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更新日:令和3(2021)年8月20日

ページ番号:16172

平成26年度第4回景観セミナーの開催結果

セミナーの概要

平成26年度第4回景観セミナーは、千葉県と茂原市の共同開催により茂原市で開催しました。

講師の杉山先生から、色彩がおよぼす「まちへの影響力」、自然と人工物の色がつくる「まちの景観」について理解を深める御講演をいただき、多くの参加者から御意見や御感想をいただきました。

「魅力あるまちの景観と色彩」

日時:平成27年1月29日(木曜日)13時15分~15時45分
会場:茂原市役所市民室
内容:講演

講師:杉山朗子(すぎやまあきこ)氏(茂原市景観アドバイザー/株式会社日本カラーデザイン研究所景観事業部長)

開催案内チラシ(PDF:193KB)

前回は、色彩をイメージスケールで捉え、全国の景観の例より、地域の色は気候、風土、生活材料などに影響を受けていることを説明させていただきました。今回は、「魅力あるまちの景観と色彩」ということで、まずは、色彩からまちをみてみましょう。駅前ですが、これはどこもそんなに変わりません。「吉祥寺」を例にみてみましょう。駅を出るとロータリーが広がり、明るいグレーの大型ビルに赤と青の広告物で空間を構成しています。まちの色彩というと、建物の色だと思われがちですが、この例のように、看板やフラッグで、色を効果的に使うことができます。また、このまちにはいくつかの特徴的な通りがあります。色の構成は、集まっている店の雰囲気や用途、まちの成り立ちなどで異なっているのがわかりますね。このことは、逆に、色を見ると、そのまちを訪れるお客さんの顔も見えてくるということです。

それでは、まず、「色の地域らしさ」を発見する方法を御説明いたします。

最初に、「地域の特徴」の確認です。自分のまちの生業を知り、自然と人工物を考えながら、風土や地形を考慮して、風土特性を捉えます。市街地の度合いなど、エリアごとに分布図を作成されるとよいと思います。次に「色彩の風土特性」を捉えます。同じ盆地でも、松本と京都と会津は土や植生などの自然環境色は異なります。加えて、お祭りや伝統工芸などの文化環境色についても分析しましょう。それから「風景のイメージ」も捉えます。建物やサイン(広告物)などの実際に使われている配色を捉えるのには、「配色特性抽出法」が有効です。色の組み合わせにより、まちの印象が変わることがわかりますね。そのまちが持つ、色の強さ、濃さなどと、配色のイメージから、まちの印象効果を知ることも大切です。さらに、「配色からのまちの期待像」を把握しますと、第三者がでかける時にその地域をイメージする色ということがわかりますので、観光パンフレットを作る時などの参考になります。そして最後に、「地域住民が抱く地域像」を捉えます。ワークショップなどを行い、100人くらいのデータを集めることで、地元の人がイメージするまちの色がみえてきます。

私は、茂原市の景観の色彩について、地元の皆様ほど、存じ上げているわけではありませんが、昨年、自然景観から、華やかさのあるエレガンスであるというお話をさせていただきました。今回、まちの中に目を向けますと、駅前の看板や花壇などに、黄色が多く使われていることに気がつきました。千葉県の山などは、明るく黄色っぽい緑の色です。黄色は春から夏に使われる明るく健やかな色です。先程、お話した「配色からのまちの期待像」では、第三者(旅行者など)のイメージでは、千葉県は、はっきり、かつ、すっきりとした黄色や青色で、同じ色イメージの神奈川県は、千葉県よりソフトな色合いです。ちなみに、東京都はグレーで、近県でも少し違います。

では、最後に「色の地域らしさ」の具体的な活用について、道を中心にお話しいたします。

「道の色」は「まちの景観」を大いに左右します。歩道(インターロッキングなど)の改修工事などでは、残念な例が少なくありません。また、電線の地中化の留意点として、残された電柱や電灯の色も重要です。電柱などは、邪魔にならない色と言う事で、グレイッシュカラーにすると効果的ですが、まちに馴染みすぎると、デザイン効果がなくなってしまいます。それから、公共サインや看板を含む広告物については、時代の新旧、担当部署の違いを理由に、素材、色、デザインが混在するのはよくありません。公共性の高いのに、統一感がなく、わかりにくい道標、などとなってしまいます。そうしないためには「色の地域らしさ」を理解し、現地に足を運び、想定しながら、また、各方面と情報交換をしながら色を整理していくことが大切です。公共事業ばかりではなく、道の植栽も景観の色の一部ですから、身近な花壇や家の植栽などから、色の組み合わせ効果の応用により、そのまちの景観が変わってきます。

是非、色の現状を知ることにより、まちの個性を知り、色を使いこなすことによって、街の魅力を創りだしてください。

H26第4回景観セミナー左

会場の様子

H26第4回景観セミナー中

会場の様子

H26第4回景観セミナー右

杉山朗子氏

 

【参加者からの主な御意見・御感想(要旨)】

    • 写真を用いて具体的に御解説いただき、ありがとうございました。
    • 色彩の分析からまちの個性を知る手法に興味をもちました。
    • 色彩をコントロールすることでまちの個性を創出し、景観形成に活かしていければ良いと思います。
    • 伝統・文化・歴史・風土などを考えた上で、地域の色彩を決め、リードしていくことが大切だと思います。
    • 色彩と形態の機能する美しさに、公共性ある市民のためのまちづくりのお話をいただき、あらためて、まちづくりにおいての色彩効果について考える機会になりました。

お問い合わせ

所属課室:県土整備部公園緑地課景観づくり推進班

電話番号:043-223-3279

ファックス番号:043-222-6447

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