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更新日:令和5(2023)年10月2日
ページ番号:315483
(もくぞうやくしにょらいざぞう)
県指定有形文化財(彫刻)
平成21年3月17日
鴨川市内浦1726(西蓮寺)
像高87.cm、等身の薬師如来坐像である。ヒノキ材とみられる針葉樹の一材で頭部から体部まで木取りし、両耳の後ろを通る線で前後に割って、内刳りした後に矧ぎ合わせる割矧ぎ造りの構造である。
右手は胸の前で掌を前にして立て(施無畏印)、左手は膝上で掌を上にして薬壺をとり、右脚を外にして結跏趺坐する。薬師如来の坐像としては一般的な姿勢といえる。目には玉眼が嵌め込まれている。現状で、全面に赤色の漆が認められるが、当初は金箔を貼った金色の像であったと考えられる。
頭部の肉髻部が後補で裳先などを失っているが、当初の光背や台座を残しており、保存のよい像といえる。彫りの浅い衣文の表現や体躯の奥行きを細身にするなど、平安時代後期の作風を残しているが、玉眼を使用し、額の髪生え際の線を波打たせるなど、鎌倉時代の特徴も示される。二つの時代の特徴が重なった過渡的な像で、鎌倉時代初期の制作と考えられる。
薬師如来坐像は、鴨川市内浦の天台宗寺院西蓮寺の薬師堂の本尊であるが、薬師堂は、元禄13年(1703)の大地震の際に伽藍は大被害を受け、その8年後の宝永8年(1711)に堂は再建されて今日に至る。像が安置される厨子の内部には、地震の被害について記されていることも貴重であるといえよう。
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