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更新日:令和2(2020)年6月1日

秋冬どりニンジンのエクボ症対策

1.はじめに~エクボ症とは~

「エクボ症」(写真1)はニンジンの首や肩部に凹凸を生じる生理障害で、その症状はブタの鼻の形状に類似していることから現地では「ブタ鼻」とも呼ばれています。

 

エクボ症は、生育初期(3葉期以降)に発生する胚軸の裂開(写真2)の痕跡が残ったもので、裂開程度によって症状が異なります。7月から8月にかけて播種を行う秋冬どり栽培で発生することから、高温障害であると考えられており、多発すると正品率の低下を招いて大きな問題となります。ここでは、エクボ症の発生しやすい条件と対策技術を明らかにしたので紹介します。

写真1エクボ

写真1.エクボ症

写真2裂開

写真2.裂開した胚軸

2.エクボ症の発生と栽培条件

(1)温度

ハウス内で播種時期を変えて試験を行い、生育初期の気温とエクボ症との関係を調査したところ、播種後42日までの気温が高いとエクボ症の発生株率は高くなり、平均気温が20℃以下ではエクボ症の発生株率は0%でした(データ省略)。このことから、生育初期の高温がエクボ症発生の主な要因であると考えられました。秋冬どり栽培では、播種時期が早いほど生育初期の温度が高い生育環境となるので注意が必要です。

(2)土壌水分

降雨の影響を受けない高温条件下でかん水時期とエクボ症の発生率との関係を調べると、播種後35日(葉数2.8枚)以降のかん水に比べて、播種後21日(葉数1.3枚)と28日(葉数2.0枚)のかん水で10%以上の増加がみられました(データ省略)。このことから、播種後28日(2葉期)までにまとまった降雨等で土壌水分が一時的にでも多くなった場合にエクボ症の発生が助長されると推察されました。

3.エクボ症対策技術

(1)エクボ症が発生しにくい品種の導入

秋冬どり向けに県内で導入されている14品種を8月2日播種で露地栽培し、エクボ症の発生率を比較したところ、2~34%と品種間差異がみられました(データ省略)。発生しやすい品種には、「愛紅」(住化農業資材株式会社)と「紅ひなた」(住化農業資材株式会社)があり、これらの品種は早い播種時期では特に注意が必要です。一方で、発生しにくい品種には、「翔馬」(タキイ種苗株式会社)と「クリスティーヌ」(みかど協和株式会社)があり、これらの品種を導入することも対策の一つになると思われました。

(2)培土によるエクボ症軽減効果

生育初期の胚軸は地上に露出しているので、高温の影響を受けやすい状態にあると考えられます。そこで、この胚軸部分に土を寄せる培土作業によって胚軸の裂開を防ぎ、エクボ症の抑制が可能かを調査しました(図1)。

図1-2

図1.培土時期別のエクボ症発生率

注1)「紅ひなた」を用い、平成28年8月20日播種、3月9日収穫のハウス栽培で実施
注2)播種直後から10月22日まで7日間隔で1回当たり30mmかん水した。その後は無かん水。
培土は手押しの中耕除草機「たがやす」(株式会社向井工業)で胚軸が隠れるように行った。

 

播種後21日(葉数1.2枚)、28日(葉数2.5枚)、35日(葉数3.8枚)にそれぞれ培土したところ、播種後21日と28日の発生株率は0%であるのに対して、既に胚軸の裂開が始まっている播種後35日の発生株率は51%となり、また培土しなかった無処理は61%となりました。以上のことより、播種後28日の3葉期までに培土すると、高確率でエクボ症の発生を防ぐことが可能であると考えられました。ただし、培土の時期が早いと株が埋まってしまい欠株や生育のばらつきにつながるため、胚軸裂開前である播種後21~28日の2~3葉期に胚軸が隠れるように培土することが効果的であると思われました。

効率的に培土するには、試験で使用した手押しの中耕除草機「たがやす」(株式会社向井工業)(写真3)のほか、一輪管理機タイプの培土機「はたかんHC35XD-243連仕様」(株式会社岡山農栄社)などがあります。

写真3

写真3.試験で培土に用いた中耕除草機「たがやす」

初掲載:令和2年6月
農林総合研究センター
水稲・畑地園芸研究所
畑地利用研究室
研究員山下雅大
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