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更新日:令和2(2020)年3月1日

ヤシ殻培地耕によるトマトの長期どり栽培

1.はじめに

軒高2m程度の慣行ハウスでのヤシ殻培地耕によるトマト長期どり栽培において、草勢管理を容易にし、安定した収量を得るための栽培方法をご紹介します。

写真1

写真1.品種「麗容」の定植直後の様子

2.安定した草勢を保つ施肥方法

8月定植の1年1作の長期どり栽培において、生育ステージを5期(定植から第1果房開花まで(I)、第1果房開花から第1果房着果まで(II)、第1果房着果から3月まで(III-1)、3月から摘心まで(III-2)、摘心から栽培終了まで(IV))に分け、ステージ別の適正な硝酸態窒素量を表1に示しました。この施肥量により、生育前半の空洞果が少なく、春先以降の草勢維持もできます。

なお、給液量は、排液率が20~30%となるように調整して下さい。例えば、1日当たりの給液量を増やす場合は、水の量は増えますが1日当たりの施肥量は変わらないので、培養液濃度は薄くなります。このように、給液量と施肥量を分けて管理することで、長期の栽培においても草勢が安定します。

表1-1

表1生育ステージ別の硝酸態窒素施用基準

注1)硝酸態窒素施用基準は栽植密度2.6株/m2で試算。

注2)1日の天気の判断は毎朝9時に行った。

3.栽植密度は平方メートル当たり2.6株程度

栽植密度3水準で栽培し、収量を調査しました。上記の施肥方法で栽培すると草勢がおとなしくなるので、通常の土耕栽培より株間を詰めて平方メートル当たり2.6株と栽植密度を高めても、果実が大きく、空洞果が少なくなります。その結果、可販収量が増加します(図1)。

図1

図1栽植密度による可販収量と1果重への影響

注)うね間1.9m、株間を変えて栽植密度を調整した。

4.ヤシ殻培地は3年を目途に交換

ヤシ殻培地は有機質のため、使用年数に伴い分解されて繊維が細かくなり、容積の減少や透水性の悪化等の経年劣化を生じます(写真2)。そのため、徐々に収量が減少します。交換に要するコストを考慮して収益を試算すると、安定した収量及び所得を得るための交換の目安は3年です(図2)。なお、使用済みのヤシ殻培地は有機物として露地圃場に還元できます。ヤシ殻はロックウールよりほぐれやすく、一度の耕うんで土壌とよくなじみます。

写真2

写真2.ヤシ殻培地の経年変化
※1年使用(左)、2年使用(中)、3年使用(右)

 

図2

図2ヤシ殻培地の使用年数別の可販収量と所得の推移

※可販収量は1~3年は試験に基づく実測値、4、5年はその減少率からの推定値を基に算出した。

5.実際の導入に際して

土耕栽培から本栽培方式に切り替える場合は、図3のような給液装置が必要です。濃厚液肥を培養液タンクに投入する機材(定量ポンプや副タイマー付きかん水タイマーなど)、培養液の給液用ポンプ、電磁弁、ヤシ殻培地、点滴かん水用のドリッパーやチューブなどを組み合わせ、自主施工が可能です。既にEC制御法で行っている場合、定量ポンプ等をタイマー制御にするだけで本施肥法に切り替えることができます。

本給液管理及び長期どり栽培はマニュアル化が容易で、新規参入や雇用導入する経営体にも導入しやすい技術です。トマトの産地力アップに御活用ください。

図3-1

図3.栽培システムの構成

図3の拡大画像はこちら(JPG:46KB)

 

初掲載:令和2年3月

農林総合研究センター

野菜研究室

上席研究員木村美紀

電話:043-291-0151(代)

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