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更新日:令和2(2020)年4月1日

9月定植+電照栽培でベル咲きキンギョソウを年末出荷

1.はじめに

キンギョソウは近年、温暖化の影響で7~8月の育苗・定植時期が高温となるため、発芽や活着が悪くなるなど、栽培が難しくなっています。そこで、高温期の育苗を避けるため、播種時期を遅らせる一方で電照栽培による開花促進技術を用いて年末からの出荷が可能になるかをベル咲き品種(写真1)6種類について検討しました。 

写真1

写真1.ベル咲きキンギョソウの花

2.収穫時期と切り花本数

慣行作型の7月下旬播種・8月下旬定植(以下、8月定植区)と、1か月遅らせた8月下旬播種・9月下旬定植作型で、遠赤色LED(波長730nm-740nm、9W、鍋清(株))を摘心日から発蕾期まで、日没から自然日長と合わせて16時間日長となるように電照する区(以下、9月定植電照区)と無電照区(以下、9月定植区)を設けました。
開花始めを比較したところ、8月定植区の切り花は全ての品種で10月からだったのに対して、9月定植区のそれは半数の品種で年明け以降となりました。9月定植電照区は9月定植区に比べて前進し、切り花は全ての品種で12月からとなりました(図1)。 

図1

図1.電照栽培によるベル咲き品種の月別切り花本数への影響

注1)品種は「ファルファレピンク」((株)サカタのタネ)

2)播種及び定植は8月定植区で平成26年7月30日及び8月27日、9月定植区及び9月定植電照区では平成26年8月20日及び9月17日

3)9月定植電照区は摘心(10月10日)から7週間、遠赤色LEDの電照を行った

4)最低夜温5℃で管理した


9月定植電照区と8月定植区の切り花本数を比較した場合、4月までの株当たり切り花総本数では差がありませんでした。なお、9月定植電照区の切り花長は、節数の減少に伴って短くなりますが、80cm以上は確保されているため、出荷に際しては問題ないと考えられます。

以上から、ベル咲き品種を用いれば8月下旬播種・9月下旬定植の作型でも、電照栽培によって、年末からの出荷が可能となることが明らかとなりました。10~11月の切り花本数は減少するものの、比較的に切り花単価が安定している1月及び3月に切り花本数が増加する傾向があるため、収益は慣行作型以上になると見込まれます。

3.導入経費

なお、遠赤色LEDを用いた電照栽培の導入コストは、電球を3m間隔で設置した場合、10アール当たり100球が必要となるため、電球代や配線等を合わせると650,000円程かかります。耐用年数は10年程度と見込まれるため、1年当たりのコストは65,000円となります。また、年間の電気代は2,770円かかると試算されます(表1)。コストはかかるものの高温期の育苗が避けられるため、安定した栽培が可能になると考えられます。 

表1

表1.年間の電気料金(10アール当たり)

注1)電照時間は平成26年10月10日から11月27日(摘心から7週間)までの積算値

2)消費電力は遠赤色LED電球の定格消費電力9Wから算出した

3)電気料金は新電力料金目安単価1kWh当たり27円を参考に算出した

4.おわりに

近年、切り花キンギョソウは本県では生産が減少しているものの、他の切り花品目に比べて輸入品の割合は少なく、単価も比較的安定しています。国内種苗会社も次々と新品種を出しており、今後もより作りやすい品種の登場が期待されます。これらの品種と本技術を導入し、キンギョソウの産地維持、発展につなげていただければ幸いです。

初掲載:令和2年4月

農林総合研究センター

暖地園芸研究所野菜・花き研究室

主席研究員種谷光泰

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