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ホーム > しごと・産業・観光 > 農林水産業 > 農業・畜産業 > 普及・技術 > 千葉県農業改良普及情報ネットワーク > フィールドノート履歴一覧 > フィールドノート履歴一覧(畜産) > オオムギを組み合わせた自給飼料二毛作栽培の事例紹介
更新日:令和8(2026)年4月16日
ページ番号:842925
畜産経営体が多い香取地域では、酪農家による粗飼料の自給生産も盛んに行われています。近年の飼料価格高止まりを受け、飼料用トウモロコシ(以下、トウモロコシと表記)の二期作や混播栽培(トウモロコシ+ソルガム)のほか、ムギ類を組み合わせた二毛作など、ほ場の有効活用により粗飼料生産を拡大する事例が見られます。
本稿では、飼料用オオムギ(以下、オオムギと表記)を組み合わせた二毛作栽培について紹介します。
畑地では、トウモロコシの後作として栽培されています。オオムギの播種を10月下旬から12月上旬に行う事例と、2月上旬から中旬に行う事例があります。また、収穫時期は、予乾体系では4月下旬から5月上旬、ダイレクトカット体系では5月下旬から6月中旬となっています。
図1.畑地での二毛作事例の栽培スケジュール
表1.畑地での栽培概要及び収穫調査結果(令和7年産)

写真1.生育中の様子(D農場、令和7年5月14日)

写真2.収穫作業の様子(D農場、令和7年6月9日)
水田地帯では、ホールクロップサイレージ用イネ(以下、WCS用イネと表記)またはミレットの後作として、イタリアンライグラスとオオムギの混播栽培をしている事例があります。
オオムギを混ぜることでイタリアンライグラスの倒伏を軽減する効果があります。
なお、オオムギはイタリアンライグラスに比べ耐湿性が弱いため、ほ場の排水性を高めておくことが重要です。
図2.水田での二毛作事例の栽培スケジュール
表2.水田でのイタリアンライグラスと飼料用オオムギ混播栽培の概要と収穫調査結果(令和6年産)

写真3.出芽後の様子(E農場、令和5年12月5日)

写真4.収穫時期の様子(E農場、令和6年4月30日)
オオムギの発芽適温は10から20度であり、発芽遅延を避けるためにも、10月下旬から11月中旬までに播種することが推奨されています。播種深度は3センチメートル程度が望ましく、5センチメートル以上の深さでは出芽遅延や生育不良につながる場合があります。また、播種後の鎮圧は、発芽を良好にする効果があります。
収穫時期については、サイレージ調製に適した水分(75パーセント程度)となる糊熟期以降が目安です。
オオムギは吸肥力が強いため、堆肥の連用等により土壌中の肥料成分が高いほ場では、以下の点に留意が必要です。
・過繁茂や倒伏を招き、収穫ロスが多くなる。
・植物体中の硝酸態窒素濃度やカリウム含量が高くなりやすい。
・根の張りが浅くなり、刈取り時に根部ごと抜けやすくなるため、サイレージへの土砂混入が生じやすい。
なお、植物体中の硝酸態窒素は株元に蓄積しやすく、また、熟期が進むにつれ濃度が低くなります。そのため、刈取りの高さを上げることや早刈りを避けることで、サイレージ中の硝酸態窒素濃度の低減を期待できます。

写真5.倒伏が生じたほ場(C農場、令和7年5月14日)

写真6.収穫ロスの状況(C農場、令和7年6月9日)
オオムギはトウモロコシやWCS用イネの後作として栽培できることや、牛の嗜好性が良く、食欲が減退する夏季においてもよく食べることから導入されています。
一方で、堆肥の連用等により土壌中の肥料成分が多いほ場では、収穫ロスや飼料品質の低下を招くことが課題です。
収量・品質を向上させるため、栽植密度や堆肥施用等、ほ場に合った栽培管理を検討する必要があります。
初掲載:令和8年2月
香取農業事務所改良普及課
西部グループ
上席普及指導員:綿貫 俊貴
電話番号:0478-52-9195
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