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更新日:令和5(2023)年11月6日
ページ番号:389602
出穂2週間後から出穂25日後頃までは、湛水・落水状態を数日間隔で繰り返す間断かんがいを行います。その後、出穂25日後以降に落水を行い、収穫に備えます。
早期の落水により、ほ場が乾燥状態となると不完全米、くず米、胴割れ米などが増加します。また、落水が遅れると、倒伏の原因となり、青米が増え、収穫作業も困難となります。落水時期は天候、土壌の種類、乾湿田で異なり、痩せ地や乾田では落水を遅くし、肥沃田や湿田では落水を早くします。
なお、落水後であっても登熟には根からの水分吸収が必要です。水田が乾燥状態となり、水不足になっている場合は、走水によって補水し、登熟の向上を図ってください。
稲の収穫には適期があります。早刈りの場合は、収量の低下、青米や未熟粒が増加します。遅刈りの場合は、籾の水分が低くなり過ぎて胴割れ米の増加や倒伏の発生、穂発芽などを招きます。そのため、出穂後日数(穂が出てからの日数)や帯緑色籾歩合(少しでも緑色部分のある籾の割合)から収穫の適期を判断することが重要です。
表1のとおり品種ごとに収穫適期の目安がありますが、千葉県のような早期栽培では、登熟期間が高温であることや近年の激しい気候の変動の影響により、収穫適期が前後することがあります。そのため、品種ごとの収穫の目安(表1)の5日前くらいから、帯緑色籾歩合を見て収穫適期を判断しましょう。
品種 |
ふさおとめ |
ふさこがね |
コシヒカリ |
粒すけ |
---|---|---|---|---|
出穂後日数 |
33日前後 |
37日前後 |
38日前後 |
38日前後 |
ほ場の中で平均的な生育をしている株から、主稈と思われる茎を選び、その穂10本を抜き取って、緑色の籾の割合(不稔籾を除く)を調べます。少しでも緑色部分がある籾が全体の15パーセント程度の時が、収穫適期となります。
なお、収穫適期前に稲が倒伏した場合には、籾の黄化が進みにくくなります。そのため、帯緑色籾歩合(図1)15パーセントになるのを待つと、穂発芽や変色米が発生する可能性があることから、帯緑色籾歩合にこだわらず、品質が悪くなる前に収穫してください。
図1.帯緑色籾の見分け方
出典「水稲・刈取り適期判定板(千葉米改良協会・全農千葉県本部)」
初掲載:令和2年8月
長生農業事務所
改良普及課東部グループ
普及技術員
佐藤龍一
電話:0475-22-1771
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