ここから本文です。
ホーム > 教育・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化・文化財 > 文化財 > 文化財の指定と登録 > 県内の国登録有形文化財 > 鏡忍寺 蟇股(武志伊八郎信由関連作品)
更新日:令和7(2025)年2月3日
ページ番号:733106
(きょうにんじ かえるまた(たけしいはちろうのぶよしかんれんさくひん))
鏡忍寺 蟇股(竜)
鏡忍寺 蟇股(牡丹)
県登録有形文化財(彫刻)
22点
令和6年2月7日
鴨川市広場1413(宗教法人鏡忍寺)
武志伊八郎信由(初代伊八。以下、「伊八」という。)は、江戸時代後期に活躍した彫物大工である。その作品は、上総、安房地方の社寺建築を中心に遺されており、現代では特に波の表現が特徴的であると評価されることが多いことから、広く「波の伊八」として知られている。作者銘・紀年銘や作風から、伊八が手がけたと考えられる作品を「武志伊八郎信由関連作品」と呼ぶ。
イチョウ材からなる蟇股22点は、当初は旧祖師堂に取り付けられていたが、平成18年に旧祖師堂が解体されたため、建物から取り外された。その折、これらの彫刻の裏側の多くに「武士伊八」「武師伊八」等の銘が残されていたため、はじめて伊八作品であることが明らかになった。
モチーフは、竜(1点)、犀(2点)、麒麟(2点)、牡丹(17点)である。竜の姿は、遠近法を強調したデフォルメが施され、牡丹の花弁は様々な開き具合で表現されている。これらのモチーフは伊八が後年まで数多く手掛ることから、作風の変遷をたどる際の出発点として位置づけられる。本作は、建物の建立年代から明和8年(1771)頃、伊八19歳頃に制作されたものと推測され、伊八の現存する最初期の作品であると考えられる。
現在は、竜と牡丹1点が新祖師堂内に展示されており間近にみることができる。その他の20点は、現祖師堂の壁面にはめ込まれている。鏡忍寺の蟇股は、伊八の最初期の作品であり、後年の作品と比べると未熟な点が認められる。伊八の作風の変遷をたどる上で貴重な事例である。
関連リンク
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください