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更新日:令和5(2023)年7月6日
ページ番号:389419
(このはなさくやひめ いしいりんきょうひつ)
木華開耶媛(石井林響筆)
県指定有形文化財(絵画)
令和2年3月10日
千葉市中央区中央港1丁目104(千葉県)
千葉県立美術館
石井林響は、明治17年(1884)に千葉県山辺郡土気本郷町に生まれ、上京して橋本雅邦門下に入り、明治35年(1902)には石井天風の名で第13回日本美術院絵画共進会に作品を出品している。以来、大正9年(1920)に林響と名乗るまでが「天風」時代と称される。大正15年(1926)に千葉県山武郡大網町に居を移したが、昭和5年(1930)に亡くなっている。石井は20世紀前半の中央画壇で活躍し、南画や中国主題の神仙趣味や人々の労働を幻想的な自然の中に描く独特な新しい日本画の作風を打ち立てた。
本作は「天風」時代早期の作品で、画家の若々しい筆致や意気軒高な進取の気風を見ることができる優品といえ、群像表現の緊密さ、邇邇芸命が手にする弓と従者の槍が創り出す十字や、姫から後方の従者へと画面対角線をなす配列といった画面構成の理知的な組み立ては、計算され練り込まれた作風を示している。日本神話からの題材選択や主人公2人の心情表現の細やかさにみる物語的な志向は、明治末から大正へかけての浪漫主義の流れをよくあらわしている。本作は石井の初期の画風をよく示す作品であり、日本近代絵画史の上でも重要な一点である。
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