ここから本文です。
ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化財 > 文化財の指定と登録 > 県内の国登録有形文化財 > 心巖寺 欄間「竜」(武志伊八郎信由関連作品)
更新日:令和7(2025)年2月3日
ページ番号:733195
(しんがんじ らんま「りゅう」(たけしいはちろうのぶよしかんれんさくひん))
心巖寺 欄間「竜」(阿形)
心巖寺 欄間「竜」(吽形)
県登録有形文化財(彫刻)
1対
令和6年2月7日
鴨川市貝渚2002(宗教法人心巌寺)
武志伊八郎信由(初代伊八。以下、「伊八」という。)は、江戸時代後期に活躍した彫物大工である。その作品は、上総、安房地方の社寺建築を中心に遺されており、現代では特に波の表現が特徴的であると評価されることが多いことから、広く「波の伊八」として知られている。作者銘・紀年銘や作風から、伊八が手がけたと考えられる作品を「武志伊八郎信由関連作品」と呼ぶ。
心巌寺は、以前は鴨川漁港に近い場所にあったが、昭和初期に現在の場所に移転した。当該欄間は、その際に新築した本堂に移設されている。欄間は2面1対で、右側が阿形、左側が吽形で、荒波から姿を現す竜が向かい合うように配置されており、吽形の方は前肢に宝珠を握っている。近年の塗料による彩色で竜の体が黒く塗られている。裏面には伊八の刻銘が残されているが、詳細な製作年代は不明である。伊八の手による竜の中では、体の鱗が大きく、口先が長く伸びるのは、伊八が30代から40代半ばに制作したものに共通の特徴である。また、年代が判明している天明4年10月(1784)の銘がある君津市禅定院欄間の竜の作風との共通点が認められることから、本作は、伊八が30代であった天明年間ごろの作品と推測される。
現在は、本堂において公開されており、自由に見学することができる。刻銘が残されており、壮年期の伊八の作風をよく表している貴重な事例である。
関連リンク
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください