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更新日:令和7(2025)年2月3日

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大山寺 俱利伽羅竜(武志伊八郎信由関連作品)

(おおやまでら くりからりゅう(たけしいはちろうのぶよしかんれんさくひん))

大山寺俱利伽羅竜(武志伊八郎信由関連作品) 

種別

県登録有形文化財(彫刻)

登録内容

1点

登録日

令和6年2月7日

所在地(所有者)

鴨川市平塚1718(宗教法人大山寺)

概要

武志伊八郎信由(初代伊八。以下、「伊八」という。)は、江戸時代後期に活躍した彫物大工である。その作品は、上総、安房地方の社寺建築を中心に遺されており、現代では特に波の表現が特徴的であると評価されることが多いことから、広く「波の伊八」として知られている。作者銘・紀年銘や作風から、伊八が手がけたと考えられる作品を「武志伊八郎信由関連作品」と呼ぶ。

本作は、大山寺不動堂(県指定有形文化財(建造物))の宮殿(厨子)正面に配置されている。銘文は存在しないが、向拝の「竜」(享和3年(1803)、伊八作の銘あり。)や、懸魚「飛竜」と比較すると、体部の鱗や頭部の表現が共通する。不動堂の上棟が享和2年(1802)であることから、不動堂の向拝、懸魚とほぼ同時期に伊八によって制作された作品と推測される。

「俱利伽羅竜」は不動明王の化身とされており、本寺院の本尊は不動明王であることから、本尊と同様に信仰の対象であったものと推測される。俱利伽羅竜は、一般的には宝剣に竜が巻き付いて呑み込もうとする姿で表されるが、本作は、渦巻く波間に突き出た宝剣に竜が巻き付き呑み込む様を躍動的に表現している。本作は前後に扁平で裏面は全く彫られていない。上半分こそ厚みを持たせ側面の描写もあるが、下半分は板状で正面のみが描写されている。しかし正面からみると極めて立体的な印象を与え、扁平であることを感じさせない。竜の頭部に取り付けられていた2本の角は失われているが、大部分が当初の姿をとどめている。

本作は、伊八唯一の俱利伽羅竜の作例であり、円熟期を迎えた50代前半の伊八の作風をよく表す貴重な事例である。

お問い合わせ

所属課室:教育振興部文化財課指定文化財班

電話番号:043-223-4082

ファックス番号:043-221-8126

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