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更新日:令和8(2026)年3月6日
ページ番号:828012
本県の農業改良普及事業に関して、普及指導計画に基づき農業事務所改良普及課が実施した前年度の農業改良普及活動・成果及び体制等について、幅広い視点から検討を行える優れた見識を有する者(以下、「外部有識者」という。)による意見交換会を開催し、より高い成果が得られるよう普及事業の改善を図る。
令和7年10月15日(木曜日)午前11時から午後4時
JA富里市本店会議室
千葉県
外部有識者、農業事務所改良普及課、担い手支援課
| 区分 | 所属・職名 | 氏名 |
|---|---|---|
| 先進的な農業者 |
千葉県指導農業士会 |
海老原 進 |
| 若手農業者 |
千葉県農業士協会 副会長理事 |
髙橋 勇樹 |
| 女性農業者 | 千葉県農業士協会 印旛支部 | 井上 和子 |
| 農業関係団体 |
全農千葉県本部 営農園芸部 専任部長 |
田中 公博 |
| 消費者 |
ちばの野菜伝道師 |
髙原 和江※ |
| 学識経験者 |
千葉大学大学院 園芸学研究院 教授 |
櫻井 清一 |
| 報道機関 | NHK千葉放送局 コンテンツセンター長 | 三上 光 |
| 民間企業 |
千葉銀行法人営業部 ビジネスソリューショングループ アグリビジネス副調査役 |
川名 純矢 |
※意見交換会当日は欠席
次代につなぐスイカ産地の育成と施設野菜の持続的な生産体系の構築
スイカについては、富里市農業指導連絡協議会(構成員:市、農業委員会、農協、農業事務所以下、「関係機関」とする)において、担い手確保対策として「富里すいか産地体験会」を開催した。この活動を通して、就農支援体制の整備に向けた機運を関係機関との間で高められた。
トマトについては、高温対策とトマト黄化葉巻病(以下、「黄化葉巻病」とする)対策を両立する「総合的対策」についての実証圃を設置し、例年並みの出荷量が確保できることを実証した。
実証圃の成果を受け、JA富里市トマト部においては、微細防虫ネット展張を含む「総合的対策」を推進することとなった。また、これらの結果を県域研修会を通して県内全域のトマト生産者へ紹介した。
[質問1]
黄化葉巻病対策のメッシュや遮光ネットは資材代がかかってしまう。資材代が高騰している中で、設置する農家の人件費を含めて、トマトに価格が反映されているか。
[回答1]
まずはきちんとしたものを収穫して売ることが売上の確保に繋がる。収量の確保が大事だと考えている。
[質問2]
今回の集合研修により、取り組んだ生産者の感想や意見があれば、教えていただきたい。
[回答2]
県の事業を活用して、ネットを導入した農家が多く、しっかり収量が確保できている。来年度も事業を実施予定であり、今年度導入しなかった生産者は、今回の結果を見て、導入を考えている。一部の農家では、自動潅水の導入を検討している。
[質問3]
オーダーメードで指導者の皆さんが対応しているが、小規模の高齢農家がやっていけるのかどうかが課題だと思う。市場出荷できないものについては、ジュースなどの原料として利用できれば良いのではないか。
[回答3]
トマトでは加工は行っていないが、ニンジンでは、ジュース等の加工の取組を行っている。
[質問4]
ハウス栽培であれば、病気の対策として応用が利くと思うが、他の品目で活用を考えているものがあるか。
[回答4]
トマト黄化葉巻病はコナジラミが媒介するが、当産地の代表的な品目であるスイカにおいても別のウイルス病を媒介し、影響を及ぼすことが分かってきた。このコナジラミ対策は地域でかなり意識をして取り組んできた。また、夏の猛暑については、水稲や花、家畜等に影響があり、高温対策は、近年の生産現場での重要課題の一つとして認識して取り組んでいる。
[意見]
有意義な取組だと思う。現場では、高温による害虫や生育障害により、収量が減って困っている。今回の取組により、トマトの発病割合が半分に落ちていることから、この先も続けていただき、安定して収量の減少が1~2割程度で済むような成果に持っていってほしい。水稲についても今後取り組んでもらいたい。
集落営農組織を核とした香取市堀之内地区の活性化
水田の基盤整備を進める香取市堀之内地区で、高収益作物としてタマネギの導入と、地区の集落営農組織である(農)みずほのライスセンター設立を支援した。
令和5年度は、堀之内工区の役員により3回の検討会を行い、新たに高収益作物としてタマネギを作付することとなり、転換畑で1aの試作の栽培指導を行った。令和6年度は12a作付され、栽培技術向上の支援と、先進地視察や定植機の実演会を通じて機械化の必要性について動機づけを行った。また堀之内野菜組合の設立を支援し、関係機関との調整による販売支援を行った。
水稲作では(農)みずほのライスセンター建設に向け、他経営体のライスセンターの視察と情報交換会を開催するとともに、企画振興課、香取市役所農政課と連携して補助事業活用の協議を重ね、施設導入計画の作成を支援した。令和6年3月に国庫事業を活用して、40ha規模のライスセンターの建屋と機械設備が整備され、水稲面積の集積が進んだ。
[質問1]
乾田化はどのくらいなのか。また、栽培品目にタマネギを選んだ理由は何か。
[回答1]
畑は1.2haを調整することとなっている。タマネギを選んだ理由は、タマネギを栽培したことがある工区長の声を活かしてスタートしたため。
[質問2]
稲作農家が新たにタマネギ栽培に取り組んでみて、どう感じているのか。また、タマネギ栽培による収益化は、現在は試行錯誤中だと思うが、今後の計画を教えていただきたい。
[回答2]
現在は小規模での栽培のため、購入した苗代を回収するのがやっとである。試算上は20~30aの栽培により機械の減価償却を含めて黒字化できる見込み。今作では作付けを増やし、まずは赤字をゼロにすることを目標とし、令和11年度には乾田化した1haに拡大する計画となっている。
[質問3]
みずほの構成員の年齢構成を教えていただきたい。
[回答3]
50代が2名、60代が2名、その他が70代である。
[質問4]
工区長に負担が集中するとあったが、どういうことか。また、それをどのように平準化していくのか。
[回答4]
タマネギ生産については、栽培経験者が工区長のみということもあり、工区長が主要な栽培管理や作業調整などを率先して行っている状況である。そうした事も踏まえて工区長と打合せをし、栽培講習会や現地検討会を行って栽培技術の向上を進めている。引き続き、工区委員会等でも栽培管理作業の励行を働きかけていく。
[質問5]
水稲について「育苗能力が限界に近付きつつある」とあったが、補足説明をお願いしたい。今は農事組合法人でやっているようだがその詳しい状況や、直播も検討しているとのことだが、もし直播を行うとしたらどんなことを考えているのか教えていただきたい。
[回答5]
農事組合法人では、48.5haの水田を管理しており、今年は5,300枚ほどの育苗箱を使用した。このうち法人の中で管理したものは2,800枚ぐらいであり、残りは近隣の農家から供給してもらっている。法人では、今後工区の内外から農地が集まることが予想される中で苗をどう確保するかが課題となっているため、直播に興味を示している。管内では「リゾケア」という資材を使った湛水直播が取り組まれている。堀之内でも、湛水直播技術の試験導入を来年行う予定。湛水直播の場合、移植栽培と比べて収量の振れ幅が大きい。近隣の大規模模農家では播種量を増やしてかき取り量を少なくすることで、単位面積当たりに使用する苗箱数を削減し、育苗の省力化に取り組んでいる。そのような両立も図りながら、今後の水稲の規模拡大を支援する取組をしていきたい。
[質問6]
農事組合法人とそれ以外の農家の関係性はどうなっているのか。
[回答6]
野菜では、「堀之内野菜組合」には法人9名、個人9名が組合員となっており、18名全員が共同で野菜を生産する体制をとっている。
水稲では、直接的な協力があるわけではないが、地域の水田を一緒になって守るように耕作をしている。
団体活動の支援による多様な担い手の育成
専門普及指導室では、県単位の農業者団体の活動支援を通して、個々の経営確立による新規就農者の定着と地域農業の振興に貢献する人材の育成に取り組んでおり、青年農業者の育成については、ちばアグリネットワークと千葉県青年農業者会議実行委員会の2団体を核として進めている。
ちばアグリネットワークでは、会員が主体となった運営支援と会員の連携強化に取り組み、ちばアグリネットワークの会員数が増加した。千葉県青年農業者会議実行委員会は、県内各地の発表を共有し相互の交流を図る千葉県青年農業者会議を運営する青年農業者の組織であり、県内全地域から発表が行われるよう調整し、農業事務所と連携して発表の指導を行ったことで、プロジェクト発表の千葉県代表が全国大会・関東大会で特別賞を受賞した。
[質問1]
以前から青年農業者会議の時にCANの存在は知っていたが、今回初めてこのような団体なのだと分かった。新規勧誘を行うことは考えているのか。
[回答1]
青年農業者会議の場などを通しての募集や、各地域の農業経営体育成セミナーの中でCANの活動紹介を行い、募集している。CANは県域組織であり、県内どの地域の人でも加入できるため、新規就農者で繋がりを求めている方の受け皿となるため、さらに募集を工夫して行っていきたいと考えている。
[質問2]
青年農業者会議では、人が毎年変わるため運営側も大変だと思うが、どのように対応していたのか。
[回答2]
近年は前向きな方が多い。実行委員長は立候補で選出されており、会議でも多く提案している様子が見られる。また、事前に各農業事務所の担当者と相談する中で、どういった内容を実行委員から話してもらうかなどの準備をしている。また、今年度は少数のグループで話し合うようにしており、お互いを知り発言しやすい関係づくりに努めている。
[意見]
このような会の一番の目的は仲間づくりだと思う。非常に有意義な団体だと思う。地域の新規参入者に声かけをしてほしい。新規参入者は孤立してしまう。このような団体に入ることで、農業技術だけでなく、生活の問題なども情報交換することが大事だと思う。
[回答]
新規参入者の繋がりは大事だと思うため、今後PRしていきたいと思う。
早期成園化の推進と明確な経営ビジョンを持った経営体の育成による産地の発展
梨産地及び個々の経営の維持・発展を図るため、➀改植後の苗木に枯死を引き起こし早期成園化の妨げとなる白紋羽病の防除対策の普及、②若手生産者の栽培技術、経営管理能力の向上、③担い手の確保・育成の必要性に対する生産者・関係者との共通認識の形成、④中国産花粉の使用自粛に対応した安定着果対策の指導に取り組んだ。
これらの結果、①地域における計画的な改植、②若手生産者の経営参画、③地域ぐるみでの園地貸借・新規参入者受入体制の構築に向けた協議の開始、④個々の経営における安定着果対策の徹底や地域における花粉自給体制の構築が進んだ。
[質問1]
ナシは初期投資がものすごくかかる。既存のナシ畑を新規で利用する場合、マッチングが良いと思うが、梨の場合、1年間放置すると農地が使えなくなってしまう。そのタイミングをどうやって計るのか。今までナシを栽培していた農家が高齢になった時、「いつやめるの?」とは聞けないため、難しいと感じる。白井市では、ナシ農家が高齢になると、辞める時に樹を一気に切ってしまう。事前に辞める園の情報が取れればマッチングができると思うがどのように進めたらよいか。
[回答1]
船橋市の園地貸借では、産地の面積減少を止めたいという農家の声をきっかけに生産者と関係機関との間で検討が始まり、令和5年度に生産組織内で規模拡大意向のある7名の生産者で園地対策部が設立された。園地対策部では、ナシの生産部会で2年ごとに農地の貸付意向を確認している。その意向を踏まえて、借り手の中でマッチングができないかを検討している。事前にできるだけ辞める園地のタイミングをつかめるよう工夫して取り組んでいる。
[質問2]
マッチングに結び付いた事例があれば教えていただきたい。また、鎌ヶ谷市の状況はどうか。
[回答2]
船橋市では、園地貸借部7名の中で検討し、7名の中で借りたい農家がいた場合、農地利用最適化推進員が間に入り、貸借を進める。7名で希望が無かった場合、推進委員が広域に呼びかけている。昨年に1件、鎌ヶ谷市のナシ農家が船橋市の園地を借りるマッチングが成立している。また、今年、船橋市で園地対策部7名のうち1名が貸借の検討を行っている。鎌ヶ谷市では、まだ船橋市のようなシステマチックな取組はできていないが、園地貸借の推進は必要だという関係機関・生産者の共通認識はあるため、船橋市の事例を参考にしながら進めていきたい。
次代の農業を担う女性農業者の育成・確保とネットワーク化
県内トップクラスの農業地域である銚子市において、若手女性農業者の経営参画の促進とネットワークづくりを目的に、40歳未満の女性農業者を対象に「農業女子スキルアップセミナーin銚子」を開催し、経営のパートナーとして必要な知識・技術の習得と就業条件整備を図った。
また、銚子市アグリレディース「いろは」と「rococo」の若手女性グループは、会員の固定化と共催事業が増えてきたことにより個々のグループ活動の意義は希薄になりつつあった。
そこで新たな会員を募ると共に組織の再編を提案し、女性農業者が主体的に取り組むよう設立準備委員会を開催して、若手女性農業者の就農定着と稼げる農業の実現、銚子市農業の振興を図ることを目的に「あぐり女子いろCOCO銚子」(会員24名)が令和6年11月の発足に至った。
[質問1]
女性農業者の確保・育成は全国的にも効果のあることで注目されている。銚子というとキャベツや葉物野菜が有名で、大消費地にも出荷していると思う。小規模な農家では難しいと思うが、女性の視点で新たな付加価値を付けられることはないか。
[回答1]
まだ始まったばかりだが、ドライキャベツやダイコンポタージュを道の駅に少量販売している。いずれは6次産業化として大きく取り組みたいと考えている。
[質問2]
新しい女性が加わり、良い意味で緩いネットワークができたとのことだが、構成員の年齢構成が分かれば教えていただきたい。女性農業者のグループはこれまでは同世代の女性が集まる傾向があり、上や下の世代が入らないケースが多いと思うがどうか。
[回答2]
20代が1名、30代・40代が22名、50代が1名となっている。
[質問3]
新たな人材を掘り起こすのが大変だと思うが、データベース化してどの地域にどんな人がいるか分かると良いのではないか。
[回答3]
データベースは現在ない。子どもの年齢については、認定農業者の計画書から確認できる。ただ、JAや市町村しか分からない情報もあるため、情報を頂きながら取り組んでいる。
切り花の安定的な生産による産地の維持・発展
丸朝園芸農協の主力品目であるサンダーソニアの安定生産に向け、実生球根の養成技術の確立に取り組み、球根の確保を実現した。
また、年間を通して安定した市場流通を実現するため、JA道北なよろと丸朝園芸農協で出荷規格を統一し、産地間の協力体制を構築した。さらに、球根切花を主力品目とするオンリーワン産地として、品質維持のため、葉枯れ症状を起こさない出荷条件の改善に取り組んだ。
これらの取組により、主要品目であるサンダーソニアの安定生産技術の確立と販売の安定化を図ることで、産地全体の活性化と花き経営体の発展を目指した。
[質問1]
産地間連携により、組織対組織でできて良い取り組みだと思う。生産者に還元すべく、産地として新たな販路の開拓に取り組んでもらいたい。国内販路の獲得に向けて何かやっていることや、輸出を拡大するにあたって課題になっていることがあれば教えていただきたい。
[回答1]
産地間連携では、北海道の産地でも課題があり、それをお互いに共有し、栽培技術や出荷規格などを共有できるような体制をとり、これからさらに連携を深めていく予定。輸出では、海外に拠点を持つ業者と接点を作り、輸出にこれから取り組む。課題は、輸出のルートが確立していないこと。成田空港に近いところに産地があるが、成田空港から直接送る体制ができていないため、今後ルートを作っていきたいと考えている。
[質問2]
サンダーソニアの知名度が低いと思う。国内の知名度向上に向けて取り組むことも必要と思うが、何か取組のお考えがあればお聞きしたい。
[回答2]
今の花きの需要では、柔らかなラインを作る花やナチュラルな感じの花が人気のため、そういったところで訴えていけば人気は高まると思う。ただ一般的な花と比べると知名度が低いことがネックになっている。これがさらにポピュラーな品目として定着していければと思っている。
鴨川市における新規園芸品目の生産拡大と枝豆産地の確立
鴨川市は県南部に位置し、水田が多い地域である。温暖な気候に適した、地域の特色を生かした品目が栽培されている。しかし高齢化や労働力不足等により、面積や出荷量が伸び悩んでいた。
そこで、新規就農者を中心に基本技術の習得支援や、鳥獣害対策の指導を行った。また労働力の不足については農福連携の推進により出荷労力の軽減に取り組んだ。さらに定年帰農希望者や移住者等、農業に興味のある人材を育成し、農外の人材と連携した労力補完に向け指導を行った。
その結果、新規園芸品目(レンコン、レモン)の生産拡大や、枝豆出荷量の増加につながった。
[質問1]
鴨川七里について、農福連携の作業者の環境づくりを整えるのは大変だと思うが、エダマメの選別作業でも工夫した点があれば教えていただきたい。さらに需要があれば収穫・選別作業を機械化し、エダマメをたくさん生産できるのではないか。
[回答1]
農福連携を始めるにあたり、農業者側と福祉事業所側の双方の現場を訪問し、相互理解を深め、話し合いを行った。結果、エダマメを収穫し、脱莢までは農家の作業場で行い、選別は福祉事業所で行い、それぞれが慣れた自分の場所で行うことでトラブルが少なくなっている。また、選別作業では障がい者に分かりやすい絵柄とするなど、作業場の工夫を行っている。
機械化では、鴨川七里では、脱莢機と選別機が入っている。選別機では1粒莢や3粒莢は選別できず、人の目が必要なため、農福連携を行っている。色彩選別機を導入すると1粒莢も選別・機械化が行えるが、そこまでの規模ではないため、農福連携を行っている。
[質問2]
鴨川七里やレモンの栽培をしていることを初めて知った。鴨川七里は通常のエダマメの品種とは特徴が違うのか。違いがPRポイントになるのであれば、新たな販売に繋がるのではないか。
また、鴨川七里やレモンの新規就農に向けた取り組みの状況を知りたい。新規就農を積極的に受け入れるぐらいのロットを作っているのか。
[回答2]
鴨川七里の特徴は、極晩生のエダマメ。普通のエダマメは春から夏に出荷されるが、千葉では小糸在来という品種の後に出てくる極晩生系統であり、出荷時期が違うことで差別化を図っている。また香りが七里先まで届くという言い伝えがある、非常に香りのよいエダマメ。それを売りにPRをしているが、今後さらに行っていきたいと考えている。
新規就農については、アグリサポーターセミナーで、農業を知ってもらい、地域の農家と会うことで、自分も農業をやりたいと思ってもらいたいと考えている。参加者が定年帰農や半農半X、移住者が多く、本気で農業で稼ぐような人は現在いないが、自分でほ場を持ってやりたいと思う人もいるため、そのような方には新規就農に向けたサポートを行っている。
パートナーシップ型農業の実践及び多角化により経営向上を図る農業経営体の育成
若手女性農業者26名を対象に、農業生産に関する知識・技術力の習得及び経営の多角化による経営参画を推進するため、農業実践力向上研修を開催した。その一環で安房地域の生産者との合同マルシェ及び交流会を開催した。地域を越えて様々な品目・多様な経営方法の生産者と有益な情報を交換をすることにより女性農業者の農業への参画に対する意識や自主性の向上を促すことで、新商品の開発や自園直売所の開設、マルシェへの出店など経営の多角化を支援した。
また、地域農業の活性化に向けて行動ができるリーダーを育成するため、県主催の地域農業・産地力アップ女性リーダー講座(以下、リーダー講座)に2名の参加を促した。さらに、講座に先駆けて独自の打合せを複数回行い、専門家派遣を活用して地域活性化に向けたステップアッププラン(以下、プラン)の作成と実践を支援した。
[質問1]
多角化の数的指標を掴んでいないとのことだが、これから新たに始める農家は、数的な基準や直売所に直結するルートを作っておいて、そこに乗せるという取組を検討してはどうか。
また、地域のJAにも直売所があるため、連携していることがあれば教えていただきたい。
[回答2]
現在は、数的な指標を使っていない。農家によって経営の類型がそれぞれ異なり、酪農では、チーズやチーズケーキ、牛乳羊羹などがあり、野菜農家ではジャムや漬物などと異なるため、基準が作りづらいと感じている。ただ、直売所に出荷している農家も多いため、直売所とも連携しながら進めている。
JAの直売所へ加工品を出品している農家もいる。
[質問2]
実績では、多角化に取り組んだ経営体が何戸といった農家単位で把握されていることが多い。女性のこれまでの多角化の取組ではグループで取り組むケースが多かったが、過去20年ぐらいの特徴としては、個人で取り組む女性が増えている印象を持っている。君津では個性的な事例が多かったが、グループよりも個人で取り組む事例の方が多いと考えて良いのか。
また、実践されている取組としては、食品を加工するケースが多いと思うが、農家レベルでの食品加工では、数年前から保健所の基準が厳しくなり、個人レベルで加工に取り組む数が減っているような気がする。加工に必要な安全対策を普及では取り組んでいるのか。
[回答2]
数年前まではグループで取り組むケースが多かったが、最近では個人で取り組むケースが多いと感じている。グループでは、後継者が入ってこないため、個人で取り組んでいることが多い。
確かに保健所の基準が厳しくなっているため、農業事務所では研修会を通じて安全面などを説明している。
[質問3]
研修で外部講師を呼んでいると思うが、外部講師を探すときに心がけていることやコツはあるか。
[回答3]
今回直売所マップを作成しており、マップの構成や注意点があったため、千葉県のよろず拠点に相談し、チラシの作成方法をアドバイスいただいた。外部講師はよろず拠点に相談することが多い。
・団体活動一番の目的は仲間づくりだと思う。青年度農業者の団体は、非常に有意義な団体だと思う。地域の新規参入者に声かけをしてほしい。新規参入者は孤立してしまう。このような団体に入ることで、農業技術だけでなく、生活の問題なども情報交換することが大事だと思う。
・非常にきめ細かい取組が多く、農家側としてありがたい。農業は後継者が少なくなる大きな課題が山積している。新規就農者は孤立してしまい、技術が未熟である。新規就農者の所得が少ない中で、どうやって新規就農者が農業を続けていけるかが大きな問題。農家人口が減っていく中で、どのように新規就農者を確保していけばよいか考えていただきたい。
・高温対策や地域の人の構成、ライスセンターの立ち上げなど、時が変わればタイムリーに課題も変わってくる。農家だけではできない課題が出てくると思うので、農業事務所や県の方々にご指導いただき、それを乗り越え、今後の厳しい状況の中、収益性が立つ営農を安心してできるような千葉県であってほしいし、今後もそのような取組みを継続してもらいたい。
・女性のグループと女性の経営参画の事例では、こういった女性の農家は多いと思う。これからも女性が経営参画していけるよう人材の育成をしてもらいたい。
・現場に即した課題解決型の取組であり、非常にありがたい。今までと違い、社会環境や自然環境が急激に変わってきている。高温対策の課題に対して、農業事務所だけでなく、関係機関を巻き込んで、迅速に技術の普及をすることが今まで以上に求められる。農業者に対して技術的な研修会を一度で終わらせるのはもったいない。動画に収めて生産者に情報発信していくのが重要ではないか。その時は関係機関を巻き込んで、生産者に生きた情報を早く届けるのが重要。今後も課題解決型の取組を継続し、情報を発信していただきたい。
・米の価格高騰など、消費者側の視点と農家側の視点を解決する良いモデルが千葉から発信できればと思っている。千葉県では粒すけ等の品種を開発しており、暑さ対策として、品種開発などをどんどん進めていただいて、我々も報道等で後押ししていきたい。
・女性農業者のような、今の時代に合った課題観に対応するテーマ設定をして取り組んでいると感じた。2年前は稲WCSの取組が多かったと思うが、外部環境が変わっていく中、その時進めた耕畜連携の取組に係った人たちが取り残されないようなフォローをお願いしたい。
・売上を上げる時、「価格を上げる」考え方と「収量を増やす」考え方があるが、価格を上げるのは外部環境に左右されるため大変。個々の事業者で取り組めるのは収量を増やすことだと思うので、収量を上げるための支援をしていただきたい。
・今年の課題では、園芸が多く、園芸の中でもバラエティーに富んでいた。担い手に関する言及が多かった。集落営農や青年農業者、女性農業者、農福連携、援農ボランティアなど、農業の担い手は多様だと改めて感じた。また、それぞれの取組に意義や役割があるのだと感じた。普及活動は人相手の仕事のため、今後もいろんなタイプの担い手のサポートをしていただき、情報提供をしていただきたい。
農業事務所改良普及課等は、意見交換会の結果を、令和7年度の普及指導活動の運営、来年度の計画(令和8年度農業改良普及指導計画)の作成、次期中期計画の作成等に反映させる。また、担い手支援課も含め、活動の効率化、効果の向上に活用する。
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