な資源リサイクルを推進することで、循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行を進めているところです。

〇 現在、例えば環境への負荷低減に寄与する製品やサービスが積極的に選択されるなど、環境に配慮した取組が経済活性化にも結び付く時代となっています。持続可能な環境づくりと豊かな自然の保全・継承を目指す上では、環境保全の行動が経済を活性化させ、それが更なる環境の保全を促進し、環境づくりへの意識を高めるといった、環境と経済の好循環を創出していくことが重要です。

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