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更新日:令和5(2023)年7月6日
ページ番号:389415
(こたばむら あさいちゅうひつ)
小丹波村(浅井忠筆)
県指定有形文化財(絵画)
令和2年3月10日
千葉市中央区中央港1丁目104(千葉県)
千葉県立美術館
浅井忠の画歴は、1)明治9年(1876)に工部美術学校画学科に入学し、イタリア人教師アントニオ・フォンタネージに師事する以前、2)工部美術学校修学時代(明治9年-明治10年【1877】)、3)十一会設立から明治美術会前期までの時代(明治11年【1878】-明治26年【1893】)、4)明治美術会後期から渡欧まで(明治26年-明治33年【1900】)、5)滞欧期(明治33年-明治35年【1902】)、6)京都時代(明治35年-明治40年【1907】)に大別される。フォンタネージは、イタリア絵画史においてバルビゾン派風の風景表現をイタリアに紹介した画家と位置づけられており、日本においても豊かな自然やその中での人の営みを好んで描き、詩情豊かな作品を残した。フォンタネージに師事した浅井も、その画風に学び、農村・漁村の風景を好んで描いている。本作では油彩でありながら浅井が得意とした水彩画に見られるような空気感が描かれており、「藁屋根(わらやね)」(明治20年【1887】頃 千葉県立美術館 県指定文化財)、「春畝(しゅんぽ)」(明治21年【1888】、国指定重要文化財)など十一会設立から明治美術会前期までの時代の、緊密な構図と入念な描きこみ、作品表面の肌合いが重厚さを持つ作風から、油彩の技法にさらに習熟し、軽妙な筆触を活かせる画風へ展開していることがうかがえる。明治美術会後期から渡欧まで(明治26年-明治33年)の時代の画風をよく示す作品であり、日本近代絵画史の上でも重要な一点である。
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