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更新日:令和2(2020)年6月4日

LED電球を用いたエラチオール・ベゴニアの低コスト電照栽培技術

1.はじめに

冬から春にかけての日長が短い時期にエラチオール・ベゴニアを栽培すると株が大きくなる前に花が咲いてしまい、低品質な株となってしまいます。そのため、夜間に電照を行って開花を抑制し、株を大きくする栽培が行われています。これまで、電照には白熱灯や蛍光灯が用いられてきましたが、これらの光源は消費電力が多く、今後の製造が不透明な状況です。そこで、消費電力が少ない光源として多分野で注目されているLED電球を用いた省エネ型電照栽培技術を開発したので、御紹介します。

2.開花を制御するLED電球

植物は照射される光の色(波長)が異なると開花や生育が変化してしまうことがあります。そこで、様々な色のLED電球を用い、エラチオール・ベゴニアの開花を抑制し、電照栽培に有効な色の特定を行いました。その結果、オレンジに近い色の光を照射できる電球色LED電球を用いると、蛍光灯と同等の開花抑制効果と草姿になることが明らかとなりました(表1)。

表1.電球色LEDがエラチオール・ベゴニア「ネティア」の開花及び生育に及ぼす影響
光源 開花日 草丈(cm) 株幅(cm) 花房数(個)
電球色LED

2月9日

20.2

29.1

10.8

白熱灯

2月7日

17.8

25.8

9.2

蛍光灯

2月8日

19.2

27.4

9.8

無照射

1月20日

11.5

19.9

3.8

注1)電球色LED:LDA8L-G/W/50W(東芝ライテック株式会社、620~630nmを中心に広域波長)

2)2013年9月26日に挿し芽、11月1日に鉢上げ、同11日から照射開始

3.電球色LED電球の導入コスト

防水型タイプで640ルーメン以上の明るさで発光する電球色LED電球を使用し、LED電球を鉢の土面から80cmの高さで、白熱灯や蛍光灯と同様に、3m当たり1球の間隔で設置することで開花と生育を揃えることができます。

これを元に、10a当たり90球を設置して10年間電照した場合の経費を計算すると、白熱灯に比べ約6割、蛍光灯に比べ約3割経費を削減できることが明らかとなりました(表2~4)。

表2.電球色LEDの10年間当たりの電気料金

光源

消費電力(W)

年間消費電力(kW/年/10a)

電気料金(円/10年)

白熱灯に対するコスト(%)

蛍光灯に対するコスト(%)

電球色LED

8.2

664

146,124

10.9

39.0

白熱灯

75.0

6,075

1,336,500

100.0

-

蛍光灯

21.0

1,701

374,220

-

100.0

注1)電球色LED:LDA8L-G/W/50W、白熱灯:DENS100/110V75G80K、蛍光灯:EFD21EL(全て東芝ライテック株式会社)

2)年間消費電力:3m当たり1球設置とし、10a当たり90球、年間点灯時間900時間で計算

3)電気代:電力料金目安単価22円/kW/hで計算

4)コスト:電気代を対象光源/白熱灯(蛍光灯)×100で計算

 

表3.電球色LEDの10年間当たりの電球代
光源

定格寿命(h)

希望小売価格(円)

電球数(個/10a/10年)

電球代(円/10a/10年)

電球色LED

40,000

5,250

90

472,500

白熱灯

1,000

370

810

299,700

蛍光灯

8,000

2,760

180

496,800

注1)電球数:10a当たり90球、10年当たりの点灯時間9,000時間とし、9000/定格寿命(小数点以下切り上げ)×90で計算

2)電球代:希望小売価格×電球数

 

表4.電球色LEDの10年間当たりの経費
光源

経費(電気料金+電球代)(円)

白熱灯に対するコスト(%)

蛍光灯に対するコスト(%)

電球色LED

618,624

37.8

71.0

白熱灯

1,636,200

100.0

-

蛍光灯

871,020

-

100.0

注1)コスト:経費を対象光源/白熱灯(蛍光灯)×100で計算

5.おわりに

人間の目には同じ色に見えるLED電球であっても製造メーカーによっては波長が異なるので、植物は異なる色と認識してしまい、開花や生育が変化してしまうことがあります。そのため、LED電球を導入する際は、まずは小規模で行い、植物の反応を確認することを心がけましょう。

初掲載:平成29年6月

農林総合研究センター

花植木研究室

研究員

中島拓

電話:043-291-0151

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お問い合わせ

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電話番号:043-223-2911

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