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更新日:令和2(2020)年4月1日

白井市におけるナシの大苗育成施設での病害虫防除

1.はじめに

千葉県白井市には、白井市梨業組合が運営する大苗の育成施設があります。全長3.3m以上の大苗を、年間1,600本以上育成可能で、新技術「ジョイント仕立て」の普及や老木の改植推進に貢献しています。大苗の育成時の防除は、果実を収穫するための慣行栽培の防除と異なる点があり、注意が必要です。ここで、現地の事例を紹介します。

2.大苗育成における病害虫防除

(1)大苗の育成方法

不織布ポットに苗木を植え、2本の新梢を直上に誘引しています。1年間で全長3.3m以上に育成します(写真1)。新梢伸長は、通常、4月上旬の発芽から9月中旬まで続きます。

写真1

写真1.育成された大苗

(2)大苗育成と慣行栽培の防除上の相違点

大苗育成と慣行栽培の防除は以下の点が異なります。

  • 慣行栽培では新梢の伸長が止まる7月以降も、新梢を加害する害虫に対する防除が必要
  • 大苗育成では果実を加害する病害虫に対する防除が必要ない
  • 大苗育成では、通常、慣行栽培では問題にならない害虫が発生

(3)大苗育成時に発生する病害虫と防除方法

白井市の大苗育成施設で確認された主な病害虫は以下のとおりです。

鱗翅目害虫

概ね5月中旬~9月末まで、新梢が伸長している期間を通じて、やわらかい葉を加害します(写真2)。10~20日に一度、有機リン系、カーバメイト系、ネオニコチノイド系、合成ピレスロイド系、ジアミド系などをローテーション散布します。

写真2

写真2.新梢上の鱗翅目害虫

アブラムシ類

育苗センターでは、主に4月下旬~8月上旬にかけて発生します。4月下旬、5月下旬、6月中旬、7月上旬、7月下旬に効果のある剤を散布しています。発生時期が年により異なりますので、発生状況を確認して防除します。8月以降も発生が確認された場合、臨機防除します。散布剤はウララDF、コルト顆粒水和剤、ネオニコチノイド系などをローテーションで選択します。

ハダニ類

梅雨明け以降に急激に増加します。慣行栽培と同様に防除しています。

ニセナシサビダニ

特に注意が必要な害虫です。肉眼では観察できず、被害が確認されてから防除すると、間に合わず落葉することがあります(写真3、4)。慣行栽培における4月下旬~5月中旬の防除に加えて、7月中旬~8月上旬の防除が非常に重要です。散布剤はコテツフロアブル、ハチハチフロアブル、モベントフロアブル、コロマイト乳剤などをローテーションで選択します。

写真3

写真3.ナシの葉上のニセナシサビダニ(体長約0.2ミリメートル)

 

写真4

写真4.ニセナシサビダニによる新梢の被害

チャノキイロアザミウマ

基本的にはニセナシサビダニと同様に発生初期の4月下旬~5月中旬に防除します。以降、7月上旬と8月中旬に効果のある剤を散布しています。発生初期はコテツフロアブルやハチハチフロアブルなどで防除し、以降はコルト顆粒水和剤やディアナWDGなどで防除します。

コガネムシ類

慣行栽培では問題になりませんが、大苗をポットで育成する場合、成虫が葉を、幼虫が根を食害します。特に、幼虫の根の食害には注意が必要ですが、現在、ニホンナシでコガネムシ類を対象とする剤の登録はありません。白井市では成虫の飛来が7月下旬~8月頃確認されています(写真5)。見つけ次第、捕殺します。

写真5

写真5.コガネムシ類成虫

黒星病

慣行栽培と異なり、大きな問題になることは少ないです。育苗センターでは、3月下旬~7月末まで定期的に防除するとともに、10月中旬から11月上旬にかけて、鱗片への黒星病の感染を防ぐ目的でオキシラン水和剤を3回散布しています。冬期には、落葉処理を必ず行います。

胴枯病

台風等により枝が傷ついた可能性がある場合、なるべく早くトップジンM水和剤を散布します。

根頭がん腫病

苗木のポットへの定植時に、根を徹底的に観察して、罹病の疑いがある苗は取り除きます。

(4)その他の注意点

耐性菌及び抵抗性害虫の発生予防のため、同系統の剤の連用、多用は避けてローテーション散布しましょう。特に、新梢を加害する害虫に対しては、防除案を組む段階で散布回数等に余裕を持った設定が必要です。

また、コガネムシ類などの大型の害虫は多目的防災網で被害を軽減できると考えられます。降雹等の対策にもつながりますので、導入は効果的です。

発生する病害虫は地域とほ場によって異なる可能性があります。状況に応じた防除を心掛けてください。

 

初掲載:令和2年4月

印旛農業事務所

改良普及課北西グループ

普及指導員井上雄樹

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